郵便ポストの正式名称は郵便差出箱です。昔は、郵便ポストがトイレと間違われることが多かったそうなのですが、なぜなのか気になりませんか?
この記事では、郵便ポストがトイレと間違えられてしまった理由と郵便ポストの種類や歴史についてお伝えします。
郵便ポストの正式名称は郵便差出箱
郵便ポストは昭和23年に「郵便差出箱」という名称になりました。
郵便法という法律をチェックしてみましたが、「郵便差出箱」とちゃんと書いてありました。
ポスト(post)を日本語に訳すと「柱・地位・郵便」という意味。
郵便ポストって、よくよく考えてみると「郵便郵便」「郵便柱」になってしまうんだ・・・とクスッと笑ってしまったのですが、昔「郵便柱箱」と呼ばれていた時があったそうなので、それを考えると笑うほどでもないかなと思いました!
郵便ポストの由来は定かではありませんが、「郵便柱箱」の存在と、郵便差出箱の言い辛さから、郵便ポストという呼び方が定着したのではないでしょうか。
郵便ポストをトイレと間違えてしまう人が続出した理由
郵便ポストがあちこちに設置されるようになると、トイレと間違えて用を足す人が続出。
当時、郵便ポストには「郵便箱」とちゃんと書いてありました。
しかし、「郵」という漢字があまり知られていなかったので、人々は「郵」を「垂」と勘違い。
「郵便箱」を「垂便箱」と読んでしまっていたんだとか。
郵便ポストと公衆便所が作られたのが同じくらいの時期だったこともあり、郵便ポストを公衆便所だと思い込んでしまったようです。
皆んながやっていれば、特に疑問に思うこともなく普通なことになってしまうのでしょうね。
郵便ポストの中に入れるわけではないのに、実際に用を足してしまう人が沢山いただなんて驚きました。
郵便ポスト(郵便差出箱)の歴史
世界最初の郵便ポスト
世界最初の郵便ポストは1852年にイギリスに設置されたピラーボックスと呼ばれる郵便ポストです。
ピラーボックスは、円柱形で赤く自立するタイプの郵便ポストでした。
イギリスのポストには設置されたときの君主の頭文字がラテン文字で記されているそうです。
1852年はヴィクトリア女王の治世なのでVRと記されているのでしょうか。
木製の郵便ポスト
日本で郵便制度が始まり、最初に使われていたのは「書状集箱」(しょじょうあつめばこ)という木製の郵便ポストでした
これは、木製の台に木箱がのせられただけの、とてもシンプルなものでした。
郵便制度が始まったばかりだったこともあったからでしょうか。わかりやすいように「各地時間賃銭表」といわれる、使用方法と配達先までの料金や時間が書かれたものが付けられていたそうです。
設置された郵便ポストの数は全国で62台。東海道の宿場と、東京、大阪、京都に設置されました。
木板+鉄板の黒色の郵便ポスト
日本で郵便制度が始まった次の年には「黒塗柱箱」通称、黒ポストと呼ばれる黒色の郵便ポストが設置されました。
木製ですが、角の部分に鉄板が張られて強度がアップしています。
鉄製の赤色の郵便ポスト
明治34年(1901年)になると、郵便ポストが鉄製になり色も黒色から赤色に変わります。
私たちが普段見ているポストにグッと近づきました。
火事に耐えられるようにと鉄が使われていて、目立つようにと赤色に変更され、形も円柱形に変更されました。
コンクリート製の郵便ポスト
戦時中のポストは「国策ポスト(代用ポスト)」と呼ばれ、コンクリートで作られていました。
戦時中は武器を作るために金属が不足していたので、コンクリートで代用していたそうです。
現在の郵便ポスト(郵便差出箱)
一番最初に作られたのは、赤色の円柱形の「郵便差出箱第1号(丸型)」です。
今は四角い郵便ポストの方が断然多いですが、円柱形の方がコロッとしてて可愛いですよね。
海の中にある郵便ポスト
郵便ポストは進化しています!
バヌアツには水深3mの海底に郵便ポストが設置されています。
潜る前に水に濡れても大丈夫なハガキを購入し、潜って郵便ポストに出しに行きます。
たまーに郵便局員さんが中で仕事をしていることもあるんだとか。
トロピカルな魚がたくさんいて、シュノーケルでもいけるので人気があるそうですよ!
脚の曲がった郵便ポスト
台湾には脚が曲がり傾いている郵便ポストがあり、見た目の可愛らしさから、写真スポットになるくらい人気があります。
実はこれ、台風の影響で曲がってしまったものなんです。
自然の力ってすごいな、恐ろしいなと思わされますよね。
16種類もあった!郵便ポストの種類
普段あまり気にしたことがありませんでしたが、郵便ポストの種類は結構たくさんあっって、なんと16種類!
「郵便差出箱1号丸型」の後、2号、3号と・・・14号。1号と4号は2種類あります。
雨よけのひさしをつけたり、狭い場所に設置するために形を変えたり、レターパックなど大きな郵便物を入れられるようにしたりと、郵便ポストもどんどん進化しています。
全国にはご当地郵便ポストがあった
ちょっと変わった「ご当地郵便ポスト」が全国各地に設置されています。
沖縄県には、カラフルで暗くなると郵便ポストの絵が浮かび上がる自光式の「沖縄復帰20周年記念ポスト」やシルバーでスタイリッシュな感じの「九州・沖縄サミット開催記念ポスト」があります。
熊本県には熊本城をイメージした郵便ポストがあり、兵庫県の丹波篠山市には茅葺屋根を付けた、和の雰囲気のある素敵な郵便ポストがあります。
福岡県にはハート形の「エンジェルポスト」という可愛らしいポストもあるんです。
何かの記念として郵便ポストを作ったり、町の雰囲気に合わせて郵便ポストを作り、設置することも多いようですね。
旅行の時など、珍しいポストに出会えたら楽しいのではないでしょうか。
パナソニックも郵便ポストを製造していた
現在設置されているポストは16種類ありますが、ほとんどは日本の中小メーカーで製造されています。
最近は山崎産業という家庭用品や清掃用品などの製造販売する会社で製造されることが多いようですが、中には大企業のパナソニックが製造したものもあるようです。
郵便ポストには目立たないところに、製造メーカー名が記されているそうなので、チェックしてみると面白いかもしれません。
世界にあるいろいろな郵便ポスト
世界には様々な郵便ポストがあります。
ポルトガルは普通郵便が赤色で、速達が青色。
ギリシャは普通郵便が黄色で、速達が赤色。
モロッコ、フランス、スペイン、ドイツは黄色。
中国は緑色。
アメリカ、ロシアは青色。
台湾は普通郵便が緑色で速達が赤色。
カナダ、イギリス、韓国、イタリアは日本と同じ赤色。
こうやって見てみると、黄色や赤色の郵便ポストを使っている国が多いですね。
普通郵便と速達で郵便ポストの色を変えているのは、わかりやすくて便利だと思いました。