【破竹の勢い】2つの意味 | |
元々の意味 | 最初に力を入れるだけで、後はスムーズに物事が進んで行くこと |
現在の意味 | 猛烈な勢いでものごとが進行すること |
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三国時代の末期、晋国と呉国は中国統一を争っていました。
呉国を攻めようとしていた晋国では、蒸し暑い季節だったため、疫病を恐れ攻めるのを躊躇う意見がありました。
そんな中、晋国の武将・杜預(とよ)は、呉国の勢力が弱まっているのを察知し、攻めることを進言しました。
晋国の武将・杜預(とよ)の言葉 | |
原文・白文 | 今兵威已振、譬如破竹 |
現代語訳 | 我が軍は今や威勢をふるい、例えるならば、竹を割るかのような勢いがある |
その結果、晋国は呉国を滅ぼし、中国統一を成し遂げました。
このことから、「最初に力を入れるだけで、後はスムーズに物事が進んで行く」という意味で【破竹の勢い】が使われるようになりました。
それが更に変化し、現在は「猛烈な勢いでものごとが進行すること」という意味で使われています。
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【破竹の勢い】10の類語・言い換え表現 | |
飛ぶ鳥を落とす勢い | 草木も靡く |
旭日昇天の勢い | 堰を切ったような |
昇竜の勢い | 沖天の勢い |
当たるべからざる勢い | 日の出の勢い |
快進撃 | 向かうところ敵なし |

【破竹の勢い】4つの反対語・対義語 | |
衰退の一途をたどる | 吹けば飛ぶような |
斜陽 | 見る影もない |

【破竹の勢い】5つの英語表現 | |
1 | He is ready to leap over nine hedges. |
2 | carry everything before one |
3 | with great vigor |
4 | on unstoppable momentum |
5 | in full flood |

【破竹の勢い】中国語表現 |
破竹之势(pòzhú zhī shì. |


【破竹の勢い】現在の意味と元々の意味

意味
- ❶現在の意味
- ❷元々の意味
- ❸「破竹」の3つの意味
現在の意味
【破竹の勢い】の現在の意味は、猛烈な勢いでものごとが進行することです。
【破竹の勢い】現在の意味 |
猛烈な勢いでものごとが進行すること |
元々の意味
【破竹の勢い】の元々の意味は、最初に力を入れるだけで、後はスムーズに物事が進んで行くことです。
【破竹の勢い】元々の意味 |
最初に力を入れるだけで、後はスムーズに物事が進んで行くこと |
「破竹」の3つの意味
「破竹」には3つの意味があります。
「破竹」3つの意味 | |
1 | 竹を割ること |
2 | 一瞬、瞬時 |
3 | 【破竹の勢】の略 |
【破竹の勢い】由来・語源は三国志の故事

由来・語源
- ❶【破竹の勢い】由来・語源は三国志の故事
- ❷晋国の武将・杜預が進言した言葉とは
- ❸故事の出典は「晋書(しんじょ)・杜預伝(とよでん)」
【破竹の勢い】由来・語源は三国志の故事
【破竹の勢い】は、三国志の終盤となる呉平定の時の故事です。
紀元200年代の中国(三国時代)の終盤、晋国と呉国は中国統一を目指して争っていました。
呉国を攻めようとしていた晋国は、近くまで迫り、攻めるタイミングを見計らっていました。
というのも、蒸し暑い季節だったため、疫病を恐れ涼しくなるまで待とうという意見があったためです。
そんな中、晋国の武将・杜預(とよ)は、呉国の勢力が弱まっているのを察知し、攻めることを進言しました。
その結果、晋国は呉国を滅ぼし、中国統一を成し遂げたのです。
このことから、「最初に力を入れるだけで、後はスムーズに物事が進んで行く」という意味で【破竹の勢い】が使われるようになりました。
それが更に変化し、現在は「猛烈な勢いでものごとが進行すること」という意味で使われています。
晋国の武将・杜預が進言した言葉とは
杜預が進言した言葉は「譬如破竹(ひじょうはちく)」です。
原文・白文 | 今兵威已振、譬如破竹 |
現代語訳 | 我が軍は今や威勢をふるい、例えるならば、竹を割るかのような勢いがある |
竹は少し切れ目を入れるだけで、簡単に割れます。
この勢いのまま攻めれば、呉国を滅ぼすことができると杜預は進言しました。
故事の出典は「晋書(しんじょ)・杜預伝(とよでん)」
【破竹の勢い】の由来である故事は、「晋書・杜預伝」に書かれています。
「晋書(しんじょ)」とは、中国・晋時代に書かれた歴史書です。
中国王朝の正史である「二十四史」の1つで、晋の他、後漢や三国時代についても記述があります。
帝紀(10巻)、志(20巻)、列伝(70巻)、載記(30巻)の全130巻から成ります。
【破竹の勢い】例文・使い方

