【温故知新】意味・例文・使い方を解説/由来となった孔子の言葉とは

ハルちゃん
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この記事では【温故知新(おんこちしん)】の意味・例文・由来となった孔子の言葉・6つの類語。
そして、世間ではあまり知られていない【温故知新】の反対語をお伝えします。
 

【温故知新】の意味
過去の出来事をよく調べ、学び、そこから新しい知識や見解を得ること
【温故知新】の由来となった孔子の言葉
温故而知新、可以為師矣
故きを温ねて、新しきを知れば、以って師と為るべし
【温故知新】の6つの類語
覧古考新 承前啓後 継往開来
彰往察来 因往推来 尚古
【温故知新】の3つの反対語
男猫が子を産む 雄鶏が卵を産む 寺に神楽があった

 

詳しくは記事をお読み下さい
みーちゃん
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【温故知新】の意味とは/わかりやすく解説

【温故知新】の意味とは

 
「温故知新」とは、このような意味です。

過去の出来事をよく調べ、学び、そこから新しい知識や見解を得ること

 

「温」の意味

 
「温」の字には、このような意味があります。

・復習する
・学習する

「温習:くりかえして習う事」の「温」の字も、同じ意味で使われています。
  

「故」の意味

 
「故」の字には、このような意味があります。

・昔の
・古い

「故事:昔あった事柄」の「故」の字も、同じ意味で使われています。
  

「温故知新」の読み方

 
「温故知新」は、「おんこちしん」と読みます。
  
漢字表記が「温古知新」と書かれることがありますが、間違いです。



【温故知新】の由来・語源は孔子の言葉

孔子の言葉とは

 
「温故知新」の語源は、「論語(ろんご)」という書物に由来します。
  
「論語」の中の「為政(いせい)」に書かれている孔子のこの言葉が語源です。

温故而知新、可以為師矣
故きを温ねて、新しきを知れば、以って師と為るべし

この「温故知新」の部分だけが一般に使われるようになったようです。
  

「論語」とは

 
「論語」とは、孔子と孔子の高弟の言行を、孔子の死後に弟子が400年かけてまとめた儒教の経書です。
  
表現がわかりやすい為、儒教の入門書として知られています。
  
一般市民の読者も多く、教科書にも使われていたそうです。
  

「孔子」とは

 
孔子は、古代中国・春秋時代の思想家で、儒教の開祖です。
  
多くの人から尊敬された人物で、弟子の数は約3000人と言われています。
  
世界の偉大な思想家の4人のことを指す「四聖(四聖人)」
  
孔子は、釈迦、キリスト、ソクラテスと並び四聖(四聖人)に数えられています。
  
  
  

【温故知新】の原文・書き下し文・現代語訳

原文(白文) 子曰、温故而知新、可以為師矣
書き下し文 子曰く、故きを温ねて新しきを知れば、もって師たるべし
訓読 しいわく、ふるきをたずねて あたらしきをしれば、もってしとたるべし
現代語訳(口語訳) 孔子先生はおっしゃった。「古い事柄を大切にして学び、新しい知識を得ていくことができれば、人の師となることができる。」と

 

孔子は、過去の歴史から学ぶことを大切にしていました。
  
「温」は一般的には「学習する」の意味で「温ねて(たずねて)」と読まれます。
  
「冷たいものを温める」の意味があるとの説もあり「温めて(あたためて)」と読むべきとの解釈もあるようです。



【温故知新】意味の使い方・例文/小学生にもわかりやすく解説

その1(古い事柄や教えを大切にする)

 
古い事柄や教えを大切にしたい気持ちを表すときに使うことができます。
 

例文1 幸せな人生を送るためには、温故知新が大切だ
例文2 この研究が成功したのは、温故知新を大切にしたからだ
例文3 温故知新で、歴史をしっかりと学ぶべきだ
例文4 温故知新で、昔の人の教えや知恵を忘れないようにしたい
例文5 新しく物事を始める時には、温故知新が大切だ

  

その2(座右の銘)

 
「温故知新」は座右の銘として使われることが多いです。
  
悩んだり困った時に、昔の事柄や昔の人から学ぶことで、解決策が見つかるかもしれません。
  
昔のいい習慣などは残しながらも、新しものを取り入れて、未来に進みたい。
  
このような気持ちを表現する事ができます。
  

その3(社訓・理念など)

