

孫の手の美人の仙人、どのような関係があるのでしょうか?
興味のある方は、詳しく書いてあるので記事をお読み下さい。
孫の手の名前の由来は中国神話の美人仙女・麻姑(まこ)!
孫の手の名前の由来は中国神話の美人仙女・麻姑(まこ)!
孫の手は、中国の神話「神仙伝(しんせんでん)」に登場する仙女「麻姑(まこ)」に由来しています。
麻姑は漢の桓帝の時代の仙人・王遠(おうえん)の妹で絶世の美女でした。
王遠と麻姑が蔡経(さいけい)という平民の家に下った時のこと、蔡経は麻姑の美しさに心を奪われてしまいます。
美人仙女・麻姑の爪は鳥のように長かった
美人仙人の麻姑には、爪が鳥のように長いという特徴がありました。
麻姑の美しさに心を奪われた蔡経は、「あの爪で背中を掻いてもらったら気持ちがいいだろう」と妄想します。
それを王遠に見抜かれてしまった王遠は「仙人の麻姑に対して何を考えているのだ」と怒られてしまうのです。
「孫の手」の語源でもある「麻姑の手」は蔡経の妄想から生まれたものだった
この蔡経の妄想から、自分では届かないところを掻く道具を「麻姑の手」というようになりました。
中国神話「神仙伝」にこの話が書かれています。
孫の手は「麻姑の手」という名前で日本に伝えられましたが、日本で「麻姑」を知る人は、ほぼいませんでした。
馴染みがなかった事と、道具の見た目から、徐々に「孫の手」と呼ばれるようになったようです。
「仙女の麻姑」が語源の孫の手ですが、他にも同じ語源を持つ言葉が2つあるのをご存知ですか?
孫の手と同じ語源を持つ四字熟語・ことわざ
麻姑掻痒(まこそうよう)
「麻姑掻痒(まこそうよう)」は孫の手と同じ、麻姑が語源の四字熟語です。
物事がうまくいく、思ったようになるという意味です。
痒い所に手が届く
「痒い所に手が届く(かゆいところにてがとどく)」も、麻姑が語源となっています。
細かいところにまで配慮され、気配りがされていることを意味しています。
「神仙伝」とは
神仙伝は、中国の西晋・東晋時代の葛洪(かつこう)という道教の研究家により書かれたものです。
中国の仙人の伝記がまとめられたもので、全10巻からなります。
同じように仙人の伝記がまとめられた「列仙伝(れつせんでん)」という書物があります。
神仙伝と列仙伝は、どちらも中国の重要な仙人伝記とされています。
昔の孫の手は大きく長かった
麻姑の手は、仙女の麻姑の長い爪からきている道具です。
昔は、私たちが知っている孫の手よりも、掻く部分が大きく長いものでした。
それが日本に伝わると、徐々に小さくなり、今のサイズに変わっていったのだそうです。
「まこ」という発音と孫の手の小さな手の形から「孫」がイメージされ、次第に「孫の手」と呼ばれるようになります。
孫の手とは
孫の手は、自分の手がどどかないところを掻くための道具です。
長さは様々で、短いものは20cm程度、長いものは60cmくらいのものがあります。
中には、コンパクトに収納できる、伸び縮みするタイプの物も!
日本では、おじいちゃん・おばあちゃんへの贈り物の代名詞的な存在でもあります。
色々な孫の手
木製の孫の手
日本では木製の孫の手が多く、特に竹が使われている物が多いです。
軽くて丈夫なので長持ちします。
木のぬくもりと肌触りが心地よく、肌にも優しいのが特徴です。
金属製の孫の手
金属製の孫の手は、スタイリッシュでオシャレです。
ステンレス製のものが多く、竹製のものに比べてデザインが豊富です。
掻き心地は竹製の物よりはやや強めで、しっかりと掻けるようです。
象牙製の孫の手
象牙製の孫の手は、まさにアンティーク!
凝った彫刻が施されているものや、きらびやかに宝石で装飾されている物もあります。
竹製の物よりもしっかりと掻けて、ステンレス製の物よりは優しい掻き心地のようです。
ヨーロッパでは貴族の持ち物だった
ヨーロッパ貴族が孫の手を使っていた理由とは
17世紀以降のヨーロッパの貴族の間では孫の手が使われていました。
ヨーロッパでは日本のように入浴の習慣がなく、コルセットのようなピッタリとした下着が使われていました。
数日同じ下着のまま過ごす事が多く、シラミがわき痒くなることもあったようです。
その時に活躍したのが、孫の手でした。
ヨーロッパ貴族は孫の手をアクセサリーのようにしていた
ヨーロッパの貴族は、シラミで痒くなった時にすぐに掻けるように、孫の手を携帯していました。
孫の手を腰や首に下げ、アクセサリーのようにしていたのです。
孫の手は象牙や金属で作られ、彫刻や装飾などが施されていたようです。
孫の手の英語表記
孫の手のようなものは、世界各国で使用されています。
形はほぼ世界共通で、どの国でも、同じように手の形をしているようです。
英語では、「backscratcher」や「scratch-back」となります。