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①名前の由来となった意外な生態とは |
②3つの漢字表記と漢字の由来 |
③11の別名 |
④3つの英語表現 |
⑤アホウドリが逃げないのか理由とは |
⑥アホウドリは絶滅危惧種 |

【アホウドリ】名前の由来 |
アホウドリは警戒心が薄く、動きが鈍いので簡単に捕まってしまうことに由来。 |

【アホウドリ】3つの漢字表記 | ||
信天翁 | 阿房鳥 | 阿呆鳥 |

【アホウドリ】11の別名 | |||
馬鹿鳥 | しろぶ・しらぶ | くろぶ | らいのとり・らい |
沖の大夫 | 沖の尉 | しかべ | 藤九郎 |
だいなんかもめ | 大鳥 | 海鵝 |

【アホウドリ】3つの英語表現 | ||
albatross | short-tailed albatross | gooney bird |


【アホウドリ】名前の由来となった意外な生態とは

【アホウドリ】の名前は、アホウドリの生態に由来しています。
アホウドリは警戒心が薄く、人が近づいても逃げません。
羽が大きいためすぐに飛ぶこともできず、歩き方も下手な為、すぐに捕まってしまいます。
動作が鈍い上に人を恐れないので、簡単に捕まることから「アホウドリ」という名前が付けられました。
【アホウドリ】3つの漢字表記と漢字の由来

3つの漢字表記
信天翁 | 阿房鳥 | 阿呆鳥 |
その1(信天翁)
「信天翁」と書いて「アホウドリ」と読みます。
「信天翁」という漢字は、漢名からきています。
アホウドリは人が近づいても逃げません。
その様子が、天を信じて、一日中同じ場所で魚がくるのを待っている翁(おきな)のような白い鳥という意味で、この漢字が当てられました。
「信天翁」は音読みをして「しんてんおう」と読まれることもあります。
その2(阿房鳥)
「阿房鳥」と書いて「アホウドリ」と読みます。
アホウドリは、動作が鈍い上に人を恐れないので、簡単に捕まる「アホな鳥」です。
「愚か」という意味の「アホ」は漢字で表記すると「阿房・阿呆」です。
「阿房」の漢字が当てられ「阿房鳥」となりました。
その3(阿呆鳥)
「阿呆鳥」と書いて「アホウドリ」と読みます。
アホウドリは、動作が鈍い上に人を恐れないので、簡単に捕まる「アホな鳥」です。
「愚か」という意味の「アホ」は漢字で表記すると「阿房・阿呆」です。
「阿呆」の漢字が当てられ「阿呆鳥」となりました。
【アホウドリ】の11の別名

現在は「アホウドリ」という名前で統一されていますが、11の別名があります。
かつては地域によって違う名前が付けられていました。
アホウドリの別名 | ||
呼び名 | 地域 | 呼び名の由来など |
馬鹿鳥 (ばかどり) |
八丈島・小笠原諸島 | 間抜けで簡単に人に捕まってしまうことに由来 |
しろぶ・しらぶ | 八丈島・小笠原諸島 | アホウドリの本種の呼び名 |
くろぶ | 八丈島・小笠原諸島 | クロアホウドリの呼び名 |
らいのとり・らい | 九州北部沿岸地方 | クジラとともにやってくることに由来 |
沖の大夫 (おきのたゆう) |
山口県日本海沿岸地方 | 沖で暮らしている美しい鳥という意味 |
沖の尉 (おきのじょう) |
山口県日本海沿岸地方 | 沖で暮らしている立派な鳥という意味 |
しかべ | 北海道 | アイヌの言葉に由来 |
藤九郎(とうくろう) | 高知県 | |
だいなんかもめ | 関東地方 | |
大鳥(おおとり) | 関東地方 | 漢語的表現 |
海鵝(かいが) | 関東地方 | 漢語的表現 |
「アホウドリ」という名前は蔑称であり、改称を考える意見もあります。
【アホウドリ】3つの英語表現

3つの英語表現
albatross | short-tailed albatross | gooney bird |
その1(albatross)
アホウドリは英語で「albatross」です。
The albatross is an endangered species. |
アホウドリは絶滅危惧種です。 |
その2(short-tailed albatross)
アホウドリは英語で「short-tailed albatross」とも表現されます。
The short-tailed albatross is an endangered species. |
アホウドリは絶滅危惧種です。 |
一般的には「short-tailed albatross」が英語名称として使われます。
その3(gooney bird)
アホウドリは英語で「gooney bird」とも表現されます。
The gooney bird is an endangered species. |
アホウドリは絶滅危惧種です。 |
【アホウドリ】はなぜ逃げないのか/理由を解説

アホウドリはなぜ逃げないのか
- ❶無人島で暮らしていたため
- ❷助走がないと飛べないため
- ❸歩くのが下手
アホウドリが逃げない理由は次の3つです。
その1(無人島で暮らしていたため)
アホウドリが逃げないのは、人のいない環境で暮らしていたため、警戒心が薄いからです。
アホウドリは元々、鳥島や尖閣諸島などの無人島に生息していました。
天敵のいない無人島で平和に暮らしていたため、逃げることを知らなかったのです。
その2(助走がないと飛べないため)
アホウドリが逃げないのは、体が大きいので、その場から羽の力だけではすぐに飛ぶことができないからです。
アホウドリは、全長が85cm〜100cm、翼開張(よくかいちょう:翼の幅)が190cm〜240cm。
現存する空を飛べる鳥の中では、最大級の大きさです。
羽が大きいので、ある程度の助走がないと、飛んで逃げることができないのです。
その3(歩くのが下手)
アホウドリが逃げないのは、歩くのが下手だからです。
アホウドリは歩くのが苦手で、のそのそととても鈍い歩き方をします。
逃げないというよりも、逃げられないと言った方がピッタリかもしれません。
【アホウドリ】は絶滅危惧種

【アホウドリ】は絶滅危惧種
- ❶【アホウドリ】は絶滅危惧種
- ❷現在は回復してきている
- ❸アホウドリの本拠地である鳥島の場所
【アホウドリ】は絶滅危惧種
アホウドリは、アメリカでは絶滅危惧種に、日本では危急種に指定されています。
危急種とは、絶滅の危険が高いと判断された種を指します。
アホウドリの本拠地は鳥島ですが、歴史的には小笠原諸島など北西太平洋の島々に、多くの個体数が生息していました。
乱獲や島の環境破壊、本拠地である鳥島の火山噴火が原因で、アホウドリの生息数が減少していきました。
一時は絶滅したと考えられていたアホウドリですが、現在、個体数は回復しきています。
現在は回復してきている
一時は絶滅したと考えられていましたが、人工飼育や雛の移動による生息地の拡大の結果、アホウドリの個体数は回復してきています。
1951年には30羽〜40羽でしたが、1999年には1200羽、2018年の鳥島での調査では5000羽が確認されています。
アホウドリの本拠地である鳥島の場所
鳥島は東京都に属する、伊豆諸島の無人島です。
アホウドリの本拠地であり、島自体が天然記念物に指定されています。
アホウドリは特別天然記念物に指定されています。