【虎の威を借る狐】意味と由来/現代語訳・書き下し文と故事の内容を解説

ハルちゃん
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【虎の威を借る狐】の意味は、強い者の力を頼って威張る人です。
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【虎の威を借る狐】という言葉は、虎が狐に騙される故事に由来します。
 
虎に捕まった狐は、「自分は天帝から百獣の王になるよう命じられた。食べたら罰が当たる。嘘だと思うならついて来なさい。」と言います。
 
虎が狐の後について行くと、動物たちは狐の後ろの虎を恐れて、みな逃げて行きました。
 
この様子を見て、虎は狐の話を信じました。
 
この故事から、「強い者の力を頼って威張る人」の意味で【虎の威を借る狐】が使われるようになりました。
 
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みーちゃん
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この記事では【虎の威を借る狐】の次のことについてお伝えします。
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意味・読み方
由来・語源
漢文の現代語訳・書き下し文
【虎の威を借る狐】と意味・由来が同じ四字熟語「狐借虎威(こかこい)」
例文・使い方
類語・類義語
英語表現
中国語表現
 

【虎の威を借る狐】と意味・由来が同じ四字熟語
狐借虎威(こかこい)
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【虎の威を借る狐】12の類語・類義語
笠に着る 人の褌で相撲を取る 他人の威光で威張る
他人の権勢を利用する 後ろ盾 便乗する
親の七光り 勝ち馬に乗る コバンザメ
虚仮威し 虚勢を張る 尻馬に乗る
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【虎の威を借る狐】の英語表現
ass in a lion’s skin
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【虎の威を借る狐】の中国語表現
狐假虎威(hújiǎhǔwēi)
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故事成語【虎の威を借る狐】の意味・読み方

意味・読み方

     

  • ❶【虎の威を借る狐】の意味
  • ❷意味を「スネ夫」でわかりやすく解説
  • ❸「威」の意味
  • ❹「借る」の意味
  • ❺【虎の威を借る狐】の読み方
この章では【虎の威を借る狐】の意味・読み方をお伝えします。
みーちゃん
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【虎の威を借る狐】の意味

 
【虎の威を借る狐】の意味は、強い者の力を頼って威張る人です。

【虎の威を借る狐】の意味
強い者の力を頼って威張る人

 

【虎の威を借る狐】の意味を「スネ夫」でわかりやすく解説

 
ドラえもんに登場するお馴染みのキャラクター「スネ夫」
  
スネ夫は、ジャイアンといつも一緒にいて、ジャイアンの強さを利用して威張っているところがあります。
  
このずる賢い感じが【虎の威を借る狐】です。
  

「威」の意味

 
「威」の意味は、力で押さえつけ、人を恐れさせることです。

「威」の意味
・力で押さえつけ、人を恐れさせること
・威厳

 

「借る」の意味

 
「借る」の意味は、利用するです。

「借る」の意味
利用する

 
「借る」は「借りる」の文語形で、「仮る」と書くこともあります。
  

【虎の威を借る狐】の読み方

 
【虎の威を借る狐】の読み方は「とらのいをかるきつね」です。
  
「借る」は「借りる」の文語形なので、「虎の威を借りる狐」と書かれることがあります。
  
また「借る」が「仮る」と表記されることもありますが、どちらも間違いではありません。



【虎の威を借る狐】の由来・語源は虎と狐の故事

由来・語源

     

  • ❶由来・語源は虎と狐の故事
  • ❷虎と狐の故事/物語の内容
  • ❸故事の背景
  • ❹故事の出典/中国の「戦国策(せんごくさく)」
  • ❺「戦国策」に由来する故事成語
ハルちゃん
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この章では【虎の威を借る狐】の由来・語源をお伝えします。

