
水鳥は、季節に合わせて移動しながら生活をしています。
水鳥が飛び去ったあとの池や湖は、濁ったり餌が落ちていたりせず非常に綺麗だそうです。
元のように水が美しいことから「立ち去る者は、あとが見苦しくないようにきちんと後始末をする」という意味で【立つ鳥跡を濁さず】という言葉が使われるようになりました。
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①意味・読み方 |
②由来・語源 |
③ 使い方・例文 |
④「飛ぶ鳥跡を濁さず」は間違いなのか/意味も解説 |
⑤ 類語・同じ意味のことわざ |
⑥対義語・反対語 |
⑦ 英語表現 |
⑧ 中国語表現 |
【立つ鳥跡を濁さず】読み方 |
たつとりあとをにごさず |

よく似た言葉「飛ぶ鳥跡を濁さず」の意味 |
【立つ鳥跡を濁さず】と同じ 「立ち去る者は、あとが見苦しくないようにきちんと後始末をすること」 |

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【立つ鳥跡を濁さず】8 つの類語・類義語 | |
原状回復 | 現状復帰 |
後腐れがない | 鷺は立ちての跡を濁さず |
元に戻す | 元通りにする |
復旧 | 鳥は立てども跡を濁さず |

【立つ鳥跡を濁さず】4つの反対語・対義語 | |
後足で砂をかける | 後は野となれ山となれ |
大水の出たあとのよう | 旅の恥は掻き捨て |

【立つ鳥跡を濁さず】4つの英語表現 | |
1 | It is foolish bird that defiles (fouls) its own nest. |
2 | Cast no dirt into the well that gives you water. |
3 | A bird does not foul the nest that it is about to leave. |
4 | On leaving a place one should see that everything is in good order before one goes. |

【立つ鳥跡を濁さず】中国語表現 |
好来不如好去(hǎo lái bù rú hǎo qù) |


【立つ鳥跡を濁さず】意味・読み方
意味・読み方
- ❶【立つ鳥跡を濁さず】の意味
- ❷「立つ鳥」の意味
- ❸「跡」の意味
- ❹読み方

【立つ鳥跡を濁さず】の意味
【立つ鳥跡を濁さず】の意味は、「立ち去る者は、あとが見苦しくないようにきちんと後始末をする」です。
【立つ鳥跡を濁さず】の意味 |
立ち去る者は、あとが見苦しくないようにきちんと後始末をする |
戒めの言葉です。
「立つ鳥」の意味
「立つ」の意味は、「飛び立つ」です。
「立つ」の意味 |
飛び立つ |
立ち上がるの「立つ」ではなく、古語の「立つ」で「飛び立つ」という意味です。
「立つ鳥」で、鳥が飛び立つ様子を表しています。
「跡」の意味
「跡」の意味は、「痕迹」です。
「跡」の意味 |
痕迹 |
「跡を濁さず」で、「あとが見苦しくないようにきちんとする」という意味になります。
読み方
【立つ鳥跡を濁さず】の読み方は「たつとりあとをにごさず」です。
「立つ鳥後を濁さず」「立つ鳥跡を汚さず」と書かれることがありますが、どちらも間違いです。
跡(あと)は「痕跡」のことです。
空間的な「後ろ」、時間的な「後」ではありません。
【立つ鳥跡を濁さず】由来・語源となった水鳥の行動とは
由来・語源
- ❶由来・語源となった水鳥の行動とは
- ❷ 由来となった水鳥は「鷺(さぎ)」
- ❸いつから使われている言葉なのか

【立つ鳥跡を濁さず】由来・語源となった水鳥の行動とは
【立つ鳥跡を濁さず】は、水鳥の行動に由来します。
水鳥は、季節に合わせて移動しながら生活をしています。
水鳥が飛び去ったあとの池や湖は、濁ったり餌が落ちていたりせず非常に綺麗だそうです。
元のように水が美しいことから「立ち去る者は、あとが見苦しくないようにきちんと後始末をする」という意味で【立つ鳥跡を濁さず】という言葉が使われるようになりました。
由来となった水鳥は「鷺」
【立つ鳥跡を濁さず】の由来となった水鳥は「鷺(さぎ)」だと考えられています。
1600年前後に書かれたことわざ集に「北条氏直時分諺留(ほうじょううじなおじぶんことわざとめ)」があります。
この書物に「鷺はたちての跡濁さぬ」と書かれていることから、「鷺」が由来とされています。
鷺は綺麗好きな鳥で、爪が櫛状になっていて、自分の羽を梳かしているそうです。
いつから使われている言葉なのか
【立つ鳥跡を濁さず】という言葉は、1600年ごろにはすでに使われていました。
1603年に発行された「日葡辞書(にっぽじしょ)」に、「タツトリモアトヲニゴサヌ」と書かれているそうです。
「日葡辞書」は、ポルトガル人宣教師によってまとめられた、日本語をポルトガル語で解説した辞典です。
【立つ鳥跡を濁さず】の使い方・例文
使い方・例文
- ❶使い方
- ❷例文

