マーガリンの由来はナポレオンが募集したバターの代用品だった

マーガリンはバターの代用として、ナポレオンが懸賞金をかけて一般の人々に募集をかけたことで発明されたものです。ナポレオンが懸賞金をかけてまでマーガリンの発明に力を入れた理由、気になりませんか?
  
この記事では、マーガリンの由来や、ナポレオンがマーガリンの発明に懸賞金をかけた理由などお伝えします。
 


ナポレオン3世がマーガリンの発明に懸賞金をかけた

マーガリンが発明されたのは、1869年のフランスです。
  
この頃のフランスは戦時中だったため様々な物資が不足していました。その中でも、特に不足していたのがバターでした。
  
フランス料理はバターをたっぷりと使うものなので、私たちに日本人にとって醤油が不足するのと同じような感覚なのでしょう。
  
困ったナポレオン3世はバター不足を解消するために、懸賞金をかけてバターの代わりとなる食品の発明を募集しました。
  
この時に応募があった中から選ばれたのがマーガリンです。
  

マーガリンを発明した人物

  
マーガリンを発明者は、科学者であり発明家でもある「イポリット・メージュ=ムーリエ」という名前のフランス人です。
  
フランス人にとってバターはなくてはならないものです。バター不足で困っていたフランス人にとって、代用となるマーガリンを発明したムーリエは英雄といっても過言ではなく、マーガリンは素晴らしく画期的な発明でした。
  
ムーリエ自身も自分が発明したマーガリンをとても気に入り、誇りに思っていました。
  
ムーリエは若い頃は薬剤師として働いていましたが、その後は食品化学やパンの研究、ナポレオン3世の私有牧場では牛の研究もそしたりと、長年様々な研究をしていました。
  
マーガリンの発明に成功したのは、長年の研究の成果なのです。継続は力なりですね。
  
ムーリエの誕生日は1817年10月24日です。
  
日本マーガリン工業会では、マーガリンをもっとよく知ってもらいたいということで、ムーリエの誕生日(10月24日)を「マーガリンの日」に制定しています。



発明時のマーガリン

 
発明されたばかりのマーガリンは、牛脂・牛乳・牛の乳腺をすりつぶしたものを混ぜたものだったと考えられています。
  
色は真っ白だったので、バターに似せるために着色もしていました。
  
味は決して美味しくはないけれども、それほど悪くもなく、それなりの味だったとか。
  
でも、とにかく原材料が安価で、不足しているバターの代わりになるので、当時は喜ばれたことでしょう。
  

現在のマーガリン

日頃私たちが食べているマーガリンは油脂に塩分や乳成分、ビタミンが加えられています。
  
油脂は大豆油や紅花油、なたね油など植物性を使った商品が多いのですが、牛脂や豚脂、魚油など動物性を使ったマーガリンが現在でも使われています。
  
スーパーに行くとほとんどのマーガリンの成分表示に「食用植物油脂」「食用精製加工油脂」と記載があると思うのですが、一般の消費者向けに販売されているマーガリンはほぼ植物性油脂が使われています。動物性油脂が使われているマーガリンもありますが、ほとんどが業務用です。
  
原材料にどの油脂を使うのかによって、柔らかさや風味など完成するバターに微妙な違いが出てきます。バターをどのように使うのか、用途によって原材料の使い分けがされています。
  
私は、マーガリンは植物性と思っていたので、動物性のマーガリンが今でも使われていることに驚きました。
  

日本でマーガリンが食べられるようになったのは

マーガリンが日本に輸入され始めたのは明治中期頃。
  
今では多くの家庭で使われるようになったマーガリンですが、日本人はお米が主食なのでマーガリンを使う機会があまりなく、元々は日本に住む外国人のために輸入されていました。
  
その後、日本人の食生活の変化とともにマーガリンが注目され始め、次第にマーガリンが日本国内でも生産されるようなります。
  
製造当時、マーガリンはとても面白いネーミングでした!
  
「人造バター」です。
  
元々、マーガリンはバターの代わりに人間が人工的に発明したものではありますが・・・。ものすごいネーミングだなと驚きますよね。
  
今ではマーガリンという名称が浸透していますが、人造バターからマーガリンになるまでは結構時間がかかり、マーガリンと呼ばれるようになったのは、昭和27年です。
  

マーガリンは2種類ある

私たちがマーガリンと思って食べていたものが、実はマーガリンではなく、マーガリン類と呼ばれる別の食品かもしれません。
  
マーガリン類とはファストスプレッドとマーガリン2つの総称で日本農林規格(JAS規格)で規定されているものです。
  
マーガリン類は主原料である油脂の含有率によって、ファストスプレットとマーガリンにわけられます。ファストスプレットというのは油脂の含有量が80%未満のもの、マーガリンは油脂の含有量が80%以上のものと規定されています。
  
原材料も細かく規定がされていて、ファストスプレッドにはチョコレートなど味や香りのあるものを加えることが許されていますが、マーガリンは法律で原材料が決められているので、勝手に味や香りを加えることができないのです。
  
ファストスプレッドはとても柔らかいので、パンやパンケーキに塗るのならマーガリンよりもファストスプレッドの方が断然使いやすいと思います。
  
市販されているマーガリン類の多くはファストスプレッドなので、マーガリンと思って使っていたものが、ファストスプレッドだったということがあるかもしれません。
  
マーガリンを購入するときに確認してみて下さい!
  

日本農林規格(JAS規格)について

  
日本農林規格等に関する法律(JSA法)という法律があり、そこでは食品や農林水産品などの品質や取り扱い方法などの規格が定められています。
  
この規格のことを日本農林規格(JAS規格)(ジャス規格)といいます。
  
規格を満たしている食品や加工品にはJASマークがついているので見たことがあるかもしれません。
  
消費者としては商品を購入する際の目安になる大切なマークとなっています。



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