【我慢】元々の意味は「うぬぼれ」/類語・由来となった仏教の七慢を解説

ハルちゃん
ハルちゃん
この記事では【我慢】の元々の意味・7つの類語・由来・語源についてお伝えします。
【我慢】の元々の意味
・うぬぼれること
・心が高慢であること
・自分を偉いと思い、他人を軽視すること
【我慢】の7つ類語
忍耐 辛抱 忍苦 堅忍
堪忍 耐える 忍ぶ
【我慢】の語源・由来
仏教の煩悩の一種である「七慢(しちまん)」
詳しくは記事をお読み下さい。
みーちゃん
みーちゃん



【我慢】の元々の意味は「うぬぼれ」

【我慢】の元々の意味とは

「我慢」は、元々はこのような意味の言葉でした。

・うぬぼれること
・心が高慢であること
・自分を偉いと思い、他人を軽視すること

元々は、現在とは反対の意味で使われていました。
  
そこから意味が転じて、現在のような意味を持つようになりました。
  

【我慢】の現在の意味とは

「我慢」は、現在は一般的に、このような意味で使われます。

耐え忍ぶこと、辛抱すること、こらえること

「我」の意味とは

「我」の意味はこのようになります。

・われ、わたくし
・意地
・わがまま

「慢」の意味とは

「慢」の意味はこのようになります。

思い上がって人を侮ること

「慢」とは仏教語で「煩悩」の1つです。
  
「煩悩」とは、心身を乱し悩ます心の働きのことです。
  

「我慢」の意味はどのように転じたのか

「我慢」の意味は、次の3つのステップで変化しました。

①うぬぼれること、自分を偉いと思い、他人を軽視すること
②我意を張ること、自分の思うままにしようとする心持ち、わがまま
③耐え忍ぶこと、辛抱すること、こらえること

元々は自己中心的な意味だった「我慢」という言葉。
  
「我が強い」→「気が強い」→「耐え忍ぶ」と変化して現在の意味になったようです。



【我慢】の語源は仏教の「七慢(しちまん)」由来している

語源は仏教の「七慢」に由来

「我慢」の語源は、仏教の「七慢」に由来しています。
  
仏教で説く「煩悩」の1つに「慢」があります。
  
「慢」を心理状態によって7つに分けたものが「七慢」です。
  
この「七慢」の中に「我慢」が含まれます。
  

「七慢(しちまん)」とは

「七慢」とは、以下の7つのことです。
  
自分をおごり高ぶっていると、様々な物事を正しく見ることができなくなります。

①慢(まん) ・自分より劣っている人に対して「自分の方が優れている」とうぬぼれること
・自分と同等の人に対して「自分と同等である」と相手を軽く見ること
②過慢(かまん) ・自分と同等の人に対し「自分の方が上だ」と思うこと
・自分より優れている人に対して「自分と同じである」とおごり高ぶること
③慢過慢
(まんかまん)
自分より優れた者に対して「自分の方が優れている」とうぬぼれ、相手を見下すこと
④増上慢
(ぞうじょうまん)
悟っていないのに「悟った」とうぬぼれること
⑤卑慢(ひまん) はるかに優れている人と比べて「自分は少ししか劣っていない」と思うこと
⑥邪慢(じゃまん) ・間違ったことをしても、正しいことだと言い張ること
・徳がないのに、あるように見せること
⑦我慢(がまん) 自分を偉いと思い、他人を軽視すること

「我慢」はサンスクリット語「アスミマーナ(asmimana)」の漢訳

「我慢」は、サンスクリット語の「アスミマーナ(asmimana)」を漢訳したものです。
  
「マーナ(mana)」を漢訳したものが「慢」です。



【我慢】の類語・類義語

その1(忍耐・にんたい)

「忍耐」とは、このような意味です。

・耐え忍ぶこと
・苦難などをこらえること

  

その2(辛抱・しんぼう)

