イルカの寝方は片目睡眠だった!眠ったまま泳げる理由とは

イルカは、「片目睡眠(半球睡眠)」といって、脳の半分は眠っていて、脳の半分は起きている睡眠方法で眠っています。この想像もできないような方法で、イルカは水の中でどんな風に寝ているのか。溺れないのか。など色々と気になる事が沢山あります。

この記事では、イルカの寝る方法や能力についてお伝えします。


イルカの寝方は半球睡眠

イルカは、「半球睡眠(片目睡眠)」という方法で眠っています。左脳と右脳、どちらか片方は眠っていて、もう片方は低い覚醒状態で起きています。
  
人間の場合、物音や気配に気づかないほど熟睡してしまうことがありますが、イルカではあり得ないことです。
  
右脳を休ませて眠っている時は左目が閉じていて、右目が開いている状態。左脳を休ませて眠っている時は右目が閉じていて、左目が開いている状態になります。
  
脳を休ませるために、だいたい2時間前後で使う脳を切り替えているそうです。
  
イルカって、いつも活発で元気に動いているイメージがあったので、睡眠時間が短いのではないかと思っていたのですが、意外にも長く、1日に9時間ほどになります。
  
睡眠時間が私たち人間より長いのは意外でした。
  
睡眠時間がこれだけ長ければ、水族館でもじーっとイルカを見ていると、片方の目を閉じて眠っているイルカを見つけることができるかも!
  

イルカの寝方が半球睡眠の理由

イルカが『半球睡眠』という方法で眠っている理由は2つあります。

イルカの寝方が半球睡眠の理由 その1

まずは、天敵から身を守るためです。
  
シャチなどの天敵に遭遇した時に、完全に眠っていたら逃げることができません。自然界はちょっとした事が命取りになる厳しい世界なのですね。
  
半球睡眠は、厳しい自然界で身を守る為の睡眠方法なのです。

イルカの寝方が半球睡眠の理由 その2

  
次は、呼吸のためです。
  
イルカは私たちと同じ肺呼吸をする動物なので、水面に出て酸素を吸い、呼吸をしなければなりません。それは眠っている時も同じです。
  
イルカの頭のてっぺんに噴気孔という穴があって、そこで呼吸をしているのを水族館で見たことがあると思います。
  
長い時は5、6分潜っていられるようですが、基本的には1分間に2回ほど水面にでて呼吸をしています。
  
完全に眠ってしまうと溺れてしまう可能性があるので、このように進化したのでしょうね。
  
眠るのも命がけです。
  

水の中でのイルカの寝方

  
イルカの寝方は3つの種類にわけられます。

水の中でのイルカの寝方 その1

イルカは泳ぎながら眠れます。片方の目を閉じてゆっくりと泳いでいたら、眠っています。
  
このような時、イルカの眠りは浅い状態で、ちょっとした気配を感じるとすぐに目が覚めてしまいます。
  
泳ぎながら眠るということは、人間でいうと、歩きながら眠っているのと同じようなことですよね。眠ったまま出勤できたら最高だな!なんて妄想しちゃいますね。

水の中でのイルカの寝方 その2

イルカがプカプカと水面に浮き、じっと動かずに静止して眠っている時は、イルカが深く眠っている時です。
  
水の上に浮いて寝ている姿は丸太のように見えることから「ロギング」と呼ばれているんだとか。
  

水中でのイルカの寝方 その3

プールの底で静止した状態で眠っていることがあります。
  
このような時も、イルカは深く眠っています。
  
夜は暗く天敵に遭遇する可能性が低いからでしょうか、特に夜は深い眠りにつく事が多いようです。


イルカの赤ちゃんは溺れないのか

半球睡眠って、なんだかすごく難しそうな睡眠方法に思えませんか。
  
特にイルカの赤ちゃんはちゃんと眠れるのか、呼吸ができるのか、と心配に思うかもしれませんが、お母さんイルカのサポートがあるので大丈夫です!
  
ちょっと怖い話なのですが、イルカの赤ちゃんはすごく脂肪量が少ないそうです。そのため、静止すると沈んでしまう事があるのだとか。
  
沈んでしまうと呼吸ができないので、イルカの赤ちゃんは、生まれてから数週間は休んでいる時間はありません。お母さんのサポートを受けながら泳ぎ続けなければならないのです。
  
イルカは泳ぐのが得意ですが、ずっと泳ぎ続けるのは体力的にも大変で、疲れてしまうでしょうね。
  
お母さんイルカは、赤ちゃんになるベく負担がかからないように、水の抵抗をなるべく受けないように、赤ちゃん寄り添って泳ぎ、眠ります。
  
どの世界でも同じですが、お母さんの子供を思う気持ちってすごくて感動です!
  
子供ときにたくさん泳いでしまうと体の弱い子になってしまうので、親子のイルカはゆっくりと泳ぎます。そして、それをお父さんイルカは見守っています。
  

イルカの呼吸の秘密

  
イルカが半分寝ていても生きていけるのは、呼吸にも秘密があります。
  
イルカは一回の呼吸で人間よりも沢山の酸素を体内に取り込む事ができます。
  
人間が一回の呼吸で、肺の中の酸素を交換ができるのは15%-20%くらい。これに対して、イルカは一回の呼吸で90%近くの酸素を交換する事ができます。
  
また、酸素を効率よく使うために、体が必要としている部位だけに酸素を運べるようになっているので、呼吸の回数が少なくても大丈夫というわけです。
  

半球睡眠をしている動物

アザラシ・クジラ・シャチ、アホウドリ・カモメ・ツバメなども半球睡眠をしています。
  
アザラシやクジラはなんとなく想像がつくのですが、驚いたのは鳥類が半球睡眠をしていることでした。寝ながら飛ぶなんて、落ちてしまうことはないのかと心配になりますよね。
  
天敵から身を守るためということはもちろん、渡り鳥は、数千キロの距離を休まず何日もかけて飛び続けるので、飛びながら眠るために半球睡眠をしています。
  
眠りながら飛ぶなんて・・・!本当に命がけです。
  

人間も半球睡眠ができるのか

  
生きるために半球睡眠をする動物がいる世界で、何の心配もなくしっかりと熟睡できる人間って、とても幸せだなとつくづく思います。
  
もし、自分にも半球睡眠ができるような能力があったらと想像すると。寝ながら出勤できたりしていいなと。そんな能力があったら夢のようだなと思ったのですが、人間にとって睡眠は必要なものなので、残念ですが半球睡眠はできません。
  
ただ、人間も片方の目をつぶること事で脳に入る情報が少なくなり、少しですが脳を休める事ができるそうです。
  
忙しい時や疲れている時は試してみる価値がありそうです。



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