【本末転倒】意味・使い方・例文とは/由来と類語もわかりやすく解説

ハルちゃん
ハルちゃん
この記事では【本末転倒】の意味・使い方・例文をお伝えします。
それに加えて、由来・6つの類語・5つの英語表現もお伝えします。
みーちゃん
みーちゃん
 

【本末転倒】の意味
・物事の大切なことと、些細なことが逆転すること
・どうでもよいことにこだわり、大切なことを疎かにしてしまうこと

 

【本末転倒】の由来
鎌倉時代、仏教が一般庶民に広まったことで「本山の寺院」と「末端の寺院」の力関係の立場が逆転したことに由来

 

【本末転倒】の5つの類語
冠履転倒 釈根灌枝 捨根注枝
舎本逐末 主客転倒 削足適履

 

【本末転倒】と似た意味の4つのことわざ
木を見て森を見ず 靴を度りて足を削る 角を矯めて牛を殺す 葉を欠いて根を断つ

 

【本末転倒】の5つの対義語・反対語
徹頭徹尾 首尾一貫 終始一貫
脈絡通徹 初志貫徹

 

ハルちゃん
ハルちゃん
より詳しくは記事をお読み下さい。



目次

四字熟語【本末転倒】の意味・読み方とは/わかりやすく解説

【本末転倒】の意味とは/わかりやすく解説

 
【本末転倒】とは、物事の大切なことと、些細なことが逆転することです。

・物事の大切なことと、些細なことが逆転すること
・どうでもよいことにこだわり、大切なことを疎かにしてしまうこと

 

「本末」の意味とは

 
【本末転倒】の「本末」とはこのような意味です。

大切なことと、些細なこと

 

「転倒」の意味とは

 
【本末転倒】の「転倒」とはこのような意味です。

・ひっくり返すこと
・逆さまになること

 

【本末転倒】の読み方とは

 
「本末転倒」は「ほんまつてんとう」と読みます。
  
「転」を「顛」とし、「本末顛倒」と書かれることがありますが、正しい表現です。



【本末転倒】の語源は鎌倉時代の仏教寺院に由来している

仏教の寺院制度

 
宗派にもよりますが、仏教寺院には、本山の寺院と末端の寺院が存在します。
  
寺院を統制するために江戸時代に作られた「本末制度」では、「本山の寺院」が「末端の寺院」を取り締まります。

本山の寺院 宗派の中心となって、末端の寺院を取り締まる寺院
末端の寺院 本山の支配下にある寺院

 

語源は寺院の立場の逆転

 
鎌倉時代まで寺院の力関係は、「本山の寺院>末端の寺院」
  
仏教は、天皇や貴族など高貴な身分の者のために存在し、「本山の寺院」は、天皇や貴族によって権力を維持していました。
  
鎌倉時代になると一般庶民にも仏教が広まり、「末端の寺院」も力を持つようになります。
  
その結果、力関係が「本山の寺院<末端の寺院」と変化します。
  
このように寺院の立場が変わったことが転じて、「大切なことと、些細なことが逆転する」という意味で「本末転倒」が使われるようになりました。
 

本末転倒: 山の寺院と 端の寺院の力関係が逆転する
鎌倉時代以前 鎌倉時代以降
本山の寺院が末端の寺院を支配する 本山の寺院よりも末端の寺院が力を持つ
本山の寺院>末端の寺院 本山の寺院 <末端の寺院

  

【本末転倒】の使い方・例文

使い方

 
「本末転倒」は、このようなときに使われます。

・行ったことが逆効果だったり、よくない結果になってしまったとき
・どうでもよいことにこだわり、大切なことを疎かにしてしまったとき

物事を間違えてしまったときなど、ネガティブな場面で使われることが多いです。
 

例文

 

例文1 大学に入学したのに、勉強を疎かにアルバイトばかりしているとは、本末転倒だ
例文2 健康のためにランニングを始めたが、膝を痛めてしまっては本末転倒だ
例文3 ダイエットで食事の量を減らしているのに、スイーツを食べては本末転倒だ
例文4 身体を休めるために休暇を取ったのに、自宅で仕事をしていては本末転倒だ
例文5 業務の効率化のために新しい機械を導入したが、トラブルが頻繁に起きているようでは本末転倒だ



【本末転倒】の類語・言い換え

その1(冠履転倒・かんりてんとう)

 
「冠履転倒」とは、このような意味です。

地位や立場などの、上下の順番が乱れること、逆になること

「冠履」はかんむりと靴という意味があり、転じて、地位や立場の上位・下位を表します。
  

その2(釈根灌枝・しゃくこんかんし)

 
「釈根灌枝」とは、とは、このような意味です。

物事の些細なことに気を取られて、大切なことを忘れること

「釈根」は根を捨てる、「灌枝」は枝に水を注ぎかけるという意味があります。
  
枝の根に水をやらず、枝に注ぎかけるという意味が転じたものです。
  

その3(捨根注枝・しゃこんちゅうし)

