

【板につく】の意味 |
・経験を積んで、態度や服装などが職業や地位などにしっくりと合うこと。似合ってくること。 ・役者が経験を積んで、演技が舞台によく調和すること |
【板につく】の語源・由来 |
ベテラン役者の芸 「板」とは演劇用語で「舞台」を意味する言葉。経験を積んだベテラン役者は、見る人を引き込み、舞台にしっくりと調和した演技をすることに由来。 |
【板につく】の類語 | |||
様になる | 熟練 | 熟れている | 習熟 |
物にする | 堂に入る | 熟練 | 身に付く |
【板につく】の英語表現 | |
to become accustomed to | quite at home |
to be at home in~ | to get used to~ |

慣用句【板につく】の意味
【板につく】の意味
【板につく】とは、経験を積み重ねた結果として、立場や職業が似合ってくることです。
・経験を積んで、態度や服装などが職業や地位などにしっくりと合うこと。似合ってくること。 ・役者が経験を積んで、演技が舞台によく調和すること |
経験を重ねることで、それ相応の態度や仕事の仕方が身につき、それが似合ってくるということです。
【板につく】の「板」の意味
「板」とは、このような意味です。
板張りの舞台 |
【板につく】の「つく」の意味
「つく」とは、このような意味です。
合うこと |
【板につく】の語源は舞台用語に由来
「板につく」の「板」は板張りの舞台という意味です。
経験を積んだベテラン役者は、見る人を引き込み、舞台にしっくりと調和した演技をします。
舞台で経験を積みながら、舞台と調和するように成長する。
このことから転じて「経験を積み重ねた結果として、立場や職業が似合ってくること」を「板につく」というようになりました。
【板につく】の例文・使い方/短文で解説
「板につく」は、ほとんどの場合、褒め言葉として使われます。
ただ、ベテランの方に対して使ってしまうと失礼になることもあります。
例文1 | 彼女は看護師の仕事が板についてきた |
例文2 | 田舎に移住して3年、田舎暮らしも板についてきた |
例文3 | ようやく板についてきた料理で、友人をもてなした |
例文4 | 上京して2年、標準語が板についてきた |
例文5 | 茶道を初めて1年、着物姿も板についてきた |
「板」がついている舞台用語
その1(板付き・いたつき)
「板付き」とは、このような意味です。
「板付き」の意味 |
・幕が開いたときに、すでに俳優が舞台に出ていること ・俳優 |
「板につく」と似た言葉ですが、意味の繋がりはありません。
その2(板に乗る・いたにのる)
「板に乗る」とは、このような意味です。
「板に乗る」の意味 |
舞台の上に立つこと |
「板の上に乗る」と言われることがありますが、「板に乗る」と同じ意味です。
その3(影板・かげいた)
「影板」とは、このような意味です。
「影板」の意味 |
役者が舞台袖でスタンバイしていること |
その4(看板・かんばん)
「看板」とは、このような意味です。
「看板」の意味 |
・主役を演じる役者 ・その舞台の主役 |
コンサートでは、歌手を指すことがあります。
【板につく】の類語・同義語
その1(様になる・さまになる)
「様になる」とは、このような意味です。
それらしくなる、似合う、格好がつく、それに見合うようになる |
例文 | 社会人になって3ヶ月、スーツ姿が様になってきた |
その2(熟達・じゅくたつ)
「熟達」とは、このような意味です。
熟練して上達すること |
例文 | 彼はパソコン操作に熟達している |
その3(熟れている・こなれている)
「熟れている」とは、このような意味です。
・熟練して、十分に慣れていること ・無理なく思い通りに操作できること |
例文 | 彼女は熟れた文章を書くようになった |
その4(習熟・しゅうじゅく)
「習熟」とは、このような意味です。
ある物事に慣れ、上手になること |
例文 | 彼はドローンの操作に習熟している |
その5(物にする・ものにする)
「物にする」とは、このような意味です。
・物事を完成させたり、達成すること ・成し遂げて自分のものにする |
例文 | 彼女は寝る間も惜しんで勉強し、医師の資格を物にした |
その6(堂に入る・どうにいる)
「堂に入る」とは、このような意味です。
学問や技術が優れていて、奥深くきわめている |
例文 | 彼女のピアノの演奏は素晴らしく、堂に入ったものだった |
その7(熟練・じゅくれん)
「熟練」とは、このような意味です。
物事によく慣れていて、上手なこと |
例文 | オリンピックでは、ベテラン選手の熟練の技が目立っていた |
その8(身に付く・みにつく)
「身に付く」とは、このような意味です。
知識や技術を習得する |
例文 | 彼は運動部に所属していたので、礼儀正しさが身に付いている |
【板につく】の英語表現
その1(to become accustomed to)
英語 | 日本語 |
to become〜 | 〜になる |
accustomed to〜 | 〜に慣れて |
「to become accustomed to〜」で「~に慣れる」となり、「板につく」の英語表現として使うことができます。
He got accustomed to English. |
彼の英語は板についてきた |
その2(quite at home)
英語 | 日本語 |
at home | 家にいる・慣れる |
quite | すっかり・完全に |
「at home」は、「慣れる」という意味で使うこともあります。
「quite at home」で「十分に慣れる」となり、「板につく」の英語表現として使うことができます。
She is qiute at home a play. |
彼女は芝居が板についてきた |
その3(to be at home in~)
「to be at home in~」で「慣れている・精通している」となります。
「板につく」の英語表現として使うことができます。
He seems to be at home in Japanese. |
彼の日本語は板についてきたようだ |
その4(to get used to~)
「to get used to~」で「~に慣れる」となります。
物事に慣れるという意味があり、「板につく」の英語表現として使うことができます。
She seems to have got used to cooking. |
彼女の料理は板についてきたようだ |
【板につく】の反対語・対義語
経験が浅いという意味合いの言葉が対義語となります。
その1(半人前・はんにんまえ)
「半人前」とは、このような意味です。
・一人前の半分 ・技能などが一人前の半分にしかなっていないこと |
例文 | 弓道を習い始めてから3年経つが、まだまだ半人前だ |
その2(未熟・みじゅく)
「未熟」とは、このような意味です。
・一人前でないこと ・技能などが熟練していないこと |
例文 | 料理人を目指して修行しているが、野菜の切り方がまだ未熟だ |
その3(素人・しろうと)
「素人」とは、このような意味です。
ある物事に経験のない人、専門的でない人 |
例文 | 彼は料理には精通しているが、音楽に関しては素人だ |
その4(初心者・しょしんしゃ)
「初心者」とは、このような意味です。
その道に入ったばかりで、まだ未熟な者 |
例文 | スノーボードの初心者なのに、難しいコースを選んでしまった |
「板」がつく慣用句・四字熟語
その1(一枚看板・いちまいかんばん)
「一枚看板」とは、このような意味です。
・集団の中心となる人物 ・人に誇ることができるただ一つのもの |
その2(二枚看板・にまいかんばん)
「二枚看板」とは、このような意味です。
・集団を代表する二人の人物 ・他の誇れる二つのもの |
その3(板挟みになる・いたばさみになる)
「板挟みになる」とは、このような意味です。
対立する両者の間で、どうしたら良いか悩むこと |
その4(俎板に載せる・まないたにのせる)
「俎板に載せる」とは、このような意味です。
議論や評論の対象とする |