
由来・語源となった孔子の言葉 | |
書き下し文 | 君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず |
現代語訳 | 立派な人物は、他人と仲よく付き合うが、安易に同調はしない。つまらない人物は、他人に安易に同調するが、けっして仲よくは付き合わない。 |
意味 | 人と仲良くするがむやみに同調しない。 |
この言葉から、「人と仲良くするが、相手の意見にむやみに合わせたりしない」という意味で【和して同ぜず】が使われるようになりました
【和して同ぜず】の意味 |
・人と仲良くするが、相手の意見にむやみに合わせたりしない ・主体性を持って人と付き合うこと |

【和して同ぜず】の読み方 |
わしてどうぜず |

【和して同ぜず】と意味・由来が同じ四字熟語「和而不同・わじふどう」 |
・人と仲良くするが、相手の意見にむやみに合わせたりしない ・主体性を持って人と付き合うこと |

【和して同ぜず】3つの類語 | ||
和而不同 | 和して流せず | 和を以て貴しとなす |

【和して同ぜず】2つの反対語 | |
同じて和せず | 付和雷同/附和雷同 |

【和して同ぜず】2つの英語表現 | |
harmonize but not agree | one must draw the line somewhere |

【和して同ぜず】中国語表現 |
和而不同(hé ér bù tóng) |


故事成語【和して同ぜず(わしてどうぜず)】由来・語源は孔子の言葉
由来・語源
- ❶【和して同ぜず(わしてどうぜず)】の由来は孔子の言葉
- ❷「孔子(こうし)」とは
- ❸ 「論語(ろんご)」とは

【和して同ぜず(わしてどうぜず)】の由来・語源は孔子の言葉
【和して同ぜず】の語源は、春秋時代の中国の思想家・孔子(こうし)の言葉に由来します。
孔子の著書「論語」の「第7巻の子路(しろ)」には、次のような言葉が書かれています。
孔子の言葉 |
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず |
これを現代語に訳すと、次のようになります。
立派な人物は、他人と仲よく付き合うが、安易に同調はしない。つまらない人物は、他人に安易に同調するが、けっして仲よくは付き合わない。 |
この孔子の言葉から、「人と仲良くするがむやみに同調しない」意味で【和して同ぜず】という言葉が使われるようになりました。
「孔子(こうし)」とは
孔子は、古代中国・春秋時代の思想家で、儒教の開祖です。
国が人民を治めるためには人徳が必要であると唱えていました。
多くの人から尊敬された人物で、弟子の数は約3000人と言われています。
孔子は、釈迦、キリスト、ソクラテスと並び「四聖人(世界の偉大な思想家の4人を指す)に数えられています。
「論語(ろんご)」とは
「論語」とは、孔子と孔子の高弟の言行を、孔子の死後に弟子が400年かけてまとめた儒教の経書です。
表現がわかりやすい為、儒教の入門書として知られています。
一般市民の読者も多く、教科書にも使われていたそうです。

【和して同ぜず】の意味・読み方
意味・読み方
- ❶【和して同ぜず】の意味
- ❷「和」の意味
- ❸「同」の意味
- ❹【和して同ぜず】の読み方

【和して同ぜず】の意味
【和して同ぜず】は、「人と仲良くするが、むやみに同調して従ったりはしない」という意味です。
【和して同ぜず】の意味 |
・人と仲良くするが、むやみに同調して従ったりはしない ・主体性を持って人と付き合うこと |
「和」の意味
「和」とは、「主体性を持ちながら、他人と親しく交わり助け合うこと」です。
「和」の意味 |
主体性を持ちながら、他人と親しく交わり助け合うこと |
「同」の意味
「同」とは、「自分の考えもないままに、ただ他人の言動に同調すること」です。
「同」の意味 |
自分の考えもないままに、ただ他人の言動に同調すること |
【和して同ぜず】の読み方
【和して同ぜず】は、「わしてどうぜず」と読みます。
【和して同ぜず】の読み方 |
わしてどうぜず |
【和して同ぜず】と意味・由来が同じ四字熟語「和而不同」

【和して同ぜず】と意味・由来が同じ四字熟語に「和而不同(わじふどう)」があります。
「和而不同(わじふどう)」の意味 |
・人と仲良くするが、相手の意見にむやみに合わせたりしない ・主体性を持って人と付き合うこと |
「和而不同」と書いて「わじふどう」と読みます。
「論語の孔子の言葉」に由来します。
【和して同ぜず】例文・使い方
例文・使い方
- ❶例文
- ❷使い方

例文
例文1 | 和して同ぜずを心がけているが、はっきり言えない時もあり、なかなか難しい。 |
例文2 | 和して同ぜずな態度でいたら、周りから浮いてしまった。 |
例文3 | 私の会社では「和して同ぜず」の精神で会議に臨むことがモットーだ。 |
使い方




【和して同ぜず】漢文の原文・現代語訳・書き下し文

原文・白文 | 子曰、「君子和而不同。小人同而不和。」 |
書き下し文 | 子曰はく、「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」 |
現代語訳 | 孔子はこう言いました。「立派な人物は、他人と仲よく付き合うが、安易に同調はしない。つまらない人物は、他人に安易に同調するが、けっして仲よくは付き合わない。」 |
「君子=徳の高い人、小人=駄目な人」という意味です。
「小人」は日本と中国ではニュアンスに違いがあります。
「小人」のニュアンスの違い | |
日本 | 徳のない一般人 |
中国 | ダメな人 |
【和して同ぜず】3つの類語・類義語

【和して同ぜず】は、人と仲良くするが、相手の意見にむやみに合わせたりしないという意味です。
類語は次のようになります。
【和して同ぜず】3つの類語 | ||
1 | 和而不同 わじふどう |
人と仲良くするが、むやみに同調して従ったりはしない |
2 | 和して流せず わしてりゅうせず |
人と仲良くするが、信念を失って流されることはない |
3 | 和を以て貴しとなす わをもってとうとしとなす |
何事も、みんな仲良く、いさかいを起こさないのが良い |
【和して同ぜず】2つの反対語・対義語

【和して同ぜず】の反対語は、次のようになります。
【和して同ぜず】2つの反対語 | ||
1 | 同じて和せず どうじて わせず |
思慮の浅い人は、考えもなくむやみに人に同調するが、心から協力しない |
2 | 付和雷同/附和雷同 ふわらいどう |
自分にしっかりした考えがなく、むやみに他人の意見に同調すること |
「同じて和せず」は、【和して同ぜず】と同じ「論語の孔子の言葉」に由来します。
【和して同ぜず】2つの英語表現

【和して同ぜず】には2つの英語表現があります。
【和して同ぜず】2つの英語表現 | ||
1 | harmonize but not agree | |
調和はするが同調はしない | ||
2 | one must draw the line somewhere | |
どこかで線を引かなければならない |
【和して同ぜず】の中国語表現

【和して同ぜず】の中国語表現は次のようになります。
【和して同ぜず】中国語表現 |
和而不同(hé ér bù tóng) |
【和して同ぜず】というタイトルの書籍/山田恵諦
天台宗の僧侶である「山田恵諦さん」の著書に【和して同ぜず】があります。
98歳で亡くなった山田恵諦さんが、人生のコツを、わかりやすく面白く書かれた本です。