

福神漬けと七福神は全く関係ないように思いますが、どう繋がっているのでしょうか?
興味のある方は、詳しく書いてあるので記事をお読み下さい。
福神漬けの名前の由来は七福神だった!
福神漬けを開発したのは、上野の漬物店「山田屋」の当主・野田清右衛門です。
当時、福神漬けは美味しいと評判でした。
福神漬けがあればおかずは不要、食費の節約になり七福神がやってきたようにお金が貯まる!
このような意味と、漬物に使われている野菜を七福神に見立て「福神漬け」と、作家の梅亭金鵞が名前をつけました。
山田屋の近くに不忍池の弁財天があった事から、七福神に因んでつけられています。
福神漬けに使われている7種類の野菜とは
福神漬けに使われている野菜は、正式には「大根、蓮根、しそ、生姜、なす、きゅうり、なた豆」の7種類です。
これら以外の野菜が入っていても、どれかが欠けていてもダメなんですね。
この7種類の野菜は、それぞれ神様に見立てられています。
3 語源となった七福神の神様は野菜に見立てられていた
語源となった七福神の神様 その1 恵比須天(えびすてん):大根
大根に見立てられたのは、七福神の中で唯一の日本の神様である恵比寿天です。
商売繁盛や豊魚・豊作のご利益があります。
語源となった七福神の神様 その2 大黒天(だいこくてん):蓮根
蓮根に見立てられたのは、ヒンドゥー教の大黒天です。
開運、財宝のご利益があります。
語源となった七福神の神様 その3 弁財天(べんざいてん):しそ
しそに見立てられたのは、七福神の中で唯一の女性の神様である弁財天です。
音楽、芸術、財宝のご利益があります。
語源となった七福神の神様 その4 毘沙門天(びしゃもんてん):生姜
生姜に見立てられたのは、七福神の中で唯一武器を持っている毘沙門天です。
招福、厄除けのご利益があります。
語源となった七福神の神様 その5 布袋尊(ほていそん):なす
なすに見立てられたのは、布袋尊です。
笑門来福、夫婦円満、子宝のご利益があります。
語源となった七福神の神様 その6 福禄寿(ふくろくじゅ):きゅうり
きゅうりに見立てられたのは、福禄寿です。
長寿、出世のご利益があります。
語源となった七福神の神様 その7 寿老人(じゅろうじん):なた豆
なた豆に見立てられたのは、寿老人です。
長寿、健康、子宝のご利益があります。
福神漬けの名前の由来である「山田屋」は上野に現存する「酒悦」
福神漬けの名前の由来である「山田屋」は現存する「酒悦」
福神漬けの由来である山田屋は、「酒悦」という店名で現在も営業をされています。
「元祖福神漬け」という商品もあり、品数も豊富です。
酒悦さんで使っている野菜は「大根、なす、蓮根、かぶ、しそ、なた豆、うり」の7種類。
販売されているのは、無添加やホタテのエキスが入っているものなど、美味しそうな福神漬けばかりです。
西日暮里の浄光寺に石碑が存在している
西日暮里の浄光寺には福神漬けにまつわる石碑が存在しています。
石碑には以下のように書かれています。
「福神漬発明者野田清右衛門表彰碑」 |
「野田清右衛門」とは福神漬けを開発した山田屋の当主ですね。
当時の福神漬けの人気ぶりが、この石碑からもわかります。
福神漬けにまつわる都市伝説的な2つの由来
福神漬けは、山田屋の野田清右衛門が発明し、作家の梅亭金鵞により七福神に因んで命名されました。
この説以外にも、福神漬けには、信憑性の乏しい都市伝説のような由来が2つあります。
福神漬けにまつわる都市伝説的な由来 その1 お坊さんが考案した説
江戸時代初期に了翁道覚というお坊さんが考案したと言われています。
了翁道覚は上野寛永寺にお坊さんのための寮を建て、そこでの食事に福神漬けを出していました。
これを寛永寺(上野)の住職・輪王寺宮が美味しいと評価し「福神漬け」と名づけたそうです。
福神漬けにまつわる都市伝説的な由来 その2 七福神説
昔、福神漬けには7種類の野菜が使われていました。
