【キリン/麒麟】5つの由来は伝説の動物と関係あった/象徴としての意味も解説

この記事では【キリン/麒麟】の次のことについてお伝えします。
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由来・語源
意味
漢字表記
英語表現
中国語表現
キリンビール/ロゴマークの由来
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【キリン】の由来・語源の有力説
博物学者の田中芳男説
明治時代の初期までは「キリン」は「豹駝(ヒョウダ・ヘウダ)」と呼ばれていたが、田中芳男さんなどの博物学者が「麒麟」の呼称を使ったことに由来し、一般に定着した。
ハルちゃん
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【キリン】の意味
実在する動物の「キリン」 ・キリン科キリン属の哺乳類
・首と脚が長く、頭には3つの角
・背丈は約5m
・栗色・黄褐色の網目模様(キリン柄)
架空の動物の「麒麟」 ・龍のような顔と角
・牛のような尾、馬のような蹄
・身体の形は鹿に似ているが、鱗があり背丈は5m
・背毛は五色で彩られている
・翼があり飛ぶことができる
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「麒麟」の象徴としての意味
・幸せ
・おめでたい
・才能と徳の両方を兼ね備えた際立って優れた人物
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【キリン】の漢字表記
麒麟・麒
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【キリン】の2つの英語表現
giraffe qilin
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【キリン】の2つの中国語表現
長頸鹿 麒麟
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【キリン】の5つの由来・語源は中国の伝説の動物と関係あった

この章では【キリン】の4つの由来・語源についてお伝えします。
みーちゃん
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5つの由来・語源

     

  • ❶博物学者の田中芳男説
  • ❷和蘭辞書「蛮語箋(ばんごせん)」説
  • ❸上野動物園の園長の嘘説
  • ❹中国で「麒麟」として献上された説
  • ❺奇妙な姿に驚いた説

 
【キリン】の由来・語源には5つの説がありますが、定説はありません。
  
博物学者の田中芳男さんに由来する説が有力とされています。
 

その1(博物学者の田中芳男説)

 
田中芳男さんは、日本の博物館制度を確立した人物です。
  
以下の著書の中で、「キリン」を「麒麟・豹駝・長頸鹿」と表現しています。

書物名 発行年 呼称
絵辞典「泰西訓蒙図解」 1871年(明治4年) 麒麟・豹駝・長頸鹿
小学懸図の「獣類一覧」 1873年(明治6年) 麒麟
図鑑「動物学初篇哺乳類」 1874年(明治7年) 麒麟・豹駝

明治時代の初期まで、「キリン」は「豹駝(ヒョウダ・ヘウダ)」と呼ばれていました。
  
田中芳男さんなどの博物学者が別の呼称を使ったことで、時代とともに呼称が絞られていきました。
  
小学懸図の「獣類一覧」で「麒麟」の呼称が採用されたことから、一般に広まったという説です。
  

その2(和蘭辞書「蛮語箋(ばんごせん)」説)

 
1798年(寛政10年)に書かれた和蘭辞書「蛮語箋(ばんごせん)」には、「麒麟/カーメロパルダリュス」と書かれています。
  
「カーメロパルダリュス(Camelo-Pardalis)」は「キリン」の別名で、「カーメロ(Camelo)」はラクダ、「パルダリュス(Pardalis)」はヒョウの意味です。
  
ただ、1857年(安政4年)の「改正蛮語箋」からは「麒麟」という言葉が消えてしまっています。
  
江戸時代の一時期に登場しその後消失しましたが、日本で初めて実在する首の長い動物を「麒麟」と表記したのが「蛮語箋(ばんごせん)」なのです。
  
明治時代の初期までは、「カーメロパルダリュス」に漢字を当てた「豹駝」が使われていたものの、何かのきっかけで「麒麟」の呼称が復活したようです。
 

ハルちゃん
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和蘭辞書「蛮語箋(ばんごせん)」説についてはこちらもご覧下さい。
  

その3(上野動物園の園長の嘘説)

 
「キリン」が日本に初上陸したのは、1907年です。
  
動物学者の石川千代松さん(当時:上野動物園の園長)は、日本で初めてゾウやライオンを買い付けた人物です。
  
キリンも買い付けようといたところ、言い値は1億円と、予算の7倍の価格だったそうです。
  
予算オーバーで買えないのですが、石川さんは「伝説の動物:麒麟」が手に入ったと嘘をつき、強引に買い付けてしまいます。
  
このことから、「キリン」と呼ぶようになったという説です。
  
ちなみに石川さんは、嘘がバレてクビになってしまったそうです。
  

その4(中国で「麒麟」として献上された説)

 
中国・明の時代(1400年代前半)、武将の鄭和が遠征先から「キリン」連れ帰りました。
  
鄭和は連れ帰った「キリン」を伝説の動物「麒麟」として永楽帝に献上したそうです。
  
明の時代の歴史書「明成祖実録(みんせいそじつろく)」には、このことが書かれています。
  
また、永楽12年(1414年)に描かれた絵画「瑞応麒麟図(ずいおうきりんず)」には、キリンが描かれています。
  
日本ではこれらの記録があったことから、「キリン」と呼ぶようになったという説です。
  

その5(奇妙な姿に驚いた説)

