急がば回れの語源は琵琶湖を回れという意味の和歌!両者の繋がりとは

ハルちゃん
ハルちゃん
急がば回れの語源って何ですか?
琵琶湖を回れという意味の和歌が語源になっています。
みーちゃん
みーちゃん

急がば回れと琵琶湖を回れ、一体どのような繋がりがあるのでしょうか?
  
詳しい内容は記事に書いてありますのでお読み下さい。



急がば回れの語源は琵琶湖を回れという意味の和歌だった

急がば回れの語源は宗長(室町時代の連歌師)の和歌だった

急がば回れの語源は、宗長の以下にご紹介する和歌です。

もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋

 
江戸と京都を結ぶ東海道の途中には琵琶湖があり、琵琶湖を船で渡る方が近道でしたが、船が転覆する危険もありました。
  
遠回りになっても琵琶湖を回り、瀬田の長橋を渡った方が安全だし早く着くという和歌です。
  
「急がば回れ」は「琵琶湖を回れ」という意味です。
  
この和歌の「急がば回れ」の部分が広まり一般に使われるようになりました。
  

琵琶湖の突風「比叡おろし」は危険

琵琶湖は冬から春にかけて、比叡おろしという突風が吹くことがあり荒れやすいそうです。
  
船は転覆しやすいし、手漕ぎの船ではなかなか進むことができないといいます。
  
現在でも比叡おろしは、たびたび琵琶湖で起こる水難事故の原因になっています。
  
昔は船も小さく手漕ぎだったので、琵琶湖を渡るのは本当に危険な事でした。
  
宗長が和歌にするくらい、水難事故が多かったのでしょうね。



急がば回れの語源となった東海道の2つのルート

宗長の和歌「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」
  
「もののふ」は武士、「矢橋の船」は渡り船、「瀬田の長橋」は琵琶湖にある橋のことです。
  
東海道には琵琶湖を回るルートと、琵琶湖を船で渡るルートがありました。

急がば回れの語源となった東海道の2つのルート その1 琵琶湖を船で渡るルート

  
和歌に登場する「矢橋」は琵琶湖の東側、草津宿のある滋賀県草津市にある地名です。
  
現在の「矢橋帰帆島公園」の辺りに、船の乗り場がありました。
  
ここから、琵琶湖の西側の滋賀県大津市の石橋まで船で渡り、大津宿へ行くルートです。
  

急がば回れの語源となった東海道の2つのルート その2 琵琶湖を回り歩くルート

  
「瀬田の長橋」は琵琶湖の南側にある、「瀬田唐橋」のことです。
  
瀬田唐橋は日本三大名橋のひとつでもあります。
  
草津宿から船乗り場を超えて琵琶湖沿いを歩き、瀬田唐橋を渡って大津宿へ行くルートです。
  

どちらのルートを使うのが賢明なのか

  
風がなく琵琶湖が穏やかであれば、船の方が早く所要時間は半分くらいのようです。
  
琵琶湖は冬から春にかけて荒れやすいので、早く着くどころか命の危険もあります。
  
つまり、琵琶湖が荒れやすい冬から春にかけては、琵琶湖を回り歩いて行く。
  
比較的穏やかな夏から秋にかけては、状況を見ながら船で行くのが賢明なようです。
  

急がば回れの語源の和歌を作った連歌師の宗長とは

宗長は室町時代に活躍した連歌師です。
  
幼少時から今川義忠に仕え、18歳で出家しています。
  
連歌は宗祇から学び、宗祇の旅にも同行していたようです。
  
急がば回れの語源となった和歌は、旅の体験から生まれた和歌なのでしょう。
  
宗祇の死後は、連歌界の指導者となり活躍をしたようです。
  

急がば回れの意味

急ぐからといって危険な近道を進むよりも、遠くても確実で安全な道を進む方が賢明だ。
  
多少時間がかかっても、確実で安全な方法を選択すべきという戒めです。
  

急がば回れの使い方と例文

多少時間はかかっても、確実で安全な方法を選択した方が良い結果になる時に使われます。
  
・渋滞で約束の時間に遅れそうだったため、道が細い近道を使ったら、車を壁にぶつけてしまった。急がば回れで、いつもと同じ道で行くべきだった。
  
・怪我が良くなってきたので、そろそろ練習ができそうだ。急がば回れで、完治してから練習を再開した方がいい。
  
このような感じで使われます。
  

急がば回れの類義語(同じ意味のことわざ)

急がば回れの類義語 その1 急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)

  
急いでいる時に、焦ると失敗してしまう。
  
急いでいる時は、焦らず落ち着いて対応すべきだという意味です。
  

急がば回れの類義語 その2 走れば躓く(はしればつまずく)

  
急いでいる時に焦って走るとつまずくこともある。
  
急いでいる時こそ落ち着いて、冷静に対応すべきという意味です。
  

急がば回れの対義語

急がば回れの対義語 その2 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)

  
人よりも先に物事を行えば、有利な立場に立つ事ができるという意味です。
  
何事も先手を取れば成功の可能性は広がるが、後手に回ると勝つ事が難しくなるという教えです。
  

急がば回れの対義語 その2 善は急げ(ぜんはいそげ)

  
自分がいいと思った事は、ためらわずにすぐに行動に移した方がいい。
  
迷っているとチャンスを逃してしまうという戒めでもあります。
  

急がば回れの英語での言い方

急がば回れの英語での言い方 その1 slow and steady wins the race

  
直訳すると、ゆっくりと着実にレースに勝つとなります。
  
これは、時間がかかっても着実にやれば、勝つことができるという意味です。
  

急がば回れの英語での言い方 その2  haste makes waste

  
直訳すると、急いで無駄にするとなります。
  
急いでいる時に急かしてしまうと、結局無駄になってしまうという意味です。
  

急がば回れのフランス語での言い方

  
急がば回れのフランス語での言い方は「Hâtez-vous lentement」です。
  
これは、「ゆっくりと急げ」という意味。
  
急いでいる時に慌てると、必要なものを忘れたりしてしまいます。
  
急いでいる時こそ落ち着いて、冷静に悠々と急げの格言的なものです。




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