
野次馬の語源には3つの説があるので一言では言えません。
有力なのは「役に立たない年を取った馬説」です。

「役に立たない年を取った馬」と「事故などを見に集まる人々」はどう関係しているのでしょうか?
詳しい内容は記事に書いてあるのでお読み下さい。
3つある!野次馬の語源
野次馬の語源 その1(役に立たない年を取った馬説)
年を取った馬のことを「親父馬(おやじうま)」といいます。
親父馬になると体力がなく仕事もできないし、馬の群れの中での権力もなくなってくる。
ただ若い馬の後ろを付いて歩くだけの、何の役にも立たない存在になってしまいます。
これが転じて、「親父馬」は自分と関係ない事で目的もなく騒ぎ、見物する人を指すようになります。
次第に「親父馬」が転訛して「野次馬」となったようです。
野次馬の語源 その2(やんちゃな馬説)
人の言う通りにしない扱いにくい馬を「やんちゃ馬」といいます。
これが人にも使われるようになり、わがままを言い、騒ぐ子供を「やんちゃ」といいます。
この「やんちゃ」が転訛して「野次馬」となったようです。
野次馬の語源 その3(野生の馬説)
昔、野生の馬を捕獲する時は、谷に追い込む方法がとられていました。
賢い馬は俊敏に逃げますが、中には賢い馬の後ろを付いて走るだけの馬もいます。
そういう馬は谷に追い込まれやすい事から「谷地馬(やちうま)」と呼ばれていました。
「谷地馬」が転じて人にも使われるようになり「野次馬」となったようです。
3つの説で有力なのは「役に立たない年を取った馬説」
昔は男性の敬称として「父(ち)」が使われていました。
そのため男親は「親父(おやち)」です。
「おやち」が転じて「おやぢ」となり、それが略されて「やぢ(やじ)」と言われていたようです。
このように、「親父」を「やじ」という例は前から存在していたから。
この事から「年老いた馬(親父馬)説」が有力だと言われているようです。
野次馬の社会問題
野次馬の心理
集団の社会的心理として、個人ではできない事が集団だとできてしまう事があります。
集団になると責任感が薄くなってしまうからです。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉がありますが、まさにこれです。
心理学では集団の心理を「群集心理」と言い、あまりいい意味では使われていません。
野次馬は心理学では、偶然人が集まった「偶発的聴衆」というグループに分類されています。
野次馬によって引き起こされる問題
自分と関係ない事で目的もなく騒ぎ、見物する野次馬は社会問題にもなっています。
野次馬が原因で消防車の到着が遅れたり、スポーツ観戦では乱闘騒ぎが起きた事もありました。
野次馬もほどほどに、軽率な行動は控えた方が良さそうです。
野次馬の意味
自分と関係ない事で目的もなく騒ぎ、見物する人という意味です。
また、そのような行為をしている人を蔑む言葉でもあり、あまり良い意味では使われません。
同じように良い意味で使われない「野次を飛ばす」「野次る」の「野次」は「野次馬」を略したものです。
野次馬の使い方と例文
自分には関係がないことに目的もなく群がる意味で使われます。
・芸能人が撮影をしていると野次馬が集まってくる
・消防車のサイレンを聞き、野次馬が集まってきた
このような感じで使われます。
野次馬の類義語
野次馬の類義語 その1(見物客・けんぶつきゃく)
ものを見るために集まった人という意味です。
お祭りやイベントなどを見るために集まり、楽しんでいる人を指す言葉です。
野次馬の類義語 その2(第三者・だいさんしゃ)
物事に直接関わっていない人という意味です。
その物事から何の影響も受けていない、当事者ではない人を指す言葉です。
野次馬の英語での言い方
野次馬の英語での言い方 その1 rubberneckers
「rubber」はゴム、「necke」は首とうい意味です。
首をゴムのように伸ばして見ている様子から「野次馬」の意味で使われています。
野次馬の行為を「rubbernecking」というそうです。
野次馬の英語での言い方 その2 curious onlooker
「curious」は好奇心、「onlooker」は見物人、観客という意味です。
好奇心が強く自分には関係ない事も見物する人という意味です。
「野次馬」と同じ意味で使われます。