 
「温故知新」は社訓や理念として使われることがあります。
  
時代の流れとともに技術や学問などは進歩しています。
  
新しいことを学ぶことは重要ですが、過去の事柄から学ぶ大切さを忘れてはいけません。
  
このような気持ちを忘れないように、社訓や理念として使われているのではないでしょうか。

【温故知新】の類語・類義語

その1(覧古考新・らんここうしん)

 
「覧古考新」とはこのような意味です。

古いことを振り返り、新しいものを考察すること

「古きを覧、新しきを考える」と訓読します。
  
中国の歴史書である「漢書(かんじょ)」に由来する言葉です。
  

その2(継往開来・けいおうかいらい)

 
「継往開来」とはこのような意味です。

先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開くこと

「温故知新」とほぼ同じ意味で使われます。
  

その3(承前啓後・しょうぜんけいご)

 
「承前啓後」とはこのような意味です。

昔からのもの・ことを受け継いで、未来を切り開くこと

「前を承け後を啓く(まえをうけあとをひらく)」とも読む言葉です。
  

その4(彰往察来・しょうおうさつらい)

 
「彰往察来」とはこのような意味です。

昔のことを明らかにして、これから先のことを予測すること

「往を彰かにして来を察す」と読むこともあります。
  
古代中国の書物「易経」に由来する言葉です。
  

その5(因往推来・いんおうすいらい)

 
「因往推来」とはこのような意味です。

昔の出来事から、これから起こりそうな未来の出来事を予測すること

「往に因りて来を推す」とも読むこともあります。
  

その6(尚古・しょうこ)

 
「尚古」とはこのような意味です。

昔の文物や制度などを尊ぶこと



【温故知新】の反対語・対義語

その1(男猫が子を産む)

 
「男猫が子を産む」は、あり得ないことのたとえです。
  
男猫が子供を産むことは、100%あり得ません。
  
過去の出来事から学ぶのが「温故知新」ですが、あり得ないことからは何も学ぶことはできない。
  
このような意味で対義語となります。

例文 雄鶏が卵を産むような話ばかりしていると、いざという時に信じてもらえない

 

その2(雄鶏が卵を産む)

 
「雄鶏が卵を産む」も、あり得ないことのたとえです。
  
雄鶏が子供を産むことはあり得ません。
  
過去の出来事から学ぶのが「温故知新」ですが、あり得ないことからは何も学ぶことはできない。
  
このような意味で対義語となります。

例文 雄鶏が卵を産むような事ばかりする人は、誰からも信頼されないだろう

 

その3(寺に神楽があった)

 
「寺に神楽があった」も、あり得ないことや、あまり例のない事のたとえです。
  
神楽は神社にあるべきもので、お寺にはありません。
  
あり得ないことからは何も学ぶことはできない意味で対義語となります。

例文 彼の話は、寺に神楽があったようなものばかりなので、信じる事ができない

  

【温故知新】の英語表現

その1(developing new ideas based on learning from the past)

英語 日本語
develop 発展させる・伸ばす
learning from the past 過去から学ぶ

 
直訳すると「過去から学び、新しいアイディアを発展させる」です。
  
「温故知新」と同じようなニュアンスです。
  
「learning」の代わりに「taking」や「learning lessons」
  
「the past」の代わりに「history」を使うこともできます。
  

その2(He that would know what shall be, must consider what has been.)

英語 日本語
know 知る
consider 検討する・考える

 
「what shall be」で「どうなるか」
  
「what has been」で「どうであったか」となります。
  
直訳すると「どうなるか知りたければ、どうであったか考えなければならない」です。
  
「温故知新」と同じようなニュアンスです。
  

その3(Find a guide into tomorrow by taking lessons from the past)

英語 日本語
find 探す
guide 案内・手引き

 
直訳すると「古い教えを学んで明日への手引きを探す」となります。
  
「温故知新」と同じような意味になります。
  

その4(an attempt to discover new things by studying the past through scrutiny of the old)

英語 日本語
attempt 試み
discover 発見・見つける
scrutiny 検査・吟味

「昔のことを学び吟味し、新しい知識や見解を得る」と訳す事ができます。
  
「温故知新」と同じような意味になります。




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