

「犬も歩けば棒に当たる」の2つの意味・例文・英語表現についてまとめました。
詳しくは記事に書いてありますので、お読み下さい。
【犬も歩けば棒に当たる】の2つの意味
犬も歩けば棒に当たるには、「幸運・災難」と正反対の2つの意味があります。
犬も歩けば棒に当たるの意味 その1(災難の意味)
「犬も歩けば棒に当たる」には、2つの意味があり、1つは「災難」の意味です。
何かしようとすれば、思いもよらぬ災難にあうことがある |
「棒に当たる」とは「人に棒で殴られる」ことを意味しています。
昔から「犬も出歩いていると、犬嫌いの人に棒でぶたれてしまう」と、災難にあうという意味で使われていました。
犬も歩けば棒に当たるの意味 その2(幸運の意味)
「犬も歩けば棒に当たる」のもう1つの意味は「幸運」の意味です。
・何かをしようとすれば、思いがけない幸運が訪れることがある ・才能のない人でも、積極的に行動することでうまくいくことがある |
幸運の意味では、自分のことを卑下して「犬」に例えています。
また、「棒に当たる」は本来と逆の意味で「幸運が訪れる」という使い方をしています。
このように逆の言葉で表現するのは、江戸っ子独特の感性のようです。
【犬も歩けば棒に当たる】の例文・使い方
例文1(災難の意味)
余計な行動はするべきでないという戒めの意味で使われます。
・良かれと思って意見したら邪魔者扱いをされてしまった。まさに、犬も歩けば棒に当たるだ。 ・プロジェクトに立候補し選ばれたが、メンバーがイマイチで散々だ。まさに、犬も歩けば棒に当たるだ。 |
例文2(幸運の意味)
思いがけない幸運が訪れるという意味で使われます。
・犬も歩けば棒に当たるというように、飛び込みで営業してみたら契約を取ることができた ・諦めずに、犬も歩けば棒に当たるで、婚活パーティーに参加してみたらどうだろう ・犬も歩けば棒に当たるというように、ダンス教室に通い始めたら友達がたくさん増えた |
「才能がない人でもうまくいった」というニュアンスが含まれます。
他人を主語にするときは、良い意味で使うときも注意が必要です。
【犬も歩けば棒に当たる】の英語表現
英語表現 その1(Nothing ventured, nothing gained)
「Nothing ventured, nothing gained」の意味はこのようになります。
Nothing ventured, nothing gained 冒険しなければ何も起こらない。行動しよう。 |
ventured:adventure(冒険)の動詞
gain: 利益、成長
犬も歩けば棒に当たるの「幸福・災難」両方の意味を持つ言葉です。
英語表現 その2(Nothing will change if you do nothing.)
「Nothing will change if you do nothing」の意味はこのようになります。
Nothing will change if you do nothing. 何も行動しなければ、何も起こらない。何も変わらない。 |
この言葉も、犬も歩けば棒に当たるの「幸福・災難」両方の意味を持つ言葉です。
英語表現 その3(A flying crow always catches something.)
「A flying crow always catches something.」の意味はこのようになります。
A flying crow always catches something. 飛び回るカラスは何かをつかまえる |
この言葉は、犬も歩けば棒に当たるの「幸福」の意味を持つ言葉です。
【犬も歩けば棒に当たる】の類語・類義語
類語・類義語 その1(歩く足には泥(塵)がつく)
「歩く足には泥(塵)がつく」の意味はこのようになります。
何事も行動すれば煩わしいことが起きてしまう。何もせずにじっとしているのがいい。 |
犬も歩けば棒に当たるの「災難」の意味の類語です。
類語・類義語 その2(棚から牡丹餅)
「棚から牡丹餅」の意味はこのようになります。
思いがけない幸運が訪れること |
犬も歩けば棒に当たるの「幸運」の意味の類語です。
類語・類義語 その3(歩く足には棒あたる)
「歩く足には棒あたる」の意味はこのようになります。
積極的に行動すれば良い事も悪い事も起こる。 じっとしていれば無事だがなんの生き甲斐もない。 |
この言葉も、犬も歩けば棒に当たるの「幸福・災難」両方の意味を持つ類語です。
類語・類義語 その4(藪をつついて蛇を出す)
「藪をつついて蛇を出す」の意味はこのようになります。
余計なことをして状況を悪化させてしまうこと |
犬も歩けば棒に当たるの「災難」の意味の類語です。
類語・類義語 その5(触らぬ神に祟りなし)
「触らぬ神に祟りなし」の意味はこのようになります。
物事に関わらなければ、災いを招くことはない。 面倒なことには余計な手出しはしないほうがいい。 |
犬も歩けば棒に当たるの「災難」の意味の類語です。
【犬も歩けば棒に当たる】の対義語・反対語
犬も歩けば棒に当たるという言葉には、幸福・災難と2つの意味があります。
「災難」の意味の場合は「棚から牡丹餅」が反対の意味を持つことわざです。
「幸福」の意味の場合は「歩く足には泥(塵)がつく」「触らぬ神に祟りなし」などが反対の意味を持つことわざとなります。
【犬も歩けば棒に当たる】の由来・語源
「犬も歩けば棒に当たる」が使われ始めたのは江戸時代
「犬も歩けば棒に当たる」という言葉が使われ始めたのは、江戸時代です。
現在では考えられないことですが、江戸時代は、犬の放し飼いが一般的でした。
野良犬も多く、人に危害を加える犬も多かったため、人は身を守るために、犬を見かけると棒で叩いたそうです。
「犬が人に叩かれる様子」に由来している
「犬も歩けば棒に当たる」は「犬が人に叩かれる様子」に由来しています。
犬がでしゃばって、町中をふらふら歩くと人に叩かれる。
このことから、「犬も歩けば棒に当たる」という言葉が使われるようになったようです。
江戸いろはかるた(犬棒かるた)
江戸時代に使われていた「江戸いろはかるた」
一番最初の「い」のことわざが「犬も歩けば棒に当たる」なので「犬棒かるた」とも呼ばれます。
「い」のかるたには、犬が棒に当たり顔をしかめた絵が描かれることが多かったようです。