四字熟語のことわざの由来は、ほとんどが中国の故事です。
ですが【一石二鳥】は、意外にも英語のことわざが由来となっています。

【一石二鳥】の由来となった英語のことわざ | ||
kill two birds with one stone | To kill two birds with one stone | Killing two birds with one stone |
【一石二鳥】の意味 |
ひとつのことをして、二つの利益を得ること |
【一石二鳥】の4つの類語 | |||
一挙両得 | 一挙両全 | 一箭双雕 | 濡れ手で粟 |

【一石二鳥】の由来・語源はイギリスの英語のことわざ
由来となったイギリスの英語のことわざとは
「一石二鳥」の語源は、イギリスの英語のことわざに由来しています。
由来となったイギリスの英語のことわざ | |
英語 | kill two birds with one stone |
日本語訳 | ひとつの石で鳥を二羽撃ち落とす |
この日本語訳を略して「一石二鳥」と使われるようになったようです。
同じ意味で、このように表現されることもあります。
To kill two birds with one stone |
Killing two birds with one stone |
ことわざが誕生した出来事とは
「一石二鳥」ということわざが生まれたのは、17世紀のイギリスです。
ある時、鳥が二羽集っていました。
一羽の鳥に向けて石を一つ投げると、なんと二羽の鳥が落ちてきたそうです。
この偶然の出来事から、「kill two birds with one stone」ということわざが生まれました。
日本に伝わった時は「一挙両得」だった
「kill two birds with one stone」は、元々は「一挙両得(いっきょりょうとく)」と訳されていました。
中国で「一挙両得」と訳されていた為、同じ言葉を使っていたようです。
「一石二鳥」と訳されるようになったのは、英語教育が本格化した明治・大正時代です。
中国の四字熟語「一箭双雕」を参考に、語源により近い表現にと改訳されたようです。
【一石二鳥】の意味とは
【一石二鳥】の意味とは
【一石二鳥】とは、このような意味です。
ひとつのことをして、二つの利益を得ること |
「一石」の意味とは
「一石」とは、このような意味です。
一つの石 |
「二鳥」の意味とは
「二鳥」とは、このような意味です。
二羽の鳥 |
「一石二鳥」の読み方とは
「一石二鳥」は「いっせきにちょう」と読みます。
「いっこくにっちょう」と読まれる事がありますが、間違いです。
「一石三鳥」「一石四鳥」の意味とは
「一石二鳥」と似た言葉に「一石三鳥」や「一石四鳥」があります。
「一石三鳥」の意味とは
「一石三鳥」はこのような意味です。
ひとつのことをして、四つの利益を得ること |
「一石三鳥」は、正式な四字熟語ではなく造語です。
日常でも比較的よく使われる言葉です。
例文 | 片口小皿を購入した。 薬味入れ、醤油入れ、箸置きなど用途は様々、まさ一石三鳥の活躍だ。 |
「一石四鳥」の意味とは
「一石四鳥」はこのような意味です。
ひとつのことをして、四つの利益を得ること |
「一石四鳥」も、正式な四字熟語ではなく造語です。
例文 | 健康のために早朝ランニングを始めた。 痩せる、肌が綺麗になる、夜更かしがなくなる、仕事が効率よくできる、と一石四鳥だ。 |
【一石二鳥】の他の英語表現と例文
その1(kill two birds with one stone)
「kill two birds with one stone」は、「一石二鳥」の由来となっている英語のことわざです。
このように表現されることもあります。
To kill two birds with one stone |
Killing two birds with one stone |
前に「It’s like」「You can」をつけることで自然な言い回しになります。
It’s like throwing one stone to kill two birds |
それは一石二鳥だよ |
その2(That is two birds with one stone)
「kill two birds with one stone」の「kill」を省略した表現です。
「kill」を省略すると、より自然な言い回しになります。
That is two birds with one stone |
それは一石二鳥だね |
【一石二鳥】の使い方・例文
その1(偶然に二つの利益を得た時)
「一石二鳥」は、ひとつのことをして、偶然に二つの利益を得た時に使うことができます。
例文1 | 体力をつけるために弓道を始めたら、集中力がアップした。一石二鳥だ |
例文2 | 健康のためにヨガ教室に通い始めたら、友達がたくさんできた。一石二鳥だ。 |
例文3 | 家計の足しになればと家庭菜園を始めたら、育てることが日々の楽しみとなった。一石二鳥だ。 |
その2(計画的に二つの利益を得た時)
「一石二鳥」は、計画的に、ひとつのことをして、二つの利益を得た時にも使うことができます。
例文1 | ランニングは、ダイエットにもなるし肌も綺麗になる。一石二鳥だ。 |
例文2 | 自転車通勤にすると、交通費が浮くし健康にも良く、一石二鳥だ。 |
例文3 | 直売所に野菜を買いに行った。気分転換にもなるし、新鮮な野菜も購入でき、一石二鳥だ。 |
【一石二鳥】の類語・類義語
その1(一挙両得・いっきょりょうとく)
「一挙両得」はこのような意味です。
ひとつの行動をして、二つの利益を得ること |
「両得」は、二つの利益を得ることを意味します。
「一挙両得」と「一石二鳥」は同じ意味で、同義語と言えます。
「一挙両得」は故事成語で、中国の歴史書「晋書(しんじょ)」に由来しています。
その2(一挙両全・いっきょりょうぜん)
「一挙両全」はこのような意味です。
ひとつのことをして、二つのことが上手くゆくこと |
「両全」は、両方とも完全なことを意味します。
その3(一箭双雕・いっせんそうちょう)
「一箭双雕」の読み方は、「いっせんそうちょう」です。
意味はこのようになります。
ひとつのことをして、二つの利益を得ること |
「一箭双雕」は、中国の歴史書「北史(ほくし)」に由来しています。
訳すと「一つの矢で二羽の鷹を落とす」となり、「一石二鳥」と同じ意味で、同義語と言えます。
その4(濡れ手で粟・ぬれてであわ)
「濡れ手で粟」はこのような意味です。
何の苦労もぜずに、多くの利益を得ること |
濡れた手で粟を掴むと、手についてくるので簡単にたくさん取れることに由来しています。
「一石二鳥」よりも、楽に多くの利益を得るようなニュアンスの言葉です。
【一石二鳥】の対義語・反対語
その1(虻蜂取らず)
「虻蜂取らず」の読み方は「あぶはちとらず」です。
意味はこのようになります。
二つのものを手に入れようとして、結局どちらも得られないこと |
その2(花も折らず実も取らず)
「花も折らず実も取らず」の読み方は「はなもおらずみもとらず」です。
意味はこのようになります。
両方を手に入れようとして、結局どちらも得られないこと |
その3(二兎を追う者は一兎をも得ず)
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の読み方は「にとをおうものはいっとをもえず」です。
意味はこのようになります。
同時に二つのことをしようとすると、結局どちらも成功しない。 |
その4(欲の熊鷹股裂ける)
「欲の熊鷹股裂ける」の読み方は「よくのくまたかまたさける」です。
意味はこのようになります。
欲が深すぎると、よくない事が身に起こる |
その5(一も取らず二も取らず)
「一も取らず二も取らず」の読み方は「いちもとらずにもとらず」です。
意味はこのようになります。
二つのものを手に入れようとすると、どちらも手に入れる事ができない |
その6(欲す鷹は爪落とす)
「欲す鷹は爪落とす」の読み方は「ほすたかはつめおとす」です。
意味はこのようになります。
欲が深すぎると、よくない事が身に起こる |