例文・使い方
- ❶例文
- ❷使い方
例文
例文1 | 彼女は破竹の勢いで、世界的な歌手になった。 |
例文2 | 彼が立ち上げた会社は、破竹の勢いで成長している。 |
例文3 | 母校の野球部は、破竹の勢いで勝ち進んでいる。 |
例文4 | 破竹の勢いでここまできたから、一気に攻め込もう。 |
使い方



【破竹の勢い】10の類語・言い換え表現

【破竹の勢い】の類語・言い換え表現は、「飛ぶ鳥を落とす勢い」などです。
【破竹の勢い】10の類語・言い換え表現 | ||
1 | 飛ぶ鳥を落とす勢い (とぶとりをおとすいきおい) |
権勢や威勢が盛んなこと |
2 | 草木も靡く (くさきもなびく) |
権勢が盛んで、多くの人がそれに従うこと |
3 | 旭日昇天の勢い (きょくじつしょうてん) |
元気で勢いのあること |
4 | 堰を切ったような (せきをきったような) |
溜まっていた物事が一気に動き出すこと |
5 | 昇竜の勢い (しょうりゅうのいきおい) |
非常に勢いの良いこと |
6 | 沖天の勢い (ちゅうてんのいきおい) |
勢いが盛んなこと |
7 | 当たるべからざる勢い (当たるべからざるいこい) |
だれも対抗できないほど勢いの強いこ。と |
8 | 日の出の勢い (ひのでのいきおい) |
朝日が昇るように盛んな勢い |
9 | 快進撃 (かいしんげき) |
気持ちいいほどに、敵を撃ち破り前進すること |
10 | 向かうところ敵なし (むかうところてきなし) |
非常に強くて負けることがないようす。 |
【破竹の勢い】4つの反対語

【破竹の勢い】の反対語は、「衰退の一途をたどる」などです。
【破竹の勢い】4つの反対語・対義語 | ||
1 | 衰退の一途をたどる (すいたいのいっとをたどる) |
衰退し続けること |
2 | 吹けば飛ぶような (ふけばとぶような) |
わずかな風でも吹き飛ばされてしまうほど貧弱なこと |
3 | 斜陽 (しゃよう) |
勢力などが衰退していくこと |
4 | 見る影もない (みるかげもない) |
以前と姿がすっかり変わって、ひどく哀れな状態になっていること |
【破竹の勢い】5つの英語表現

【破竹の勢い】の英語表現は、「with great vigor」などです。
【破竹の勢い】5つの英語表現 | ||
1 | He is ready to leap over nine hedges. | |
九つの生垣をも飛び越えようとする勢い | ||
2 | carry everything before one | |
瞬く間に大成功する、破竹の勢いで進む | ||
3 | with great vigor | |
非常に精力的に | ||
4 | on unstoppable momentum | |
止まらない勢いで | ||
5 | in full flood | |
すごい勢いで |
He took with great vigor the victory. |
彼は破竹の勢いで勝利をつかんだ。 |
【破竹の勢い】中国語表現

【破竹の勢い】の中国語表現は、次のようになります。
【破竹の勢い】中国語表現 |
破竹之势(pòzhú zhī shì) |
他破竹之勢赢了. |
彼は破竹の勢いで勝利した。 |
【破竹の勢い】漢文の現代語訳・書き下し文

原文・白文 | 今兵威已振 |
読み仮名 | いま へいいすでにふるう |
書き下し文 | 今兵威已に振るう |
現代語訳 | 我が軍は今や威勢をふるい |
原文・白文 | 譬如破竹 |
読み仮名 | たとえば たけをやぶるがごとく |
書き下し文 | 譬えば竹を破るがごとく |
現代語訳 | 例えるならば、竹を割るかのような勢いがある |
原文・白文 | 數節之後 |
読み仮名 | すうせつののち |
書き下し文 | 數節の後 |
現代語訳 | 竹に数節の割れ目を入れれば |
原文・白文 | 皆迎刃而解 |
読み仮名 | みなじんをむかえてとく |
書き下し文 | 皆刃を迎えて解く |
現代語訳 | 刃の勢いで簡単に割れて |
原文・白文 | 無複著手處也 |
読み仮名 | またてをつくる ところなきなり |
書き下し文 | 復手を著る処無きなり |
現代語訳 | 後は手で裂くことができます。 |
ウマ娘の【破竹の勢い】
「ウマ娘 プリティーダービー」という育成シミュレーションゲームがあります。
競走馬を擬人化したキャラクター(ウマ娘)を育成し、レースでの勝利を目指します。
ウマ娘には様々なスキルがあるのですが、その中の1つに【破竹の勢い】があります。
「最終コーナーで後ろの方にいると速度が上がる」というスキルなので、「猛烈な勢い」からつけられた名前のなのではないでしょうか。