【虎穴に入らずんば虎子を得ず】由来となった武将の言葉・意味を解説

この記事では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の次のことについてお伝えします。
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由来・語源
意味・読み方
使い方・例文
漢文の現代語訳
反対の意味のことわざ・対義語
同じ意味の四字熟語
5つの英語表現
4つの類語・類義語
中国語表現
みーちゃん
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【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の由来・語源
「後漢書」の故事に書かれている武将の言葉
戦いで窮地に陥った時に、武将が兵士を鼓舞するために言った言葉「虎穴に入らずんば虎子を得ず(不入虎穴不得虎子)」に由来

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味
危険を避けていては、大きな成功は得られない

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の読み方
こけつにいらずんばこじをえず

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の反対の意味の10のことわざ・対義語
命あっての物種 命を知る者は巌牆の下に立たず
石橋を叩いて渡る 棚から牡丹餅
開いた口へ団子 開いた口へ牡丹餅
危ない事は怪我のうち 君子危うきに近寄らず
賢人は危きを見ず 聖人は危きに寄らず

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】と同じ意味の四字熟語
虎穴虎子

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の5つの英語表現
Nothing venture, nothing gained. The more danger, the more honour.
No pain, no gain. Great profits, great risks.
no risk, no reward.

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の4つの類語・類義語
危ない所に登らねば熟柿は食えぬ 危ない橋も一度は渡れ
枝先に行かねば熟柿は食えぬ 風険投資

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の中国語表現
焉得虎子 不入虎穴

 

ハルちゃん
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目次

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の由来・語源

この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の由来・語源をお伝えします。
みーちゃん
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由来・語源

     

  • ❶由来は中国故事に書かれている武将の言葉
  • ❷「後漢書(ごかんじょ)」とは
  • ❸「班超(はんちょう)」とは

由来は中国故事に書かれている武将の言葉

 
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は中国故事に書かれている武将の言葉に由来します。
  
「後漢書」の「班超伝」には、後漢時代(AD73年頃)の漢国と匈奴国の戦いに関するエピソードが書かれています。
  
漢国の武将・班超(はんちょう)は西域国へ派遣されました。
  
最初は歓迎されていた班超ですが、漢国の敵国である匈奴国の使者がやってくると、急に冷たくされてしまいます。
  
このままでは自分たちが危ない。
  
西域国は匈奴国へつくと察した班長は、匈奴国に夜襲をかけ、見事に勝利を収めました。
  
このとき班長は「危険覚悟で行動すれば、大きな手柄を立てられる」という意味で「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と兵士に言葉をかけました。
  

「後漢書(ごかんじょ)」とは

 
「後漢書」は、中国の後漢時代のことが書かれている歴史書です。
  
正史の一つで、本紀10巻・列伝80巻・志30巻の全120巻からなります。
  
本紀10巻・列伝80巻は南朝宋の范曄(はんよう)、志30巻は晋の司馬彪(しばひょう)がまとめたものです。
  

「班超(はんちょう)」とは

 
班超は中国の後漢時代の武将です。
  
歴史家の家に生まれ、「後漢書」の著者である「班固(はんこ)」を兄に持ちます。
  
西域(せいいき)支配で活躍し、西域都護として長く西域を守りました。
  
後漢の勢力を広げた人物です。



【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味・読み方

ハルちゃん
ハルちゃん
この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味・読み方をお伝えします。

意味・読み方

     

  • ❶【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味
  • ❷「虎穴(こけつ)」の意味
  • ❸「虎子(こし)」の意味
  • ❹読み方

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味

 
【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味は、このようになります。

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の意味
危険を避けていては、大きな成功は得られない

  

「虎穴(こけつ)」の意味

 
「虎穴」の意味は、このようになります。

「虎穴」の意味
・虎の住んでいる洞窟
・危険な場所のたとえ

  

「虎子(こし)」の意味

 
「虎子」の意味は、このようになります。

「虎子」の意味
虎の子

  

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の読み方

 
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の読み方は「こけつにいらずんばこじをえず」です。
  
「虎子」を「こし」と読んだり、「虎子」は「虎児」と書くことがありますが、間違いではありません。
  
「入らずんば」を「はいらずんば」と読むのは間違いです。
  

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の使い方・例文

この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の使い方・例文をお伝えします。
みーちゃん
みーちゃん

使い方・例文

     

  • ❶使い方
  • ❷例文

使い方

 
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、成功するために、困難な状況を乗り越えなければいけないときに使われます。
 

