
【諸行無常】の意味 |
この世のあらゆる物事は、絶えず変化し続けていて、永久不変なものはない |
【諸行無常】の9つの類語・類義語 |
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諸法無我 | 万物流転 | 盛者必衰 |
会者定離 | 生者必滅 | 是生滅法 |
有為転変 | 昨日の淵は今日の瀬 | 一炊の夢 |
【諸行無常】のつの対義語 |
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永久不滅 | 万古不易 | 恒常不変 |

【諸行無常(しょぎょうむじょう)】とは/意味をわかりやすく解説
【諸行無常】の意味とは
「諸行無常」とは、このような意味の言葉です。
・この世のあらゆる物事は、絶えず変化し続けていて、永久不変なものはない ・全ては移り変わり、とどまる事はない |
「諸行無常」は仏教言葉で、仏教の根本的な考え方である「三法印」の1つです。
「諸行」の意味とは
「諸行」とは、このような意味の言葉です。
因縁によって起こる、この世のあらゆる物事 |
「無常」の意味とは
「無常」とは、このような意味の言葉です。
常に変化し、同じ状態にとどまらないこと |
【諸行無常】の読み方
「諸行無常」の読み方は「しょぎょうむじょう」です。
漢字表記が「諸行無情」と書かれることがありますが、間違いです。
【諸行無常】の語源は「仏教の三法印(さんぼういん)」に由来している
語源は仏教の「三法印」に由来している
「諸行無常」の語源は、仏教の「三法印」に由来しています。
「三法印」とは仏教の根本的な教えで、「仏教である印」のことです。
三法印の特徴を持っていれば仏教で、持っていなければ仏教ではなく他教ということになります。
仏教の「三法印」とは
「三法印」は仏教の根本的な教えで、次の三つから成ります。
三法印 | 意味 |
(1)諸行無常印(しょぎょうむじょういん) | この世のあらゆる物事は、絶えず変化し続けていて、永久不変なものはない |
(2)諸法無我印(しょほうむがいん) | この世のあらゆる物事は、互いに影響し合って生じたものであり、自分という存在でさえも普遍ではなく、変化している |
(3)涅槃寂静印(ねはんじゃくじょういん) | 煩悩や悩みがない悟りの世界は、静かな安らぎの境地である |
「諸行無常印」は仏教の基本
「諸行無常」は三法印の中でも、最も基本となる教えです。
この教えは他教では無く、仏教のみの教えのようです。
【諸行無常】の使い方・例文
その1(人の力ではどうにもならない変化を感じた時)
人の力ではどうにもならない変化を感じた時に、「諸行無常」を使うことがあります。
時代の変化や人との別れなど、変化により虚しさや儚さを感じた時などです。
・20年ぶりに帰郷し、街並みの変化に諸行無常を感じた。 ・転勤で仲間と離れることになり、諸行無常を感じた。 |
その2(周りの影響で自分の変化を感じた時)
周りの影響で自分の変化を感じた時、「諸行無常」を使うことがあります。
自分はたくさんの人に助けられ、支えられていると感じた時などです。
・監督やコーチのお陰で大会で優勝することができ、諸行無常を痛感した。 |
その3(座右の銘)
「諸行無常」は座右の銘として使われることが多いです。
この世のあらゆる物事は、今というこの瞬間も常に変化し続けています。
・一瞬一瞬を大切にしたい ・今の悩みも変化するものだから、悩みすぎない |
このような前向きな気持ちから、座右の銘とされることが多いようです。
【諸行無常】で有名な平家物語の冒頭の言葉
平家物語の冒頭
平家物語の冒頭は、学校の授業でも習う有名な言葉です。
<平家物語 冒頭> 祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。 |
平家物語とは
「平家物語」とは、源平の争いを描いた軍記物語です。
鎌倉時代に成立したものとされていますが、作者や成立年は不明となっています。
【祇園精舎の鐘の声】の意味・現代語訳
「祇園精舎の鐘の声」の現代語訳
祇園精舎の鐘の声 |
祇園精舎の鐘の音には |
「祇園精舎の鐘の声」の意味
「祇園精舎」とは「祇園寺」のことで、お釈迦様が説法をしていたインドにあったお寺のことです。
「祇園精舎」には「無常堂」という、病気のお坊さんが過ごす場所がありました。
そこでお坊さんが亡くなると、「無常堂」の鐘が鳴らされたそうです。
この鐘の音が、「祇園精舎の鐘の声」です。
「祇園精舎の鐘の声」の読み方
「祇園精舎の鐘の声」は、「ぎおんしょうじゃのかねのこえ」と読みます。
【諸行無常の響きあり】の意味・現代語訳
「諸行無常の響きあり」の現代語訳
諸行無常の響きあり |
諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある |
