【背広】7つの語源とは/スーツ・ジャケットとの違いや歴史も解説

この記事では【背広】の次のことについてお伝えします。
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7つの語源・由来
意味・読み方
【背広・スーツ・ジャケット】の違い
背広姿とは
背広・スーツの歴史
みーちゃん
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【背広】の語源・由来の有力説
背幅が広い説
背広は背縫いがないので、幅がくゆったりとした作りになっていることに由来

 

【背広】の意味
同じ布地で作った一揃いの洋服

 

背広とスーツの違い
女性用の有無

 

ハルちゃん
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より詳しくは記事をお読み下さい。



7つある!【背広】の語源・由来

 

この章では【背広】の7つの語源・由来をお伝えします。
みーちゃん
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7つの語源・由来

     

  • ❶背幅が広い説
  • ❷サヴィル・ロウ(Savile row)説
  • ❸civil clothes説
  • ❹sack coat説
  • ❺Cheviot説
  • ❻中国の洋服職人説
  • ❼中国語説

 
「背広」の語源には定説はありませんが、「背幅が広い説」が有力とされています。
 

その1(背幅が広い説)

 
背広は背縫いがないので、背幅がゆったりとした作りです。
  
背広を着用する前の時代は、正装といえばフロックコートやモーニングコートでした。
  
これらは4枚の布で仕上げるので背縫いが必要なので、作りがタイトです。
  
背幅が広くゆったりとしていることから「背広」になったという説です。
  
「背広」の語源には7つの説がありますが、こちらが有力説と言われています。
  

その2(サヴィル・ロウ(Savile row)説)

 
サヴィル・ロウ(Savile row)は、ロンドン中心部にある高級紳士服店街です。
  
オーダーメイドの老舗紳士服店の有名店が立ちび、中には王族御用達の名店も。
  
この「サヴィル・ロウ」の「Savile」が日本語訛りで変化し「背広」になったという説です。
  

その3(civil clothes説)

 
軍服・礼服に対し、市民服を意味するのが「civil clothes」
  
この「civil」が日本語訛りで変化し「背広」になったという説です。
  

その4(sack coat説)

 
ゆったりとした男性用の上着を英語で「sack coat」と言います。
  
「sack coat」を翻訳した言葉が「背広」だという説です。
  

その5(Cheviot説)

 
「Cheviot(チェビット)」は、スコットランドの有名な羊毛の産地です。
  
のこ「Cheviot(チェビット)」が日本語訛りで変化したという説です。
  
この「チェビオット」の日本語訛りが変化し「背広」になったという説です。
  

その6(中国の洋服職人説)

 
幕末に横浜港が開港されると、中国の洋服職人が大勢日本に移住してきました。
  
中国人はサックスーツのことを「背広服」と呼んでいました。
  
これが日本人に伝わり「背広」になったという説です。
  

その7(中国語説)

 
ベストなど西洋の紳士服の英語の中国語訳に「背」という文字が使用されています。
  
1860年に出版された福沢諭吉の最初の出版物である「増訂華英通語」には、次のように書かれています。

英語 中国語
vest 背心
new waistcoat 新背心

清国では紳士服に「背」という文字が使われていました。
  
このことから「背広」の語源は中国語に由来するという説です。



【背広】の意味・読み方とは

 

ハルちゃん
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この章では【背広】の意味・読み方をお伝えします。
 

【背広】の意味とは

 
「背広」とは、このような意味です。

「背広」の意味
同じ布地で作った一揃いの洋服

現在「背広」という言葉を使う人は減っており、特に若者は「スーツ」という言葉を使っています。
  
寂しい感じがしますが、「背広」は死語になりつつあると言われています。
  

「背広」の読み方とは

 
「背広」は「せびろ」と読みます。
  
「背広」は当て字です。
  

「背広」は当て字/元々は「せびろ」

 
「背広」は当て字で、元々はひらがなで「せびろ」と表記されていました。
  
1870年出版された書物「絵入智慧の環(えいりちえのわ)」では、ひらがなで「せびろ」と書かれています。
  
次第に、せびろ→セビロ→背広と変化しました。

出版年 書物 表記
1870年〜1872年 絵入智恵の環 せびろ
1871年 英字訓蒙図解 セビロ
1873年 改服裁縫初心伝 背広

英字訓蒙図解の著者(古川正雄)は福沢諭吉の弟子の一人です。
  



【背広・スーツ・ジャケット】の違いとは

 

この章では【背広・スーツ・ジャケット】の違いをお伝えします。
みーちゃん
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【背広・スーツ・ジャケット】の違い

     

  • ❶背広とスーツの違い
  • ❷背広とジャケットの違い

 

【背広・スーツ】の違いとは

 
「背広」と「スーツ」の唯一の違いは、女性用の有無です。

背広 スーツ
女性 ない ある
男性 ある ある

背広は紳士服として日本に伝わったものなので、女性用がありません。
  
一部のファッション辞典では区別していることがありますが、基本的には同じものです。
  

【背広・ジャケット】の違いとは

 
「背広」と「ジャケット」には、次のように6つの違いがあります。
  
使用するシーンでしっかりと使い分けをすることが必要です。

背広 ジャケット
❶生地の素材 光沢がある 光沢がない
❷上着の着丈 お尻が隠れる長さ お尻が半分ほど見える長さ
❸パンツ パンツ・上着(ベスト)のセット 上着のみ
❹ポケットの形 上蓋あり 上蓋なし
❺肩パット あり なし
❻使用シーン 公式な行事など プライベート



【背広姿】とは

 

ハルちゃん
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この章では【背広姿】についてお伝えします。
 
「背広姿」とは、背広(スーツ)を着ている姿のことです。
  
ビジネスマンが背広を着ている場合、ビジネスマンの背広姿と表現します。

例文 社会人になって3年、背広姿が板についてきた

 

【背広・スーツ】の歴史

 

この章では【背広・スーツ】の歴史をお伝えします。
みーちゃん
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【背広・スーツ】の歴史

     

  • ❶背広(スーツ)の発祥地は英国
  • ❷背広(スーツ)の起源は「フロック」
  • ❸日本に背広(スーツ)が伝わったのは明治維新以降

背広(スーツ)の発祥地は英国

 
背広(スーツ)の発祥の地は英国です。
  

背広(スーツ)の起源は「フロック」

 
背広(スーツ)の起源は、15世紀・16世紀のヨーロッパの「フロック」と言われています。
  
フロックとは、ヨーロッパの農民が農作業で使っていた丈の長い服です。
  
このフロックが上質な生地で仕立てられ、18世紀には「フロックコート」として一般市民に広がりました。
  
やがてシャツ・パンツ・ベスト・ネクタイのフロックコートスタイルが正装となり、現代のスーツの原型となりました。
  

日本に背広(スーツ)が伝わったのは明治維新以降

 
日本に背広(スーツ)が伝わったのは、明治維新以降です。
  
当時は和装がスタンダードだったので、洋装はフロックコートが主流でした。
  
大正時代になるとスーツスタイルが一般化し、スタンダードなファッションへと変化していきました。
  
現在のような既製品のスーツではなく、全てオーダーメイドだったようです。




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