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刺客の荊軻(けいか)は、毎日仲間と酒を飲んで暮らしていました。
酒宴が盛り上がると、街中を歩きながら楽器を鳴らしたり、歌ったりと、周りに人がいないような自分勝手な振る舞いをしていました。
この様子から、「周囲のことを考えずに、自分勝手な言動をすること」という意味で「傍若無人」という言葉が使われるようになりました。
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【傍若無人】10の類語・類義語 | ||
不躾 | 横柄 | 唯我独尊 |
厚顔無恥 | 驕傲 | 傲慢無礼 |
傲岸不遜 | 鉄面皮 | 放辟邪侈 |
野放図 |

【傍若無人】7つの反対語・対義語 | ||
遠慮会釈 | 温厚篤実 | 謙虚 |
丁寧な物腰 | 卑下 | 自己韜晦 |
平身低頭 |

【傍若無人】12の英語表現 | ||
act as if one’s owns the place | arrogant | unmannerly |
insolent | outrageous | audacious |
impudent | rude | impolite |
snotty-nosed | bad-mannered | ill-mannered |

【傍若無人】の中国語表現 |
旁若无人 |


【傍若無人】意味・読み方とは/わかりやすく解説
意味・読み方
- ❶【傍若無人】の意味
- ❷「傍若」の意味
- ❸「無人」の意味
- ❹【傍若無人】の読み方

【傍若無人】の意味
【傍若無人】とは、周囲のことを考えずに、自分勝手な言動をすること。
【傍若無人】の意味 |
周囲のことを考えずに、自分勝手な言動をすること |
「傍若」の意味
「傍若」は、四字熟語「傍若無人」の一部です。
「傍若」のみでは意味を成しません。
「無人」の意味
「無人」の意味は、人がいないことです。
「無人」の意味 |
人のいないこと |
【傍若無人】の読み方
【傍若無人】と書いて、「ぼうじゃくぶじん」と読みます。
「無人」を「むじん」と読み、「ぼうじゃくむじん」と読まれることがありますが、間違いです。
また、「旁若無人」と書かれることがありますが、間違いではありません。
読み方 | |
正 | ぼうじゃくぶじん |
誤 | ぼうじゃく むじん |
漢字表記 | |
正 | 傍若無人 |
正 | 旁若無人 |
【傍若無人】由来・語源は刺客の故事
由来・語源
- ❶【傍若無人】の由来・語源は刺客の故事
- ❷刺客の故事/物語の内容
- ❸「荊軻(けいか)とは
- ❹中国の歴史書「史記」とは

【傍若無人】の由来・語源は刺客の故事
【傍若無人】の由来・語源は刺客の故事です。
中国の歴史書「史記」の「刺客列伝・荊軻(けいか)」に書かれている、戦国時代末期の刺客の物語です。
刺客の故事/物語の内容
中国戦国時代末期の、秦が統一されつつある時代のことです。
刺客の荊軻(けいか)は、毎日仲間と酒を飲んで暮らしていました。
酒宴が盛り上がると、仲間と街を歩き、自分勝手な振る舞いをすることもしばしば。
街を歩きながら楽器を鳴らす、歌を歌う、抱き合って泣く、騒ぐなど、周りに人がいないような振る舞いをしていました。
この様子から、「周囲のことを考えずに、自分勝手な言動をすること」という意味で「傍若無人」という言葉が使われるようになりました。
「荊軻(けいか)とは
荊軻(けいか)は、中国の戦国時代末期の刺客です。
読書と剣術を好み、社交的な人物だったようです。
若い頃に諸国を放浪した末に燕の太子丹に仕えています。
後に秦王の暗殺を命じられますが、失敗して逆に暗殺されてしまいます。
中国の歴史書「史記」とは
「史記」とは、中国の前漢時代に司馬遷(しばせん)によって編纂された歴史書です。
中国王朝の正史である「二十四史」の1つで、黄帝から前漢武帝までの二千数百年の歴史がまとめられています。
「本紀」12篇・「表」10篇・「書」8篇・「世家」30篇・「列伝」70篇の計130編成。
中国の歴史上最高傑作と言われるほど高く評価されている歴史書です。
「刺客列伝」は、刺客の伝記です。
【傍若無人】使い方・例文
使い方・例文
- ❶使い方
- ❷例文

使い方
【傍若無人】は、「傍若無人な態度」「傍若無人な振る舞い」「傍若無人な対応」というような使い方をします。
直接人に対して使われることはなく、いい意味で使われることもありません。
人に迷惑をかけているというような、否定的な意味で使われます。