【虎の威を借る狐】の由来・語源は虎と狐の故事

 
【虎の威を借る狐】の由来・語源は、虎と狐の故事です。
  
中国の前漢時代の書物「戦国策(せんごくさく)」の「楚策(そさく)」に書かれている物語です。
  

虎と狐の故事/物語の内容

 
虎に捕まった狐が、「私は天帝から百獣の王になるように命じられた。」と嘘をつきます。
  
「私を食べたら罰が当たる。嘘だと思うなら、私について来なさい。」と。
  
虎が狐の後について行くと、動物たちは狐の後ろの虎を恐れて、みな逃げて行きます。
  
虎は、自分ではなく、狐を恐れて逃げたのだと思い込み、狐の話を信じました。
  
この故事から、「強い者の力を頼って威張る人」の意味で【虎の威を借る狐】が使われるようになりました。
  

故事の背景

 
中国の戦国時代(紀元前4世紀頃)のことです。
  
楚国の王は、自国の大臣が外国から恐れられているという噂を耳にします。
  
この噂が本当かどうか王に尋ねられた大臣は、王に「虎と狐の故事」の話をします。
  
そして、大臣が外国から恐れられているのは、王の軍隊を恐れているからだと答えました。
  

故事の出典/中国の「戦国策(せんごくさく)」

 
「戦国策」とは、戦国時代の遊説士の策略などを、国別にまとめた33編から成る書物です。
  
元々「国策」「国事」「事語」「短長」「長書」「脩書」と呼ばれていた書物がありました。
  
これらを、前漢の時代に、学者・政治家である劉向(りゅうきょう)が一つにまとめました。
  
「戦国策」は「戦国時代」の名前の由来となった書物でもあります。
  

「戦国策」に由来する故事成語

 
【虎の威を借る狐】と同じ、「戦国策」の故事に由来する故事成語に「蛇足」「漁夫の利」があります。
  
「蛇足」「漁夫の利」についても記事を書いていますので、お読み下さい。

ハルちゃん
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【虎の威を借る狐】漢文の現代語訳・書き下し文・白文

この章では【虎の威を借る狐】の漢文の現代語訳・書き下し文・白文をお伝えします。
みーちゃん
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原文・白文 虎求百獣而食之、得狐。
書き下し文 虎 百獣を求めて之を食らひ、狐を得たり。
読み方 とら ひゃくじゅうをもとめてこれをくらい、きつねをえたり。
現代語訳 虎は獣を探して食べていましたが、(ある日)狐を捕まえました。
原文・白文 狐曰、「子無敢食我也。
書き下し文 狐曰はく、「子敢へて我を食らふこと無かれ。
読み方 きつねいわく、しあえてわれをくらうことなかれ。てんてい、「
現代語訳 狐が言うことには、「あなたは決して私を食べてはいけません。
原文・白文 天帝使我長百獣。
書き下し文 天帝我をして百獣に長たらしむ。
読み方 てんてい、われをしてひゃくじゅうにちょうたらしむ。
現代語訳 天帝は私を百獣の王ととしました。
原文・白文 今子食我、是逆天帝命也。
書き下し文 今子我を食らはば、是れ天帝の命に逆らふなり。
読み方 いま、し、われをくらわば、これてんていのめいにさからうなり。
現代語訳 今あなたが私を食べたなら、それは天帝の命令に背くことになります。
原文・白文 子以我為不信、吾為子先行。
書き下し文 子我を以つて信ならずと為さば、吾子の為に先行せん。
読み方 し、われをもってしんならずとなさば、われ、しのためにせんこうせん。
現代語訳 あなたが私のことを信じないのならば、私はあなたのために先に立って歩きましょう。
原文・白文 子随我後観。
書き下し文 子我が後に随ひて観よ。
読み方 し、わがあとにしたがいてみよ。
現代語訳 あなたは私の後について来て、見なさい。
原文・白文 百獣之見我、而敢不走乎。」
書き下し文 百獣の我を見て、敢へて走げざらんや。」と。
読み方 ひゃくじゅうのわれをみて、あえてはしらざらんや、と。
現代語訳 百獣の王である私の姿を見て、(他の獣たちが)どうして逃げないことがあるでしょうか。いやきっと逃げ出すはずです。
原文・白文 虎以為然。
書き下し文 虎以つて然りと為す。
読み方 とら、もってしかりとなす。
現代語訳 虎は、もっともだと思いました。
原文・白文 故に遂に之と行く。
書き下し文 故に遂に之と行く。
読み方 ゆえについにこれとゆく。
現代語訳 そこでそのまま、狐と一緒に歩いて行きました。
原文・白文 獣見之皆走。
書き下し文 獣之を見て皆走ぐ。
読み方 じゅう、これをみて みなはしる。
現代語訳 獣たちは、これ(狐と虎が一緒に歩いている様子)を見てみな逃げた。
原文・白文 虎不知獣畏己而走也。
書き下し文 虎獣の己を畏れて走ぐるを知らざるなり。
読み方 とら、じゅうのおのれをおそれてはしるをしらざるなり。
現代語訳 虎は、獣たちが自分を恐れて逃げたことに気がつかなかったのです。
原文・白文 以為畏狐也。
書き下し文 以為へらく狐を畏るるなりと。
読み方 おもえらく、きつねをおそるるなりと。
現代語訳 (虎は獣たちが恐れているのは自分ではなく)狐のことを恐れているのだと思いました。



