
【お好み焼き】という名前の語源・由来は、自分で好きな具材やソースを選び、自由に焼くことができる料理なので、「好みの具材を焼くこと」から名前がつけられました。
【お好み焼き】発祥は意外にも東京/歴史と起源
【お好み焼き】発祥・歴史・起源
- ❶発祥は意外にも東京
- ❷「どんどん焼き」が東京から地方へ
- ❸【お好み焼き】の歴史/起源は「麩の焼き(ふのやき)」
- ❹一般に広まったのは戦後

【お好み焼き】発祥は意外にも東京
【お好み焼き】の発祥の地は、意外にも東京都です。
【お好み焼き】は、明治時代に東京で流行した「もんじゃ焼き」から派生したものです。
東京下町の駄菓子屋さんで販売され、子供たちの間で大流行しました。
もんじゃ焼き | 小麦粉をゆるく水に溶き、具材を混ぜ、鉄板で焼いてヘラで食べる料理 |
明治時代〜大正時代にかけて、「もんじゃ焼き」から派生した「どんどん焼き」が作られるようになります。
どんどん焼き | 手のひらサイズのお好み焼きのようなもので、主に屋台で販売されていた |
「どんどん焼き」が更に進化し、【お好み焼き】などに派生していきます。
「どんどん焼き」が東京から地方へ
東京で人気となった「どんどん焼き」が、地方へと広まっていきました。
地方へ広まった「どんどん焼き」は、それぞれの土地で更に変化します。
東北では「どんどん焼き」、関西では「一銭洋食(いっせんようしょく)」、神戸では「肉天(にくてん)」と呼ばれ、独自に変化しました。
どんどん焼き | 手のひらサイズのお好み焼きのようなもので、主に屋台で販売されていた |
一銭洋食 | 水で溶いた小麦粉を鉄板で焼き、ネギや鰹節、肉などをのせて焼き半分に折った料理 |
肉天 | 水で溶いた小麦粉を薄く鉄板で焼き、味付けをしたジャガイモやすじ肉、こんにゃく、キャベツなどをのせて焼き半分に折った料理 |
これらが更に進化して、【お好み焼き】や「たこ焼き」に派生しました。
【お好み焼き】の歴史/起源は「麩の焼き(ふのやき)」
【お好み焼き】の起源は、安土桃山時代に千利休が考案した「麩の焼き(ふのやき)」と言われています。
麩の焼き | 水で溶いた小麦粉を薄く焼き、味噌や砂糖、芥子の実などを塗って丸めて食べる和菓子 |
江戸時代になると「麩の焼き」が進化し、中身を餡に替えた「助惣焼(すけそうやき)」が登場します。
助惣焼 | 「麩の焼き」が進化し、中身を餡に替えたもの |
明治時代になると「助惣焼」が進化し、野菜が使われるようになり、「もんじゃ焼き」が登場します。
【お好み焼き】は「もんじゃ焼き」から派生したものです。
「もんじゃ焼き」の起源は「麩の焼き」なので、【お好み焼き】の起源も「麩の焼き」と言えます。
お好み焼きの進化 |
麩の焼き→助惣焼→もんじゃ焼き→どんどん焼き→一銭洋食・肉天→お好み焼き・たこ焼き |
一般に広まったのは戦後
現在のような【お好み焼き】が一般に広まったのは、戦後です。
戦後は食料が不足していました。
アメリカから支給される小麦粉と、安価で一年中手に入るキャベツを使い、空腹を満たすためにボリュームのある【お好み焼き】が作られていました。
次第に、キャベツだけでなく、豚肉など様々な具材が使われるようになると、専門店も登場するように。
空腹を満たすための【お好み焼き】が、人気の食べ物に変化し、一般に広く知られるようになります。
昭和13年には、東京浅草に「風流お好み焼き 染太郎」というお店がオープンします。
「風流お好み焼き 染太郎」は、現存する最古のお好み焼き屋さんで、お好み焼き発祥のお店でもあります。
【お好み焼き】の語源は「好みの具材を焼くこと」に由来