使い方
【立つ鳥跡を濁さず】は、「退職」「転勤」「恋愛」「旅」など様々な場面で使われる言葉です。
退職・転勤 | 身のまわりをきれいにしたり、引き継ぎをしっかりすること |
旅 | 旅先では使ったものをきれいに片付けること |
恋愛 | 別れた相手に未練がましくなく、気持ちをスッキリ整理すること |
このようなことを表現することができます。



例文
例文1 | 来月で退職するが、立つ鳥跡を濁さずの精神で、引き継ぎや片付けをしっかりとやろう。 |
例文2 | 30年連れ添ったので複雑な思いだが、立つ鳥跡を濁さずで別れようと思う。 |
例文3 | 転勤する先輩の机はきれいに片付いていて、まさに立つ鳥濁さずだった。 |
例文4 | 登山では立つ鳥跡を濁さずで、ゴミの持ち帰りや使った場所の片付けをするのは常識だ。 |
「飛ぶ鳥跡を濁さず」は間違いなのか/意味も解説

【立つ鳥跡を濁さず】と同じ意味で使われている言葉に「飛ぶ鳥跡を濁さず」があります。
辞書によっては「飛ぶ鳥跡を濁さず」は間違いであるとする意見があります。
正しい | 広辞苑などの辞書では「飛ぶ鳥跡を濁さず」は【立つ鳥跡を濁さず】と同じ意味であると書かれている。 |
間違い | 「飛ぶ鳥跡を濁さず」は【立つ鳥跡を濁さず】の誤用であると書かれている。 |
江戸時代の国語辞書「俚言集覧(りげんしゅうらん)」には「飛ぶ鳥跡を濁さず」という表現が書かれているそうです。
このことからすると、「飛ぶ鳥跡を濁さず」は、江戸時代から使われていた言葉であり、間違いではないと言えそうです。
【立つ鳥跡を濁さず】8つの類語/同じ意味のことわざ

【立つ鳥跡を濁さず】の類語は「原状回復」「元に戻す」などです。
【立つ鳥跡を濁さず】8つの類語/同じ意味のことわざ | ||
1 | 原状回復 (げんじょうかいふく) |
変化する前の状態に戻すこと |
2 | 原状復帰 (げんじょうふっき) |
変化する前の状態に戻すこと |
3 | 後腐れがない (あとくされがない) |
物事の終わった後に、面倒なことなどなくスッキリした状態 |
4 | 鷺は立ちての跡を濁さず (さぎはたちてのあとをにごさず) |
・後始末をきちんとすること ・引き際は潔く退くこと |
5 | 元に戻す (もとにもどす) |
前の状態に戻すこと |
6 | 元通りにする (もとどおりにする) |
前の状態に戻すこと |
7 | 復旧 (ふっきゅう) |
壊れたりしたものを、元の状態に戻すこと |
8 | 鳥は立てども跡を濁さず (とりはたてどもあとをにごさず) |
引き際は潔く退くこと |
【立つ鳥跡を濁さず】4つの対義語・反対語

【立つ鳥跡を濁さず】の対義語・反対語は、「後足で砂をかける」などです。
【立つ鳥跡を濁さず】4つの反対語・対義語 | ||
1 | 後足で砂をかける (あとあしですなをかける) |
お世話になった人を裏切ること |
2 | 後は野となれ山となれ (あとはのとなれやまとなれ) |
目の前のことが解決すれば、後はどうなってもいいこと |
3 | 大水の出たあとのよう (おおみずのでたあとのよう) |
洪水が去った後のように、荒れている状態 |
4 | 旅の恥は掻き捨て (たびのはじはかきすて) |
旅先では知り合いがいないから、恥ずかしいこともその場限りであること |
【立つ鳥跡を濁さず】4つの英語表現

【立つ鳥跡を濁さず】の英語表現は次のようになります。
【立つ鳥跡を濁さず】4つの英語表現 | ||
1 | It is foolish bird that defiles (fouls) its own nest. | |
自分の巣を汚すものは悪い鳥だ。 | ||
2 | Cast no dirt into the well that gives you water. | |
あなたに水を与える井戸に、ゴミを捨てるな。 | ||
3 | A bird does not foul the nest that it is about to leave. | |
鳥はこれから巣立つ巣を汚さない。 | ||
4 | On leaving a place one should see that everything is in good order before one goes. |
|
立ち去るときは、行く前に全てが整っていることを確認するべきだ。 |
【立つ鳥跡を濁さず】中国語表現

【立つ鳥跡を濁さず】の中国語表現は「好来不如好去」です。
【立つ鳥跡を濁さず】中国語表現 |
好来不如好去(hǎo lái bù rú hǎo qù) |