7種類の野菜を使っていたので、七福神に因んで「福神漬け」と名付けられたと言われています。
農林水産省による福神漬けの定義とは
農林水産省では以下のように定義されています。
農産物しょうゆ漬け類のうち、だいこん、なす、うり、きゅうり、しょうが、なたまめ、れんこん、しそ、たけのこ、しいたけ若しくはとうがらしを細刻したもの又はしその実若しくはごま(以下「ふくじんの原料」という。)のうち5種類以上の原材料を主原料とし漬けたものをいう。
引用・参考:農林水産省:https://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/kokuji/k0001017.html
消費者としては、いろいろな福神漬けがあったほうが、好みのものを選べて嬉しいですよね。
福神漬けが全国に広まったのは大正時代
福神漬けが全国に広まったのは、大正時代です。
そのきっかけとなったのが、クルーズ客船で提供されたカレーに、福神漬けが添えられていた事です。
これが話題となり、全国に広まりました。
カレーに福神漬けが添えられていたのは一等客室のみで、一般客室にはたくあんが添えられていたようです。
2つある!福神漬けがカレーに添えらるようになった理由
福神漬けがカレーに添えらるようになった理由には、2つのいわれがあります。
福神漬けがカレーに添えらる理由 その1 チャツネの在庫切れ
昔はカレーに「チャツネ」という、野菜や果物をスパイスで煮込んだインドのソースが添えられていました。
クルーズ船でもチャツネが用意されていたようですが、在庫切れをおこしてしまいます。
そこで、代用に使われたのが福神漬けだったようです。
福神漬けがカレーに添えらる理由 その2 チャツネは不人気だった
カレーに使われていた「チャツネ」ですが、当時は不人気だったそうです。
「チャツネはいりません」と言う人が多かったのでしょうか。
そんな人たちのために、代わりに添えられたのが福神漬けだったようです。
福神漬けの日があった!
食品の商社である株式会社日進により、7月29日が福神漬けの日に制定されています。
七福神 → しちふく → 729 という語呂合わせからこの日に決められたようです。
日本記念日協会にも登録されています。
福神漬けの日には、福神漬けのレシピコンテストなど行われています。
受賞したレシピには、みたらし団子やピザなど斬新なレシピが多く、見ていて楽しいものばかりです。
福神漬けの作り方
福神漬けの作り方1 材料をカットして塩もみする
大根、にんじん、レンコン、きゅうりなど、好みの野菜を好みの大きさにカットします。
野菜を密閉できる袋に入れて塩もみします。
1時間ほどおくと水分が出てくるので、しっかりと絞ってください。
福神漬けの作り方2 漬け汁と合わせる
鍋に醤油・砂糖・みりん・酒(全て同量・めんつゆでもOK)を入れ、5分くらい煮つめます。
5分程度煮つめたら、カットした野菜と混ぜ合わせます。
これでほぼ完成です!
粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして下さい。
福神漬けは簡単に作れる
福神漬けは意外にも簡単に作ることができます。
自分で作ると好みの野菜を入れられるのがいいですよね。
福神漬けはオレンジや茶色のイメージがありますが、きゅうりを入れると緑が映えて可愛いのでオススメです。
福神漬けのアレンジレシピ
福神漬けチャーハン
普通にチャーハンを作る要領で、最後にカットした福神漬けを加えるだけです。
トッピングにネギ・のりを加えるのがポイント!
福神漬けのカリカリっとした食感が絶妙で美味しいチャーハンになります。
福神漬けのタルタルソース
ゆで卵・カットした福神漬け・マヨネーズ・パセリを混ぜるだけの簡単ソースです。
他の野菜と混ぜてサラダにも使えるし、サンドイッチなどにも使えて便利です。
これもまた、福神漬けのカリカリ感が絶妙で美味しいです。