ハルちゃん
ハルちゃん
次の企画のプレゼン、営業1課も参加するらしいんだ。
営業1課か・・・。厳しい戦いになりそうね。
みーちゃん
みーちゃん
ハルちゃん
ハルちゃん
勝ち目はないから諦めたほうがいいだろうか。
いや、虎穴に入らずんば虎子を得ずで、挑戦しましょう。
みーちゃん
みーちゃん
  

例文

 

例文1 虎穴に入らずんば虎子を得ずというように、挑戦してみないとわからない。
例文2 困難な状況だが、虎穴に入らずんば虎子を得ずだ。なんとか乗り越えよう。
例文3 虎穴に入らずんば虎子を得ずというが、逃げてばかりでは何も得ることができない。



【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の漢文の現代語訳

ハルちゃん
ハルちゃん
【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の漢文の現代語訳をお伝えします。

 

原文・白文 超曰、「不入虎穴,不得虎子。
書き下し文 超曰く、「虎穴に入らずんば、虎子を得ず。
現代語訳 班超が言うには、「虎の巣穴に入らなければ、虎の子は得られない(危険を冒さなければ、成功することはない)。

 

原文・白文 當今之計、獨有因夜以火攻虜、
書き下し文 当今の計、独だ夜に因りて火を以て虜を攻むること有るのみ、
現代語訳 現在の計略としては、夜に匈奴の使者の宿営を火攻めにすることだけだ。

 

原文・白文 使彼不知我多少,必大震怖,可殄盡也。
書き下し文 彼をして我が多少なるを知らぜしむれば、必ず大いに震怖し、殄盡(てんじん)すべし。
現代語訳 使者にこちらの人数が少ないのを知られなければ、必ず恐怖に駆られ、殲滅することができる。

 

原文・白文 滅此虜,則鄯善破膽,功成事立矣。」
書き下し文 此の虜を滅すれば、即ち鄯善破膽し、功成り事立たん。」
現代語訳 この使者を滅ぼせば、匈奴は恐れおののき、我らは功績を挙げられるだろう。」

 

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の反対の意味のことわざ・対義語

この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の反対の意味のことわざ・対義語をお伝えします。
みーちゃん
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反対の意味の10のことわざ・対義語

     

    命あっての物種 命を知る者は巌牆の下に立たず
    石橋を叩いて渡る 棚から牡丹餅
    開いた口へ団子 開いた口へ牡丹餅
    危ない事は怪我のうち 君子危うきに近寄らず
    賢人は危きを見ず 聖人は危きに寄らず

その1(命あっての物種・いのちあってのものだね)

 
「命あっての物種」とは、このような意味です。

「命あっての物種」の意味
何事も命があってできることであり、死んでしまえば何にもならない

何よりも命が大切だという、戒めのことわざです。
  

その2(命を知る者は巌牆の下に立たず・めいをしるものはがんしょうのもとにたたず)

 
「命を知る者は巌牆の下に立たず」とは、このような意味です。

「命を知る者は巌牆の下に立たず」の意味
天命を理解している者は、自分を危険にさらすようなことはしない

不注意から自分を危険にさらし、自分のやるべきことを果たせなくなることを戒める言葉です。
  

その3(石橋を叩いて渡る・いしばしをたたいてわたる)

 
「石橋を叩いて渡る」とは、このような意味です。

「石橋を叩いて渡る」の意味
用心に用心を重ねて、慎重に物事を行うこと

「石橋を叩いて渡れ」「石の橋も叩いて渡れ」という事もあります。
  
慎重すぎる人に対しては、皮肉をこめて使う場合もあります。
  

その4(棚から牡丹餅・たなからぼたもち)

 
「棚から牡丹餅」とは、このような意味です。

「棚から牡丹餅」の意味
思いがけない幸運を得ること

略して「棚ぼた(たなぼた)」という事があります。
  

その5(開いた口へ団子・あいたくちへもち)

 
「開いた口へ団子」とは、このような意味です。

「開いた口へ団子」の意味
努力もしないのに、思いがけない幸運がやってくること

  

その6(開いた口へ牡丹餅・あいたくちへぼたもち)

 
「開いた口へ牡丹餅」とは、このような意味です。

「開いた口へ牡丹餅」の意味
努力もしないのに、思いがけない幸運がやってくること

「開いた口へ団子」と同じ意味です。
  

その7(危ない事は怪我のうち・あぶないことはけがのうち)

 
「危ない事は怪我のうち」とは、このような意味です。

「危ない事は怪我のうち」の意味
危ないことには、はじめから近寄らないほうがいいということ

  

その8(君子危うきに近寄らず・くんしあやうきにちかよらず)

