ポルトガルのカルタをまねて作られた「天正カルタ」は、最初のカードを「ピン」、最後のカードを「キリ」と呼んでいました。
このカードの呼び方から、「最高の物から最低の物まで」の意味で「ピンからキリまで(ピンキリ)」という言葉が使われるようになりました。
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【ピンキリ/ピンからキリまで】の意味 |
①最高の物から最低の物まで ②最初から最後まで |

【ピンキリ】4つの類語 | |
当たり外れ | 大小さまざま |
色々 | 玉石混交 |

【ピンキリ】7つの英語表現 | |
all sorts of | from top to bottom |
from the best to the worst | the price varies |
a wide range of prices | of every kind |
good ones and bad ones |


【ピンキリ】語源は意外にもポルトガル語に由来
語源・由来
- ❶【ピンキリ】の語源は、ポルトガルのトランプ(西洋かるた)に由来
- ❷「キリ」の都市伝説的な語源 その1(ポルトガル語の「cruz(クルス)」説)
- ❸「キリ」の都市伝説的な語源 その2(日本語の「きり(切り・限り)」説)

【ピンキリ】は、「ピンからキリまで」が略された言葉です。
語源は、ポルトガルから伝わったトランプに由来する説が有力です。
【ピンキリ】の語源は、ポルトガルのトランプ(西洋かるた)に由来
【ピンキリ】の語源は、ポルトガルのトランプ(西洋カルタ)に由来します。
ポルトガルから日本にトランプが伝わり、日本でも国産の「かるた」が作られるようになりました。
天正年間(1573年~1592年)に流行した「天正カルタ」は、4グループそれぞれ12枚、計48枚で遊びます。
それぞれのグループの、1(竜の絵)のカードを「ピン」、12(王の絵)のカードを「キリ」と呼んでいました。
このカードの呼び方から、「最高の物から最低の物まで」の意味で「ピンからキリまで(ピンキリ)」という言葉が使われるようになりました。
「ピン」は、ポルトガル語で「点」という意味の「pinta(ピンタ)」が転化したものと言われています。
「キリ」の都市伝説的な語源 その1(ポルトガル語の「cruz(クルス)」説)
「キリ」の語源は、ポルトガル語の「cruz(クルス)」に由来するという説です。
ポルトガル語の「cruz(クルス)」は、「十字架」という意味です。
「cruz(クルス)」が「キリ」に転化し、意味も「十字架→十→最後・最低」と変化しました。
「キリ」の都市伝説的な語源 その2(日本語の「きり(切り・限り)」説)
「キリ」の語源は、区切りという意味の「きり(切り・限り)」に由来するという説です。
天正年間(1573年~1592年)に流行した天正カルタは、4グループそれぞれ12枚、計48枚で遊びます。
グループ最後の12枚目のカードは、グループの区切りなので「キリ」と表すようになりました。
【ピンキリ/ピンからキリまで】の意味

【ピンキリ】は、「ピンからキリまで」が略された言葉です。
意味は、最高の物から最低の物までです。
【ピンキリ/ピンからキリまで】の意味 |
①最高の物から最低の物まで ②最初から最後まで |
②の「最初から最後まで」という意味は、現在はあまり使われていませんが、昔は使われていました。
小説家・下村 湖人(しもむら こじん)さんの著書である「次郎物語」(1947年–49年)の中では、「最初から最後まで」の意味で「ピンからキリまで」が使われています。

【ピンキリ】はどっちが上?上下の関係とは

【ピンキリ】は、「ピン」が上で、「キリ」が下です。
【ピンキリ】の意味は、最高の物から最低の物までなので、最高の物が「ピン」で最低の物が「キリ」となります。
【ピンキリ】使い方・例文
使い方・例文
- ❶使い方 その1(物の価格)
- ❷使い方 その2(物の質)
- ❸使い方 その3(時間の幅)
- ❹使い方の例

【ピンキリ】は、物の価格・質、時間の幅を表すときに使われます。
日常の話し言葉なので、ビジネスの場では使わないほうが無難です。
使い方 その1(物の価格)
【ピンキリ】は、物の価格を表すときに使われます。
時計はブランドにより、数千円のものから数千万円のものまであります。
このような場合は「時計の価格はピンキリだ」と使われます。
例文1 | 時計もピンキリなので、選ぶのが難しい。 |
例文2 | この店の商品はどれも質のいい物だが、値段はピンキリだ。 |
使い方 その2(物の質)
【ピンキリ】は、物の質を表すときに使われます。
ホテルはビジネスホテルから五ツ星の高級ホテルまで、そのクオリティーは質は様々です。
このような場合は「ホテルの質はピンキリだ」と使われます。
例文 | ホテルといっても、ビジネスホテルから高級ホテルなどピンキリだ。 |
使い方 その3(時間の幅)
【ピンキリ】は、時間の幅を表すときに使われます。
使われることは少ないですが、最初から最後までという意味合いです。
例文 | 明日の会議には、ピンキリで出席しなければならない。 |
使い方の例