【お好み焼き】の語源は、「好みの具材を焼くこと」に由来しています。
【お好み焼き】は、自分で好きな具材・トッピング・ソースを選び、自由に焼くことができる料理です。
このことから、【お好み焼き】という名前がつけられました。
「お好み焼きの日(お好み焼き記念日)」とは

「お好み焼きの日」は、10月10日です。
お好み焼きのソースを製造販売している株式会社オタフクソースによって、2006年10月10日に制定されました。
お好み焼きを鉄板やホットプレートで焼く時にジュージューと音を立てること。
みんなで鉄板やホットプレートを囲んで食べる様子が数字の「0」に見えること。
これらの理由から語呂合わせで、10月10日とされました。
【お好み焼き】と「広島焼き」の5つの違い
【お好み焼き】と「広島焼き」の違い
- ❶焼き方
- ❷焼きそば(麺)の有無
- ❸生地の水分量
- ❹キャベツの切り方
- ❺ソース

その1(焼き方)
【お好み焼き】と「広島焼き」の一番の違いは、焼き方です。
お好み焼き | 生地とキャベツを混ぜてから焼く「混ぜ焼き」 |
広島焼き | 生地の上にキャベツなどの具材を重ねて焼く「重ね焼き」 |
その2(焼きそば(麺)の有無)
【お好み焼き】と「広島焼き」の違い、その2は焼きそば(麺)の有無です。
お好み焼き | 麺を入れない |
広島焼き | 麺を入れる |
その3(生地の水分量)
【お好み焼き】と「広島焼き」の違い、その3は生地の水分量です。
お好み焼き | ドロっとした硬めの生地 |
広島焼き | サラッとしたゆるめの生地 |
その4(キャベツの切り方)
【お好み焼き】と「広島焼き」の違い、その4はキャベツの切り方です。
お好み焼き | キャベツの3cmくらいに切る |
広島焼き | 2cm〜3cmくらいの千切りにする |
その5(ソース)
【お好み焼き】と「広島焼き」の違い、その5はソースの味です。
お好み焼き | 辛口のソースが使われるのが一般的で、オリバーソースが有名 |
広島焼き | 甘口のソースが使われるのが一般的で、オタフクソースが有名 |
【お好み焼き】と「モダン焼き」の違い

【お好み焼き】と「モダン焼き」の違いは、焼きそば(麺)の有無です。
【お好み焼き】に、茹でたり蒸したりした麺を重ねて焼いたものが「モダン焼き」です。
別名「そばのせ」とも言います。
「広島焼き」と「モダン焼き」の違い

「広島焼き」と「モダン焼き」は同じように思われますが、焼き方が違っています。
広島焼き | 麺の上に具材や生地をのせて焼く |
モダン焼き | 生地の上に麺や具材をのせて焼く |
【お好み焼き】/「関西風」と「関東風」の違い

「関西風」と「関東風」の【お好み焼き】の違いは、生地の分量と焼き方です。
関西風 | 関東風 | |
生地 | 生地がやや少なめでキャベツなどの具材が多め | 生地がやや多めでキャベツなどの具材が少なめ |
焼き方 | 店員さんが焼いたものをテーブルにもってきてくれることが多い | お客さん自身が焼くことを楽しむスタイルが多い |
「関西風」は、生地がやや少なめでキャベツなどの具材が多め、お店では店員さんが焼いたものをテーブルにもってきてくれることが多いです。
「関東風」は、生地がやや多めでキャベツなどの具材が少なめ、お店ではお客さん自身が焼くことを楽しむスタイルが多いです。
韓国風の【お好み焼き】「チヂミ」

韓国には【お好み焼き】に似た「チヂミ」という料理があります。
小麦粉、米粉、片栗粉、卵、水を混ぜた生地に、ニラや海鮮を混ぜて焼いた料理です。
焼いたものは、酢醤油やコチュジャンなどが入ったピリ辛なタレにつけていただきます。
米粉や片栗粉を使っているので、もちもちな食感です。
ニラ、海鮮、キムチ、チーズなど、具材によってさまざまなアレンジをすることができます。