「辛抱」とは、このような意味です。

・つらいことや苦しいことをがまんすること
・こらえ忍ぶこと

  

その3(忍苦・にんく)

「忍苦」とは、このような意味です。

苦しいこと、つらいことを耐えて忍こと

  

その4(堅忍・けんにん)

「堅忍」とは、このような意味です。

・我慢強くこらえること
・苦しいこと、つらいことを耐え忍ぶこと

  

その5(堪忍・かんにん)

「堪忍」とは、このような意味です。

・肉体的な痛みや苦しみにじっとこらえること。我慢すること
・怒りを抑えて、人の過ちを許すこと

  

その6(耐える・たえる)

「耐える」とは、このような意味です。

苦しいこと、つらいこと、嫌なことをじっとがまんする

  

その7(忍ぶ・しのぶ)

「忍ぶ」とは、このような意味です。

つらいこと、嫌なことをじっとがまんする、こらえる

  

【我慢・我慢する】の英語表現

その1(patience)

「patience」は「忍耐・我慢」という意味の単語です。
  
「have patience」で「我慢する・耐える」となります。
  
苦痛なことに耐えるとき、我慢するときに使われます。
  

その2(patient)

「patient」は「忍耐強い・我慢強い」という意味の単語です。
  
「be patient」の形で、苦痛なことに耐えるとき、我慢するときに使われます。
  
「don’t be patient」で「我慢しないで」という意味になります。
  

その3(endure)

「endure」は「耐える・我慢する」という意味の単語です。
  
苦痛なことを長時間じっと耐える、我慢するというニュアンスで使われます。
  

その4(put up with)

「put up with」で「我慢する」となります。
  
不快な事・人に対して、仕方なく受け止めるというニュアンスで使われます。
  
「don’t put up with」で「我慢しないで」となります。
  

その5(be strict with oneself)

「be strict with oneself」で「自分に厳しくする」となります。
  
自分に厳しくする事で、何かに耐えるとき・我慢するときに使われます。

英語 日本語
strict 厳しい
oneself 自分

その6(stand)

「stand」は「立つ・立っている状態・我慢する」という意味です。
  
「苦痛を我慢する」の意味で、疑問文・否定文でのみ使われます。
  

その7(bear)

「bear」は「出産する・結ぶ・身につける・抱く・支えもつ・我慢する」という意味です。
  
「苦痛を我慢する」の意味で、疑問文・否定文でのみ使われます。
  
「stand」よりも深刻な状況で使われます。
  

その8(tolerate)

「tolerate」は「大目に見る・黙って許す・寛大に取り扱う・我慢する」という意味です。
  
不快な事に耐えるときに使われます。



【我慢】の対義語・反対語(薄弱・はくじゃく)

「我慢」の対義語は「薄弱」です。
  
「薄弱」とは、このような意味です。

体や意思が弱く、すぐに負けてしまいそうな様子

「我慢」「やせ我慢」の意味の違いとは

「やせ我慢」の意味

「やせ我慢」の意味はこのようになります。

本当は辛いのに無理に我慢して、平気を装うこと

寒いのに薄着で過ごし、全然寒くないと平気を装うようなことです。
  
「我慢していることなんて、なんともない」
  
このように、他人の目を気にして、見栄を張っているときに使われる言葉です。
  

「我慢」「やせ我慢」の違い

「我慢」「やせ我慢」の違いは、他人の目です。
  
辛いことを我慢するのはどちらも同じです。
  
「我慢していることを他人に気づかれたくない」思っているかが両者の違いです。
  
「やせ我慢」の方が、他人に弱みを見せたくないというニュアンスです。
  

「やせ我慢」の類語・類義語

強がり 弱みを見せないように、実際以上に強そうなことをしたり、言ったりすること
虚勢(きょせい) 自分の弱さを隠すために、外見だけは力のあるふりをする

「他人の目を気にする」「弱みを見せたくない」「見栄を張る」
  
どの言葉にも、このような共通点があります。

 

Follow me!

PAGE TOP