【ピンキリ】4つの類語・言い換え
類語・言い換え
当たり外れ | 大小さまざま |
色々 | 玉石混交 |

その1(当たり外れ・あたりはずれ)
「当たり外れ」とは、当たることも外れることもあるという意味です。
「当たり外れ」の意味 |
・当たることも外れることもある ・良いことも悪いこともある |
「様々なものがある」というニュアンスが含まれているところが共通しています。
その2(大小さまざま・だいしょうさまざま)
「大小さまざま」とは、大きさが色々であるという意味です。
「大小さまざま」の意味 |
サイズの大きなものと小さなものがある |
「様々なものがある」というニュアンスが含まれているところが共通しています。
その3(色々・いろいろ)
「色々」とは、種類が豊富なことです。
「色々」の意味 |
種類が豊富なこと |
こちらも、「様々なもの」というニュアンスが含まれているところが共通しています。
その4(玉石混交・ぎょくせきこんこう)
「玉石混交」とは、良いものと悪いもの、優れたものと劣ったものが混ざっていることです。
「玉石混交」の意味 |
良いものと悪いもの、優れたものと劣ったものが区別されずに混ざっていること |
こちらも、「様々なもの」というニュアンスが含まれているところが共通しています。
正しい表記は「玉石混淆」ですが、「淆」が表外漢字なので「玉石混交」と書かれるのが一般的です。
「玉石混合」と書かれることもありますが、これは間違いです。
【ピンキリ】7つの英語表現
英語表現
all sorts of | from top to bottom |
from the best to the worst | the price varies |
a wide range of prices | of every kind |
good ones and bad ones |

その1(all sorts)
「sort」は「種類」という意味の単語です。
「all sorts of」で「さまざまな種類の」という意味になり、ピンキリの英語表現として使うことができます。
There are all sorts of jeans. |
ワインといってもピンキリだ。 |
「sort」は「kind」「type」に置き換えて使うことができます。
その2(from top to bottom)
「top」は「上」、「bottom」は「下」という意味の単語です。
「from top to bottom」で「上から下まで」という意味になり、ピンキリの英語表現として使うことができます。
The watch price range is from top to bottom. |
時計の価格はピンキリだ。 |
その3(from the best to the worst)
「best」は「もっとも良い」、「worst」は「もっとも悪い」という意味の単語です。
「from the best to the worst」で「最上から最低まで」という意味になり、ピンキリの英語表現として使うことができます。
その4(the price varies)
「varies」は「vary」の三人称・単数・現在形で、「さまざまに変わる」という意味です。
「the price varies」で「価格は物によって異なる」という意味になり、ピンキリの英語表現として使うことができます。
The price varies. |
価格はピンキリまである。 |
その5(a wide range of prices)
「a wide range」で「広範囲」という意味です。
「a wide range of prices」で「幅広い価格帯」という意味になり、ピンキリの英語表現として使うことができます。
Wine have a wide range of prices. |
ワインの価格はピンキリだ。 |
その6(of every kind)
「kind」は「親切」という意味の他に「種類」という意味もあります。
「of every kind」で「あらゆる種類の」という意味になり、ピンキリの英語表現として使うことができます。
その7(good ones and bad ones)
「good ones and bad ones」で「良いものと悪いもの」という意味です。
ピンキリの英語表現として使うことができます。
【ピンキリ】以外のポルトガル語由来の言葉
ポルトガル語由来の言葉
- ❶ポルトガル語由来の言葉 12選
- ❷ポルトガル語由来の日本語が多い理由とは

ポルトガル語由来の言葉 12選
ポルトガル由来の日本語 | ||
パン | ブランコ | カステラ |
コップ | カッパ | タバコ |
シャボン | ジョーロ | ビスケット |
ボタン | ベランダ | テンプラ |
ポルトガル語由来の日本語が多い理由とは
ポルトガル語由来の外来語が多い理由は、日本人が最初に接触したヨーロッパ人がポルトガル人だったからです。
1543年 | ポルトガル人が種子島に鉄砲を伝える |
1549年 | フランシスコ・ザビエル(ポルトガル人)が日本にキリスト教を広める |
その後、ポルトガルとの貿易によって多くの商品が日本へ持ち込まれます。
日本に存在しなかった商品は、ポルトガル語がそのまま使われ、外来語として定着しました。