  
日本に「キリン」が伝わった時、実は「ジラフ」という呼び名も一緒に伝わっていました。
  
しかし、今までに見たことのない、首と脚が長い奇妙な動物の姿に驚いた日本人。
  
「ジラフ」ではなく、架空の動物である「麒麟」の名前をつけたそうです。
  
それが定着し「キリン」と呼ばれるようになったという説です。



【キリン/麒麟】の意味

 

ハルちゃん
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この章では【キリン/麒麟】の意味についてお伝えします。
 

意味

     

  • ❶実在する動物【キリン】の意味
  • ❷架空の動物【麒麟】の意味
  • ❸「キリン」と「麒麟」の違い
  • ❹【麒麟】の象徴としての意味

実在する動物【キリン】の意味

 
【キリン】は実在する動物で、英語だと「giraffe(ジラフ)」です。

【キリン】とは
・キリン科キリン属の哺乳類
・首と脚が長く、頭には3つの角
・背丈は約5m
・栗色・黄褐色の網目模様(キリン柄)

  

架空の動物【麒麟】の意味

 
「麒麟」は中国の神話に登場する、架空の動物です。

【麒麟】とは
・龍のような顔と角
・牛のような尾、馬のような蹄
・身体の形は鹿に似ているが、鱗があり背丈は5m
・背毛は五色で彩られている
・翼があり飛ぶことができる

雄は「麒(き)」、雌は「麟(りん)」と言います。
  
虫も殺せないほど温厚な性格で、寿命は二千年にもなるそうです。
  
古代中国では、王が仁のある政治を行うと現れる神聖な生き物と言われていました。
  

「キリン」と「麒麟」の違い

 
「麒麟」は中国の神話に登場する架空の動物で、実在する「キリン」とは別のものです。
  
「麒麟」は実在しませんし、両者は姿も異なります。
  
実在する「キリン」はカタカナで表記されることが多いです。
  

【麒麟】の象徴としての意味

 
「麒麟」の象徴としての意味は「幸せ」「おめでたい」です。

「麒麟」の象徴としての意味
・幸せ
・おめでたい
・才能と徳の両方を兼ね備えた際立って優れた人物

  
「麒麟」は中国の神話に登場する架空の動物で、瑞獣の一種です。
  
「瑞獣」とは、良いことが起こる前兆に姿を表す霊獣のことです。
  
「瑞獣」のうち、特別な4種類(麒麟・応龍・鳳凰・霊亀)を「四大瑞獣(霊獣)」といい、「麒麟」もその中に含まれます。
  
つまり、「麒麟」は幸せを運ぶありがたい存在なのです。



【キリン】の漢字表記

 

この章では【キリン】の漢字表記をお伝えします。
みーちゃん
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漢字表記

     

  • 麒麟・麒

 
キリンの漢字表記は「麒麟」または「麒」です。
  
「麒」一文字でも「キリン」を表します。
  
読み方が難しく、難読漢字の一つとされています。
  

【キリン】の英語表現

 

ハルちゃん
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この章では【キリン】の英語表現をお伝えします。
 

英語表現

giraffe qilin

その1(giraffe)

 
「giraffe」は、「実在する動物のキリン」を表す英語表現です。
  
発音をカタカナで表記すると「ジラーフ」「ジュラーフ」です。

The giraffe is a long-necked animal.
キリンは首の長い動物です。

  

その2(qilin)

 
「qilin」は、「架空の動物の麒麟」を表す英語表現です。
  
発音をカタカナで表記すると「キーリン」です。

The qilin is is a fictional animal.
キリンは架空の動物です。



【キリン】の中国語表現

 

この章では【キリン】の中国語表現をお伝えします。
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中国語表現

長頸鹿 麒麟

その1(長頸鹿:chángjǐnglù)

 
「長頸鹿」は、「実在する動物のキリン」を表す中国語表現です。
  
発音をカタカナで表記すると「チャン チンルー」です。
  

その2(麒麟:qílín)

 
「麒麟」は、「架空の動物の麒麟」を表す中国語表現です。
  
発音をカタカナで表記すると「チーリン」です。
  

キリンビール/ロゴマークの由来

 

ハルちゃん
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この章ではキリンビール/ロゴマークの由来をお伝えします。
 
キリンビールのロゴマークは、中国の伝説の動物である「麒麟」に由来します。
  
ロゴマークを提案したのは、三菱財閥の基礎を築いた荘田平五郎氏です。
  
キリンビールが発売された当時(1888年)、西洋のビールには犬やネコなど動物がロゴマークによく使われていました。
  
それならば東洋のビールは、伝説の霊獣である「麒麟」にしようと考えたのだそうです。
  
実際に誰がデザインしたのかは、漆工芸家の六角紫水などの説がありますが、はっきりとはしていません。




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