「諸行無常の響きあり」の意味
「無常堂」で鳴らされた鐘の音が、透き通った音色であったこと。
お坊さんが亡くなり、人の命の無常さ、はかなさを感じたことを表しています。
この世の全てのものは変化し続けていて、不変なものはないという事です。
「諸行無常の響きあり」の読み方
「諸行無常の響きあり」は、「しょぎょうむじょうのひびきあり」と読みます。
【諸行無常】の類語・類義語
その1(諸法無我・しょほうむが)
「諸法無我」とは、このような意味の言葉です。
この世のあらゆる物事は、互いに影響し合って生じたものであり、自分という存在でさえも普遍ではなく、変化している |
「諸行無常」同様、仏教の根本的な教えである「三法印」の一つです。
その2(万物流転・ばんぶつるてん)
「万物流転」とは、このような意味の言葉です。
この世のあらゆるものは、絶え間なく変化し続けている |
「万物」とは、「この世のあらゆるもの」を意味しています。
「流転」とは、「絶えず変化し続ける事」を意味しています。
古代ギリシャの哲学者・ヘラクレイトスが提唱した概念です。
その3(盛者必衰・しょうじゃひっすい)
「盛者必衰」とは、このような意味の言葉です。
この世は無常であり、勢いのある栄えている者も、必ず衰え滅びる時がくる |
「諸行無常」と同じく、仏教の無常観を表す仏教言葉です。
その4(会者定離・えしゃじょうり)
「会者定離」とは、このような意味の言葉です。
この世は無常であり、出会った人とは、必ず別れる運命にある |
この世の無常観を、出会いと別れで表現した言葉です。
「会者定離」も、仏教の無常観を表す仏教言葉です。
その5(生者必滅・しょうじゃひつめつ)
「生者必滅」とは、このような意味の言葉です。
この世は無常であり、生まれたものは、必ず滅び死ぬものである |
この世の無常観を、生死で表現した言葉です。
「生者必滅」も、仏教の無常観を表す仏教言葉です。
その6(是生滅法・ぜしょうめっぽう)
「是生滅法」とは、このような意味の言葉です。
この世は無常であり、生命のあるものは、いつか必ず滅び死ぬものである |
この世の無常観を、生死で表現した言葉です。
「是生滅法」も、仏教の無常観を表す仏教言葉です。
その7(有為転変・ういてんぺん)
「有為転変」とは、このような意味の言葉です。
この世は無常であり、この世の全ての物事は、さまざまな原因・条件によって絶えず変化するものである |
この世の無常観を、因縁(原因・条件)で表現した言葉です。
「有為転変」も、仏教の無常観を表す仏教言葉です。
その8(昨日の淵は今日の瀬)
「昨日の淵は今日の瀬」とは、このような意味の言葉です。
昨日まで淵であった場所も、一夜で流れが変化し、今日は浅瀬になることがある |
世の中は絶えず変化していて、いつ何が起こるかわからない。
人の世もさだめがないことを表現しています。
その9(一炊の夢)
「一炊の夢」とは、このような意味の言葉です。
人生の栄えている時期は、はかないものである |
「飯が炊きあがるくらい短時間に見る夢」が転じた言葉です。
【諸行無常】の対義語・反対語
その1(永久不滅・えいきゅうふめつ)
「永久不滅」とは、このような意味の言葉です。
いつまでも滅びないこと、変化しないこと |
その2(万古不易・ばんこふえき)
「万古不易」とは、このような意味の言葉です。
いつまでも変わらないこと 永遠に変わらないこと |
その3(恒常不変・こうじょうふへん)
「恒常不変」とは、このような意味の言葉です。
一定していて変わらないこと 何があっても消して変わらないこと |
【諸行無常】の英語表現
その1(nothing is permanent)
「permanent」は「永久的な・不変の」という意味の単語です。
そこに否定を表す「nothing」を組み合わせた表現方法です。
nothing is permanent |
永久なものは何もない |
その2(all things are in a state of flux)
「万物流転」の英語表現です。
「state」は「状態・様子」という意味の言葉です。
「flux」は「流れ・絶え間なく変化する」という意味の言葉です。
all things are in a state of flux |
万物流転 |
その3(life comes and goes)
「life」は「人生・生活・生命」という意味の言葉です。
「goes」は「行く」という意味の言葉です。
Life comes and goes |
人生はいずれ終わるときがくる |
その4(impermanence of all things)
「impermanence」は「永久でないこと・はかなさ」という意味の言葉です。
impermanence of all things |
永続するものは何もない |