 
「君子危うきに近寄らず」とは、このような意味です。

「君子危うきに近寄らず」の意味
教養や徳がある人は自分の行動を慎むので、危険なことはしない

「君子」は地位の高い人の意味で、賢いだけでなく、徳がある人のことです。
  

その9(賢人は危きを見ず・けんじんはあやうきをみず)

 
「賢人は危きを見ず」とは、このような意味です。

「賢人は危きを見ず」の意味
賢い人は、危険なものには最初から近づかない

道路を横断するときは、遠くても信号のある横断歩道で渡るなど。
  
危険なことはしないということです。
  

その10(聖人は危きに寄らず・せいじんはあやうきにちかよらず)

 
「聖人は危きに寄らず」とは、このような意味です。

「聖人は危きに寄らず」の意味
聖人は自分の行動を慎むので、危険なことはしない

「君子危うきに近寄らず」と同じ意味です。
  

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】と同じ意味の四字熟語(虎穴虎子・こけつこし)

ハルちゃん
ハルちゃん
この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】と同じ意味の四字熟語をお伝えします。

 
「虎穴虎子」とは、このような意味です。

「虎穴虎子」の意味
危険を避けていては、大きな成功は得られない

「虎穴こけつに入いらずんば虎子こしを得えず」を略した言葉です。



【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の英語表現

この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の英語表現をお伝えします。
みーちゃん
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5つの英語表現

     

    Nothing venture, nothing gained. The more danger, the more honour.
    No pain, no gain. Great profits, great risks.
    no risk, no reward.

その1(Nothing venture, nothing gained.)

 
「Nothing venture, nothing gained.」を直訳すると「何の冒険もしなければ、何も得られない」です。
  
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現として使うことができます。

英語 日本語
venture 冒険・思い切ってやる・敢行する
gain 獲得する

「gained」を「have」にしても、同じように使うことができます。
  

その2(The more danger, the more honour.)

 
「The more denger, the more honour.」を直訳すると「危険が大きくなるほど名誉も大きくなる」です。
  
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現として使うことができます。

英語 日本語
danger 危険
honour 名誉

  

その3(No pain, no gain.)

 
「No pain, no gain.」を直訳すると「痛みなくして得るものなし」です。
  
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現として使うことができます。

英語 日本語
pain 痛み
honour 得る・利益・潤う

  

その4(Great profits, great risks.)

 
「Great profits, great risks.」を直訳すると「大きい利益を上げるには大きいリスクがある」です。
  
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現として使うことができます。

英語 日本語
profit 利益
risk 危険

  

その5(no risk, no reward)

 
「no risk, no reward.」を直訳すると「危険失くして、報酬も得られない」です。
  
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現として使うことができます。

英語 日本語
profit 報いる・応える・報酬・賞金
risk 危険

  

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の類義語・類語

ハルちゃん
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この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の類義語・類語をお伝えします。

4つの類義語・類語

     

    危ない所に登らねば熟柿は食えぬ 危ない橋も一度は渡れ
    枝先に行かねば熟柿は食えぬ 風険投資

その1(危ない所に登らねば熟柿は食えぬ)

 
「危ない所に登らねば熟柿は食えぬ」とは、このような意味です。

「危ない所に登らねば熟柿は食えぬ」の意味
危険を恐れていては、利益や思い通りの結果は得られない

いい結果を得ようと思ったら、危険を恐れてはいけないということです。
  

その2(危ない橋も一度は渡れ)

 
「危ない橋も一度は渡れ」とは、このような意味です。

「危ない橋も一度は渡れ」の意味
安全策ばかりとっていても、成功することはできない

時には危険を冒して行動することも大切だということです。
  

その3(枝先に行かねば熟柿は食えぬ)

 
「枝先に行かねば熟柿は食えぬ」とは、このような意味です。

「枝先に行かねば熟柿は食えぬ」の意味
危険を恐れていては、利益や思い通りの結果は得られない

いい結果を得ようと思ったら、危険を恐れてはいけないということです。
  

その4(風険投資・ふうけんとうし)

 
「風険投資」とは、このような意味です。

「風険投資」の意味
危険を覚悟した投資

「風険」とは、「これから起こるかもしれない危険」のことです。
  

【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の中国語表現

この章では【虎穴に入らずんば虎子を得ず】の中国語表現をお伝えします。
みーちゃん
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中国語表現

     

    焉得虎子 不入虎穴

 
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の中国語表現はこのようになります。

焉得虎子(yān dé hǔzǐ)
不入虎穴(bú rù hǔxué)

意味は日本語と同じで、「危険を避けていては、大きな成功は得られない」です。




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