例文
例文1 | 彼の後輩に対しての傍若無人な態度が気になる。 |
例文2 | 祖父はお酒を飲むと傍若無人になる。 |
例文3 | 図書館で大声で話す傍若無人な人を見かけた。 |
例文4 | 上司の傍若無人な態度が不愉快でたまらない。 |
例文5 | 電車でお菓子を食べるなんて、傍若無人だ。 |
【傍若無人】10の類語・類義語

【傍若無人】の類語は「不躾」「厚顔無恥」などです。
【傍若無人】8つの類語・類義語 |
||
1 | 不躾 (ふじつけ) |
・躾ができていないこと ・礼を欠くこと |
2 | 横柄 (おうへい) |
いばって人を無視した態度を取ること |
3 | 唯我独尊 (ゆいがどくそん) |
自分が最も優れているとうぬぼれること |
4 | 厚顔無恥 (こうがんむち) |
ずうずうしく恥知らずなこと |
5 | 驕傲 (きょうごう) |
おごりたかぶること |
6 | 傲慢無礼 (ごうまんぶれい) |
態度が大きく、人を見下すこと |
7 | 傲岸不遜 (ごうがんふそん) |
いばって人を見下すこと |
8 | 鉄面皮 (てつめんぴ) |
ずうずうしく厚かましいこと |
9 | 放辟邪侈 (ほうへきじゃし) |
勝手気ままに悪い行いをすること |
10 | 野放図 (のほうず) |
自分勝手なこと |
【傍若無人】7つの反対語・対義語

【傍若無人】の反対語・対義語には、「遠慮会釈」「温厚篤実」などがあります。
【傍若無人】7つの反対語・対義語 |
||
1 | 遠慮会釈 (えんりょえしゃく) |
他人のことを思いやり、控えめな態度や言動で接すること |
2 | 温厚篤実 (おんこうとくじつ) |
穏やかで温厚で、真面目な性格 |
3 | 謙虚 (けんきょ) |
控えめで、相手の意見を素直に受け入れること |
4 | 丁寧な物腰 (ていねいなものごし) |
人に対する言葉遣いや振る舞いが礼儀正しいこと |
5 | 卑下 (ひげ) |
自分の価値を下げてへりくだること |
6 | 自己韜晦 (じことうかい) |
自分の身分や才能を隠して表に出さず、自慢しないこと |
7 | 平身低頭 (へいしんていとう) |
ひたすら謝ること |
【傍若無人】12の英語表現

【傍若無人】の英語表現には、「arrogant」「insolent」などがあります。
【傍若無人】12の英語表現 |
||
1 | act as if one’s owns the place | その場所を所有しているかのように振る舞う |
2 | arrogant | 横柄な |
3 | unmannerly | 無礼 |
4 | insolent | 横柄、無礼 |
5 | outrageous | 無法な、非道な |
6 | audacious | 厚かましい |
7 | impudent | 厚かましい、恥知らず |
8 | rude | 失礼、無礼 |
9 | impolite | 失礼な、無作法な |
10 | snotty-nosed | 偉そうな、横柄な |
11 | bad-mannered | 行儀の悪い |
12 | ill-mannered | 無作法な、失礼な、マナーの悪い |
【傍若無人】の中国語表現(旁若无人)

【傍若無人】の中国語は「旁若无人」です。
【傍若無人】の中国語 |
旁若无人(páng ruò wú rén) |
【傍若無人】漢文の書き下し文・現代語訳

原文・白文 | 荊軻嗜酒、 |
書き下し文 | 荊軻酒を嗜み |
現代語訳 | 荊軻は酒を飲むのを好み、 |
原文・白文 | 日與狗屠及高漸離飲於燕市。 |
書き下し文 | 日狗屠及び高漸離と燕市に飲む。 |
現代語訳 | 毎日のように犬殺しや高漸離と燕の街なかで飲んでいた。 |
原文・白文 | 酒甜以往、高漸離撃筑、 |
書き下し文 | 酒甜にして以往い、高漸離筑を撃ち、 |
現代語訳 | 酒がたけなわになると、高漸離は筑を打ち鳴らし、 |
原文・白文 | 荊軻和而歌於市中、相樂也。 |
書き下し文 | 荊軻和して市中に歌い、相楽しむ也。 |
現代語訳 | 荊軻はそれに合わせて歌い歩き、互いに楽しんだ。 |
原文・白文 | 已而相泣、旁若無人者。 |
書き下し文 | 已にして而相泣き、旁に人無き者の若し。 |
現代語訳 | やがて互いに泣きだし、周りに人がいないような有様だった。 |