【鯖を読む/さばを読む】という言葉には6つの語源・由来がありますが、定説はありません。
NHKのテレビ番組「チコちゃんに叱られる」では、鯖が腐りやすいことに由来する説が紹介されました。
鯖は腐りやすい魚なので、急いで数えて売りさばく必要があり、数え間違いも多かったそうです。
このことから、自分の都合のいいように数をごまかす意味で【鯖を読む】が使われるようになりました。

【鯖を読む】の意味

意味
- ❶【鯖を読む】の意味
- ❷「鯖」の意味
- ❸「読む」の意味
【鯖を読む】の意味
【鯖を読む】の意味は、自分の都合のいいように数をごまかすことです。
【鯖を読む】の意味 |
自分の都合のいいように数をごまかすこと |
「鯖」の意味
「鯖」は、魚の鯖のことです。
「読む」の意味
「読む」は「数える」という意味です。
古文では、「数える」ことを「読む」と表現していました。
沖縄の民謡などには、この名残があるようです。
【鯖を読む】は「鯖を数える」ということになります。
【鯖を読む】6つの由来・語源

由来・語源
- ❶「鯖は腐りやすい」説(チコちゃんに叱られるで紹介された説)
- ❷「魚を数えることの略語」説
- ❸「干物の数え方」説
- ❹「数をごまかしていた」説
- ❺「お寿司屋さん」説
- ❻「仏教用語」説
【鯖を読む】という言葉には6つの由来・語源がありますが、定説はありません。
NHKのテレビ番組「チコちゃんに叱られる」では、「鯖は腐りやすい」説が紹介されました。
その1(「鯖は腐りやすい」説)/チコちゃんに叱られるで紹介された説
【鯖を読む】の語源は、鯖が腐りやすいことに由来する説です。
鯖は腐りやすい魚です。
昔は冷凍設備がなかったので、急いで売りさばく必要がありました。
急いで数えるので、数え間違いも多かったそうです。
このことから、自分の都合のいいように数をごまかす意味で【鯖を読む】が使われるようになりました。
その2(「魚を数えることの略語」説)
【鯖を読む】の語源は、魚を数えることの略語に由来する説です。
市場で魚を早口で数えることを「魚市読(いさばよみ)」といいました。
早口で数えるので間違えも多かったのでしょう。
この「いさば」が「さば」に変化し、自分の都合のいいように数をごまかす意味で【鯖を読む】が使われるようになりました。
その3(「干物の数え方」説)
【鯖を読む】の語源は、干物の数え方に由来する説です。
鯖を背開きにして塩干しにしたものを「刺鯖(さしさば)」といいます。
「刺鯖」は、二枚重ねたものを一刺としています。
つまり、2尾一組で売買されていたのです。
これが転化し、自分の都合のいいように数をごまかす意味で【鯖を読む】が使われるようになりました。
その4(「数をごまかしていた」説)
【鯖を読む】の語源は、数をごまかしていたことに由来する説です。
捕獲した鯖を数えるときに、利益を増やすために、売り手や使用人が数をごまかすことがあったそうです。
このことから、自分の都合のいいように数をごまかす意味で【鯖を読む】が使われるようになりました。
その5(「お寿司屋さん」説)
【鯖を読む】の語源は、お寿司屋さんに由来する説です。
昔、お寿司屋さんでは、お客さんが食べたお寿司の数を覚えておくために、少量のご飯をまな板に並べていました。
このことを「さばを読む」と呼んでいました。
お客さんから会計のクレームがあると、お寿司屋さんは「さばを読んでいるので間違いない」と言っていたそうです。
お客さんによっては、「ごまかされている」と感じることもあったようです。
このことが転じて、自分の都合のいいように数をごまかす意味で【鯖を読む】が使われるようになりました。
その6(「仏教用語」説)
【鯖を読む】の語源は、仏教用語の「生飯:さば」に由来する説です。
「生飯」は、サンスクリット語のsattvaharaに生飯(さば)という漢字を当てたもので、自分の食事から、お供えものとしてとり分けたご飯のことです。
お坊さんは、食事の準備をする時に、「生飯」のことも考えて少し多めにご飯の準備をしていたそうです。
このことが転じて、自分の都合のいいように数をごまかす意味で「さばを読む」が使われるようになりました。
「逆サバ(逆鯖)」とは

「逆サバ」とは、自分を過小評価させるために、実際の数よりも小さくごまかすことです。
つまり、逆方向に【鯖を読む】ことです。
30歳の人が自分の年齢を25歳にごまかしたら【鯖を読む】
30歳の人が自分の年齢を35歳にごまかしたら「逆サバ」となります。
【鯖を読む】使い方・例文

【鯖を読む】は、自分の都合のいいように数をごまかす行為に対して使われます。
本当の事を言いたくなかったり、少しでもよく見せたいという時などです。
例文1 | 身長を聞かれたので、つい鯖を読んでしまった。 |
例文2 | 体重を聞かれると、つい鯖を読んでしまう。 |
例文3 | 年齢を聞かれると、つい鯖を読んで5歳ほど若く言ってしまう。 |
【鯖を読む】6つの類語・類義語

【鯖を読む】の類語・類義語は、「言葉を濁す」「下駄を履かせる」などです。
【鯖を読む】6つの類語 | ||
1 | 言葉を濁す (ことばをにごす) |
都合の悪いことをはっきりと言わずに曖昧にすること。 |
2 | 下駄を履かせる (げたをはかせる) |
数量などを水増しして、実際よりも多く見せること。 |
3 | お茶を濁す (おちゃをにごす) |
適当なことを言ってごまかすこと。 |
4 |
誤魔化
|
都合の悪いことを隠し、取り繕うこと。 |
5 | まやかす | ごまかしあざむく。ごまかす。 |
6 | ちょろまかす | ごまかすこと。 |
【鯖を読む】2つの反対語・対義語

【鯖を読む】の反対語・対義語は、「正真正銘」「折り紙付き」です。
【鯖を読む】2つの反対語・対義語 | ||
1 | 正真正銘 (しょうしんしょうめい) |
間違いなく本物であること。 |
2 | 折り紙付き (おりがみつき) |
絶対に間違いないと、品質を保証すること。 |
【鯖を読む】5つの英語表現

【鯖を読む】の英語表現は、「fudge on one’s age」などです。
【鯖を読む】5つの英語表現 | ||
1 | fudge on one’s age | |
年齢をごまかす | ||
2 | fudge the count | |
数をごまかす | ||
3 | fake one’s age | |
年齢を偽る | ||
4 | lie about one’s age | |
自分の年齢について嘘を言う | ||
5 | age-fudging | |
年齢をごまかす |