【味気ない】の由来・語源 |
万葉集に登場する「あづきなし」に由来。 「あづきなし」は「不甲斐ない・役に立たない」という意味の古語。 |
【味気ない】の意味 |
・面白みや魅力がなくつまらない ・味わいがない |
【味気ない】の読み方 |
あじけない |
【味気ない】の英語表現 | |||
dull | insipid | boring | dreary |
uninspiring | uninspiring | flavorless |
【味気ない】の類義語・同義語 | |||
つまらない | 興が醒める | 妙味に乏しい | 無粋 |
退屈 | 無味乾燥 | 大味 | 殺風景 |
地味 | 寒々しい |

【味気ない】の由来・語源

由来・語源
- ❶語源は「あづきなし」に由来
- ❷万葉集に登場する「あづきなし」の一文
- ❸「味気ない」となったのは明治時代以降
【味気ない】の語源は「あづきなし」に由来
「味気ない」の語源は、万葉集に登場する「あづきなし」に由来します。
「あづきなし」は、不甲斐ないという意味の古語です。
「あづきなし」の意味 |
・どうにもならない、不甲斐ない ・無益だ、役に立たない ・苦苦しい |
万葉集に登場する「あづきなし」の一文
万葉集にはこのように書かれています。
原文 | あづきなく 何の狂言(たはごと) |
現代語訳 | 思うようにならず、何というたわごと |
原文 | 今更に 小童言(わらわこと)する 老人にして |
現代語訳 | 今更なぜ子供じみたことを言うのか、いい年をして。 |
【味気ない】となったのは明治時代以降
「味気ない」と使われるようになったのは、明治時代以降です。
平安時代に「あぢきなし」と変化し、意味も「つまらない・どうしようもない」となり、一般に広まりました。
あづきなし→あぢきなし→あじきなし→味気ないと変化していきました。
時代 | 言葉の変化 | 意味の変化 |
奈良時代 | あづきなし | 不甲斐ない・役に立たない |
平安時代 | あぢきなし | つまらない |
明治時代以降 | あじけない | つまらない |
【味気ない】の意味・読み方

意味・読み方
- ❶意味
- ❷読み方
【味気ない】の意味
「味気ない」とは、つまらないという意味です。
【味気ない】の意味 |
・面白みや魅力がなくつまらない ・味わいがない |
【味気ない】の読み方
「味気ない」は「あじけない」と読みます。
「あじきない」と読まれることがありますが、間違いではありません。
現在はあまり使われませんが、「あぢきなし」が変化したものなので、本来の読み方は「あじきない」なのです。
「味気」の漢字表記は当て字です。
【味気ない】の英語表現

英語表現
dull | insipid | boring | dreary |
uninspiring | uninspiring | flavorless |
その1(dull)
「dull」は「鈍い・つまらない」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
His life is dull. |
彼の人生は味気ない |
その2(insipid)
「insipid」は「面白くない・まずい」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
an insipid conversation |
味気ない会話 |
その3(boring)
「boring」は「退屈な・面白くない」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
She is a bore. |
彼女は味気ない人だ。 |
その4(dreary)
「dreary」は「退屈な・面白くない・わびしい」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
It is a dreary scene. |
味気ない風景だ。 |
その5(uninspiring)
「uninspiring」は「面白くない・退屈な」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
a villa of uninspiring design |
味気ないデザインだ |
その6(drab)
「drab」は「くすんだ・させない」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
a drab life |
味気のない人生 |
その7(flavorless)
「flavorless」は「味のない・無味」という意味の単語です。
「味気ない」の英語表現として使うことができます。
a flavorless lunch |
味気のない昼食だ |
【味気ない】の類義語・同義語

類義語・同義語
つまらない | 興が醒める | 妙味に乏しい | 無粋 |
退屈 | 無味乾燥 | 大味 | 殺風景 |
地味 | 寒々しい |
その1(つまらない)
「つまらない」とはこのような意味です。
「つまらない」の意味 |
・面白くない ・価値がなく大したものではない |
例文 | 彼の話はつまらない。 |
「味気ない」の面白みがない意味と似た意味です。
その2(興が醒める・きょうがさめる)
「興がさめる」とはこのような意味です。
「興がさめる」の意味 |
・興味が薄れる ・面白みがなくなる |
例文 | お花見で盛り上がっていたが、急に雨が降り興が覚めてしまった。 |
その3(妙味に乏しい・みょうみにとぼしい)
「妙味に乏しい」とはこのような意味です。
「妙味に乏しい」の意味 |
・面白みがない ・物足りない |
例文 | お花見で盛り上がっていたが、急に雨が降り興が覚めてしまった。 |
その4(無粋・ぶすい)
「無粋」とはこのような意味です。
「無粋」の意味 |
・人の気持ちや世の中の微妙なやり取りに通じていないこと ・面白みがないこと |
例文 | 無粋なことですが、年齢はおいくつですか? |
その5(退屈・たいくつ)
「退屈」とはこのような意味です。
「退屈」の意味 |
することがなくて時間をもてあまし、その状況に嫌気がさしていること |
例文 | 毎日同じことの繰り返しで退屈だ。 |
その6(無味乾燥・むみかんそう)
「無味乾燥」とはこのような意味です。
「無味乾燥」の意味 |
味わいや面白みがなく、つまらなこと |
例文 | 無味乾燥な生活が、留学をして一変した。 |
その7(大味・おおあじ)
「大味」とはこのような意味です。
「大味」の意味 |
食物の味がおおまかで、こまやかな風味がないこと |
例文 | 彼女の料理は大味で、物足りない感じがした。 |
その8(殺風景・さっぷうけい)
「殺風景」とはこのような意味です。
「殺風景」の意味 |
景色などに変化がなく、趣がないこと |
例文 | この部屋は殺風景だ。 |
その9(地味・じみ)
「地味」とはこのような意味です。
「地味」の意味 |
・華やかさがなく控えめなこと ・目立たないこと |
例文 | 彼女の今日の服装は地味だ。 |
その10(寒々しい・さむざむしい)
「寒々しい」とはこのような意味です。
「地味」の意味 |
・何もなくて殺風景である ・非常に寒そうな様子 |
例文 | 物が少ないので、彼の部屋は寒々しい。 |