 
「捨根注枝」とは、とは、このような意味です。

物事の些細なことに気を取られて、大切なことを忘れること

「捨根」は根を捨てる、「注枝」は枝に水を注ぎかけるという意味があります。
  
「釈根灌枝」と同じ意味です。
  

その4(舎本逐末・しゃほんちくまつ)

 
「舎本逐末」とは、とは、このような意味です。

物事の根本となる大切なことを疎かにして、必要ないことを大切にすること

「舎」は捨てる、「本」は根本、「逐末」はつまらないものを追い求めるという意味があります。
  
「本もとを舎すてて末すえを逐おう」と訓読をすることもあります。
  

その5(主客転倒・しゅかくてんとう)

 
「主客転倒」とは、とは、このような意味です。

・主要な事と従属的な物事の立場が逆になること
・物事の順序や立場が逆になること

「主客」の主人と客人の意味が転じて、主要な物事と従属的な物事という意味になります。
  
「主客が入れ替わる」と訓読をすることもあります。
  

その6(削足適履・さくそくてきり)

 
「削足適履」とは、とは、このような意味です。

・些細なことに気を取られて、大切なことを忘れること
・根本となる大切なことと、些細なことを取り違えて、無理に折り合いをつけること

靴の大きさに合わせて自分の足を削るという意味が転じて、根本となる大切なことを忘れるという意味になります。
  
「足あしを削けずりて履くつに適てきせしむ」と訓読をすることもあります。
  

【本末転倒】と似た意味のことわざ

その1(木を見て森を見ず・きをみてもりをみず)

 
「木を見て森を見ず」とは、とは、このような意味です。

些細なことにこだわりすぎて、物事の本質や全体を見失うこと

一本一本の木だけを見ていても、森全体は見えないことから転じています。
  

その2(靴を度りて足を削る・くつをはかりてあしをけずる)

 
「靴を度りて足を削る」とは、とは、このような意味です。

・些細なことに気を取られて、大切なことを忘れること
・根本となる大切なことと、些細なことを取り違えて、無理に折り合いをつけること

靴の大きさに合わせて自分の足を削るという意味が転じて、根本となる大切なことを忘れるという意味になります。
  
「削足適履」と四字熟語で表記することもあります。
  

その3(角を矯めて牛を殺す・つのをためてうしをころす)

 
「角を矯めて牛を殺す」とは、とは、このような意味です。

小さな欠点を直そうとして、結果的に全体を駄目にしてしまうこと

曲がった牛の角をまっすぐにしようとすると、牛が死んでしまうことがあることから転じています。
  

その4(葉を欠いて根を断つ・はをかいてねをたつ)

 
「葉を欠いて根を断つ」とは、とは、このような意味です。

小さな欠点を除こうとして、結果的に根本の大切なことを駄目にしてしまうこと

余分は枝葉を取り除こうとして、大切な根を駄目にしてしまうことから転じています。



【本末転倒】の英語表現

その1(put the cart before the horse)

 

英語 日本語
cart 荷馬車
put 置く

「put the cart before the horse」を直訳すると「馬の前に荷馬車を置く」です。
  
馬と荷馬車の順が逆になっていることから「本末転倒」の英語表現として使うことができます。
  

その2(misplace his priorities)

 

英語 日本語
misplace 置き間違える・置き忘れる
priorities 優先事項・優先順位

「misplace his priorities」を直訳すると「優先事項を置き間違える」となります。
  
優先事項を間違えるという意味から「本末転倒」の英語表現として使うことができます。
  

その3(have one’s priorities wrong)

 

英語 日本語
priorities 優先事項・優先順位
wrong 間違い

「have one’s priorities wrong」で「優先事項を置き間違える」という意味になります。
  
「本末転倒」の英語表現として使うことができます。
  

その4(get his priorities backwards)

 

英語 日本語
priorities 優先事項・優先順位
backwards 後方・後ろ

「get his priorities backwards」で「優先事項が逆」という意味になります。
  
「本末転倒」の英語表現として使うことができます。
  

その5(be not doing what he is supposed to do)

 
「be not doing what he is supposed to do」で「やるべきことをやっていない」という意味になります。
  
「本末転倒」の英語表現として使うことができます。
  

【本末転倒】の対義語・反対語

 
最初から最後まで大切なことを忘れずに、物事を続けるという意味合いの言葉です。

その1(徹頭徹尾・てっとうてつび)

 
「徹頭徹尾」とは、とは、このような意味です。

最初から最後まで考えを貫くこと

 

その2(首尾一貫・しゅびいっかん)

 
「首尾一貫」とは、とは、このような意味です。

最初から最後まで1つの考えや態度を貫くこと

 

その3(終始一貫・しゅうしいっかん)

 
「終始一貫」とは、とは、このような意味です。

最初から最後まで変わらないこと

 

その4(脈絡通徹・みゃくらくつうてつ)

 
「脈絡通徹」とは、とは、このような意味です。

最初から最後まで一貫していて、食い違いがなく意味が理解しやすいこと

 

その5(初志貫徹・しょしかんてつ)

 
「初志貫徹」とは、とは、このような意味です。

最初に決めた志を、最後まで貫き通すこと




Follow me!

PAGE TOP