【虎の威を借る狐】と意味・由来が同じ四字熟語「狐借虎威(こかこい)」

ハルちゃん
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この章では【虎の威を借る狐】と意味・由来が同じ四字熟語「狐借虎威(こかこい)」をお伝えします。

 
【虎の威を借る狐】と意味・由来が同じ四字熟語に「狐借虎威(こかこい)」があります。

「狐借虎威(こかこい)」の意味
力のない者が、権力のある人の力を頼って威張ること

 
由来の故事の出典は、「戦国策(せんごくさく)」の「楚策(そさく)」です。
  

【虎の威を借る狐】の例文・使い方

例文・使い方

     

  • ❶例文
  • ❷使い方
この章では【虎の威を借る狐】の例文・使い方をお伝えします。
みーちゃん
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例文

例文1 彼は父親が議員だからと威張っているが、所詮は虎の威を借る狐だ。
例文2 先生に気に入られているからって偉そうにして、彼女は虎の威を借る狐だ。
例文3 私の父は有名なミュージシャンなのだが、虎の威を借る狐と言われたくなくて秘密にしていた。

 

使い方

ハルちゃん
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彼っていつも上から目線で物を言うよね。
彼のお父さんが、取引先の〇〇社の社長なのよ。
大口の取引先だから面倒で、誰も注意しないのよね。
みーちゃん
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そうなんだ。怒らせると、取引がなくなる可能性があるってことなのね。
すごいのは彼のお父様で、彼自身ではないのに・・・。虎の威を借る狐ね。
みーちゃん
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【虎の威を借る狐】12の類語・類義語

ハルちゃん
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この章では【虎の威を借る狐】の類語・類義語をお伝えします。

 
【虎の威を借る狐】の類語には、「笠に着る」「人の褌で相撲を取る」などがあります。

【虎の威を借る狐】12の類語・類義語
笠に着る
(かさにきる)
権力がある者の後援を頼って威張ること
人の褌で相撲を取る
(ひとのふんどしですもうをとる)
他人の物を使って、自分の利益を得ること
他人の威光で威張る
(たにんのいこうでいばる)
他人の権力を利用して威張ること
4 他人の権勢を利用する
(他人のけんせいをりようする)
他人の権力や勢力を利用すること
5 後ろ盾
(うしろだて)
陰にいて力を貸し、助けること
6 便乗する
(びんじょうする)
巧みに機会をとらえて利用すること
7 親の七光り
(おやのななひかり)
権力を持つ親を持った子供が、その恩恵を受けること
8 勝ち馬に乗る
(かちうまにのる)
有利な方につくこと
9 コバンザメ 力の強い者の近くにいて、そのおこぼれにあずかる者のたとえ
10 虚仮威し
(こけおどし)
浅はかな見えすいた威し
11 虚勢を張る
(きょせいをはる)
弱いところを隠して、外見だけは力のあるふりをする
12 尻馬に乗る
(しりうまにのる)
他人の言動に同調して、軽はずみな行動をする

  

【虎の威を借る狐】の英語表現

この章では【虎の威を借る狐】の英語表現をお伝えします。
みーちゃん
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【虎の威を借る狐】の英語表現は「ass in a lion’s skin」です。

【虎の威を借る狐】の英語表現
ass in a lion’s skin

 
イソップ童話の物語の一つ「ライオンの皮を被ったロバ(The ass in the lion’s skin)」のタイトルに由来することわざです。
  
ロバがライオンの皮を被って他の動物を脅かしていたのですが、声を出してしまい正体を見破られてしまう物語です。
  

【虎の威を借る狐】の中国語

ハルちゃん
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この章では【虎の威を借る狐】の中国語をお伝えします。

 
【虎の威を借る狐】の中国語表現は「狐假虎威」です。

【虎の威を借る狐】の中国語表現
狐假虎威(hújiǎhǔwēi)

 
「假」は日本語では「仮」となり、「借りる」と言う意味です。




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